第5話 分隊行動
〜第一分隊〜
基地の前の密林を3機のRX-79Gが進む。
周りに、とりあえず敵はいない。
しかし、油断は出来ない。3機は常に近距離に存在し、周囲を警戒している。
そんな中
「隊長。あの2人に任せてよかったのですか?」
ライアが言った。
「ン・・・。なぜだ?」
ゲイルは気にも留めていないようだ。
「カストロは性格の点で、問題があります。やはり、こちらの――隊長の部隊の方が
良かったのではないでしょうか」
「腕のない奴は死んでいく―それが戦争だ」
ロイが表情を変えずに言う。
「ロイ・・・・!」
「いや、そのとおりだ」
「隊長!」
「待て。私が何の考えもなしに、隊を分けると思うか・・・?」
「それは・・・・。では、何かお考えが?」
「うむ・・・。いや、もう着くぞ・・・。さぁ、偵察開始だ・・・」
「了解」
「・・・・了解」
ライアは話をはぐらかされて、多少納得がいかなかった


〜第二分隊〜
「さて・・・・。あと少しか・・・」
こちらはRGM-79GとRGM-79GS(セカンド)の部隊である。
辺りは、密林に囲まれている。
しかし、1部分は木々が無く、見通しが良い。そこに在る物こそ、目的地――ジオン の基地である。
その規模はなかなかに広い。どうやら、本格的な前線基地であろう。
弾が飛んでこないのを見ると、まだ気づかれてないらしい。
ただし、戦場はすでに宇宙へと変わっている。
もしかすれば、もう無人かも知れないためだろうか――そんなことを考えていた。
「しかしよぉ・・・。なんで俺らなんだろうな」
カストロが言った。
「?なにがだ」
「なんで俺らが同じ分隊なのか――ってことだよ」
不満―、疑問げに言った。
「そういえば――。いや、それほど疑問ではないだろう?」
「なんでだよ?」
「本格的な―。そう、本格的な事をするのには、プロ――腕の立つ奴を集めた方が良 いに決まってる」
「・・・・そんなもんか」
「そうじゃないかな・・・」
「・・・・・・・・」
気まずい沈黙・・・。言わなければ良かったと後悔した。
「ん・・・。どら。到着だ。さっさとやろうぜ」
「そうだな・・・・」
偵察が始まった。

〜第一分隊〜
「・・・変ですね」
「うむ・・・」
彼らがそう言うのも無理は無い。
偵察したが・・・・。無いのだ。なにも。
いや、正確に言えば、そこに在るはずの兵器、人の存在が感じ取れないのだ。
「既に、宇宙に上がった後だったのではないだろうか」
ロイだ。
「そうかもしれんな・・・・」
「隊長、どうします?」
「そうだな・・・・もう少し調べてから――」
そう言いかけたゲイルの声は、ライアによって防がれた。
「!?隊長!これを!」
「どうした。・・・・・これはっ!?」
「いかん!すぐに第二分隊に連絡を入れろ!!」
「了解」
この状況で、ロイ1人が冷静を保っていた。
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