オオカミって一体どんな動物なの

＊この文章は11/29の自然保護研究会の例会において発表された内容をまとめたものです。

あなたはオオカミがどこに住んでいるか知っていますか？　

　前回までにオオカミの概要、日本でオオカミが滅んだ原因について見てきました。ところで、あなたは現在オオカミがどこに生息しているか知っていますか？オオカミが寒い地方に住んでいる動物だと思っている人もいると思います。そんな人は特に今回でしっかり勉強してください。

　ヨーロッパオオカミ、シンリンオオカミ、エゾオオカミ、ニホンオオカミ、アメリカアカオオカミ、………いろいろなオオカミがいますが、ところでこの中で別の種と長い間言われてきたオオカミがいます。さあ、どのオオカミでしょう？

　答えは、アメリカアカオオカミ。他のオオカミたちの学名はCanis lupusですが、アメリカアカオオカミの学名はCanis lufusなのです。

　しかし、mtDNA、核DNAの研究が進むとアメリカアカオオカミは別の種ではなくタイリクオオカミとコヨーテの雑種の可能性が示唆されました。

　アメリカアカオオカミ以外のオオカミはタイリクオオカミの亜種で、彼等が生息している環境に適応した結果なのです。亜種名は彼等が生息している環境、地名にちなんで付けられています。ここでは、タイリクオオカミとアメリカアカオオカミについてまとめてみましょう。

タイリクオオカミ
分布	北アメリカ、ヨーロッパ、アジア、中東
生息環境	森林、タイガ、ツンドラ、砂漠、平地、山岳地
サイズ	体長	100～150cm
	尾長	31～ 51cm
	肩高	66～ 81cm
	体重	12～ 80kg
	オスはメスよりも大きい
体毛	ふつう灰色から黄褐色だが、白（北部のツンドラ）から赤また茶をへて黒までの変異がある。腹側は白
妊娠期間	61日～63日
寿命	8～16年（飼育下では最高20年）
亜種	32亜種