最終話 命を背負って
メガ粒子砲発射!あの小隊を全滅させろ!」
司令が叫んだ。

「くっ・・・なにもできない・・・・」
フレイアが呻いた。
「こんなところで・・・・」
アーツが呻く。
「畜生・・・・」
エクスの表情には怒りが混じっていた。
「・・・・」
クルスは何も言えなかった。

メガ粒子砲が発射されると同時に一機のMSがメガ粒子砲に突撃していった。
「させるかぁぁぁぁぁ!!!!!」
ログがサーベルの出力を最大にしてメガ粒子砲に突き刺す。
ログの機体と最大出力のサーベルによって、メガ粒子砲の攻撃がそこでわかれて小隊は生きていた。
「ログっ!?」
クルスが叫んだ。
「みんな、聞こえてるな?」
ログが言う。
「ああ、聞こえてる。」
アーツが言う。
「聞こえるわ。」
フレイアが言う。
「短い間だったがみんなありがとう。全滅するよりはオレ一人死ぬ方がいい。」
「ログ・・・おまえ・・・」
アーツが呟く。
「仲間を守って死ぬ、かっこいい死に方だろ?」
軽い微笑をするログ。
「ログ・・・」
フレイアが言う。
「クルス、オレの分まで生きてくれ。おまえに死んで欲しくない。」
「ログ・・・ありがとう・・・」
クルスが詰まりながらそう言った。
「オレは死ぬ!この基地とともに!仲間の代わりに!」
そう言ってログは突き刺したサーベルを奥に押し込んだ。
ものすごい爆音が轟き、暴発し、凄まじい爆発がおこる。
クルス達は吹き飛ばされ、倒れる。
視界は爆発と激しい閃光で目を開けられる状況ではなかった。
「・・・ログ・・・」
視界がもどり、クルスが立ち上がる。
基地は消し飛び、少しがれきが残り、MSはクルス達とエクスを残して全滅。
アーツとフレイアが起き上がる。
「・・・クルス。」
エクスがクルスに言う。
「なんだ?」
クルスが答える。
「次に会う時は、仲間として会おう。」
そう言ってエクスは森林の中に消えた。
「エクス・・・・」
クルスが呟く。
「クルス、帰還・・・しよう。」
アーツが言った。
「そうね・・・・」
フレイアが言う。
「ああ、行こう。」
クルスが答え、フレイア、アーツとともに帰路についた。
「なぁクルス、オレたち、これでいいのかな?」
「アーツ、迷うな、ログはオレに生きろと言った。オレたちは生きなければならない。」
「そうね、いつまでも悲しんでいられないわね。」

ミデアに戻り、クルス達は艦長に報告した。
「そうか、ログは戦死か・・・だが、彼のおかげで君たちは生きている。」
艦長が言う。
「感謝しないとな。」
アーツが続ける。
「全員、休め、いろいろあっただろうからな。」
艦長が言い、クルス達は部屋に戻った。
「・・・また、命を背負っちまったな・・・・」
クルスが自分の部屋で呟く。
「ログ、感謝するよ。」
アーツが自分の部屋で呟いた。
「ありがとう、ログ。」
フレイアも自分の部屋でそう言っていた。

その後、クルス達、第18特殊部隊は孤独な戦いを続け、生き延びた。
戦争が終わるまで。
だが、クルス達の部隊はまだ表に出てきていない。
連邦も多大な被害を受け、クルス達の部隊にかまっているヒマはなかったのであろう。
または、忘れ去られたのかもしれない。
クルス達が生きていることは確かである。
エクスがどうなったか、知るものはいまのところいない。
クルス達はしばらくの間平和な時間を過ごせるであろう。
それがいつまで続くのかは分からないが。

〜完〜
小説トップへ