自転車店として営業していて、お金を頂いていれば、それは立派に「プロ」だからプロショップなのだけれど、少し前に、町の書店で販売されている「スポーツサイクルの自転車雑誌」の中に、よく「プロショップ」という言葉が広告のうたい文句として出ていた。(今でも結構・・・・・)
現実にはかなり曖昧な言葉で確実な定義がない。(たぶんスポーツサイクルのショップのことだ。)
・お金を儲けさせていただいている以上、みんなプロショップ???
・スポーツサイクル関連の十分な情報と対応が出来るショップ???(プロショップ?はこのレベルでは?)
・フレーム制作できるかなりの実力のあるレベルのショップ (レベルの高いスポーツサイクルのプロショップ)

実は、私も、以前 お客さんにおだてられて、プロショップといわれて、喜んでいたことがあった。
しかし、世の中は広い、長年、自転車店を経営して、いるとフレーム工房等の施設を持つ、お店や、キャリア等のパーツ等も、自作できる本物の「プロショップの方々」とお近づきになったりすると、さすがに、「プロショップ?」を返上せざるを得なくなった。

※当店は、現在のところ、一般自転車とコンフォートバイク等のファンライド車の推奨店といったところか
 (もちろんどんな自転車もお客様のご希望により販売します。一部例外もあります。)

問題なのは、他業種から自転車店経営に参入するショップの中で、十分に習熟した整備士を確保できない店だ。
パンク修理の際、バフガケ、ゴム糊の乾き具合を確認しないで、パッチ(絆創膏状の物)を貼ったために簡単に外れる等。基本中の基本の修理作業が出来ない?「プロショップ?なので一般車の修理はいたしません」と断っていた店もあったほどだ。「自転車店の看板あげちゃいけないよ本当に!!!」MTBのパンク修理などは一体どうしていたのだろう? 上記の店は閉店した。極端な例を挙げているとおっしゃる方もおられるかもしれないが、この種の断りをされたユーザーが決して少なくない。「プロショップ、スポーツ車専門店なので?一般車の修理はしません」というのはいささかおかしな話だと私は思う。 経営方針で、その「店に、自転車購入の為に来店するお客さんへの接客を充実させるため」とその店主が言っていたのを直接聞いたことがあったが。
世の中、広い、自転車整備技能レベルの高い店で、整備士免許も保有していて、来店客数も多く、他店(一般)車に関して上記のお断りをしている店が本当にあるかも知れない。 そのお店にとっては、このコメントは、失言に当たるかも知れない事も追加しておきたい。

●スポーツサイクルのマニュアルの普及と一般車関連マニュアルがないこと。

スポーツ車に関しては一般的に、マニュアルが豊富に普及している為に、スポーツ車関係の初心者的なレベルの整備が出来るところにある。見た目の派手さと魅力もあり、スポーツサイクルの店は出しやすい。どの道もやはり深い、車輪組などのレベルになると、自分の店で組めなかったり、「振れ取り」調整が出来なかったり「間違った組み方をしたり(強度を十分に確保できない組み方)」、お客さんはさんざんな目に遭うことになる。もっとも基本的な一般車の後の引っかけハブを使っての車輪組のできない「プロショップ?」もある。

●平準化されていない自転車整備士技能の世界
一般車(普通車)の場合は、マニュアルなどは皆無に等しい、代々、自転車店を経営している店主が息子さん等に伝授したりという形が一般的だ。その店独自の修理の仕方などがあって どの店でもできなかった修理がある店に頼んだら「ちょちょいのちょい」ということもある自転車整備士の世界だ。マニュアルの普及の有る無しで、スポーツ車の店は出せても、「売りっぱなし」以外に、一般車の店は出しにくいのはここにある。町の新聞屋さんの実用車の耳付きタイヤなどに関しては、代々、自転車店を営業しているところへ持っていかないと在庫もないし、できない店も少なくない。
逆のことをいうと、一般の?町の自転車店へいって、MTBやロードレーサーのヘッドパーツ(ハンドル回転部品)を最新のA-HEADに交換して欲しいと頼んでも、たいていの場合断られるが、ちゃんとメーカーからマニュアルと工具メーカーなどからツールを購入して手慣れているお店であれば、可能だろう。(滅多にないケース:ハンドルステム、フロントフォ−ク交換も必要なのでかなりな出費)しかし「スポーツサイクルプロショップ」というからにはこの程度の技術や部品購入ルートも確保しておかなければいけない世界でもある。

●ユーザー側の対処法
知っていただきたいのは自転車店と一口にいっても、自転車そのものの種類が多く様々な理由により、自転車整備士のレベルの高度な平準化が、実現されていないという現実を知っていただき、その為に、自転車ユーザーであるお客さんがさんざんな目に遭うことを防ぎたい。 どんな病気の時にどこのお医者さんが名医かどうかを探すのに等しい行為であるかも知れないが、少なくても「料金ぼられ問題」のサイトでも、記述したとおり、前もって、いくつかの店で、「今お金がないけど・・・・・」等といいながらでも見積もりを出してもらっておくのもいいかも知れない。できない店は「出来ない」というだろうしできる店でも「かなり難しい仕事」として認識している店は、比較的高い見積もりをしてくるだろうし、やりなれてできる店は、簡単に引き受けてくれるだろう。それ以外のリスクも考慮しなければいけないが、せめてどんな場合も、見積もりをとる位はした方がいい。

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