機動騎士ガンダムmeteo

1話「孤独と現実と」

 

・・・僕は独りだ。

僕には友達がほとんどいない。

いたとしても半信半疑な人ばかりだ。

両親は去年戦争で殺された。

地球軍と月軍、どちらか分からないが銃弾を撃ちこまれたようだ。

僕は独りだ。

さみしい、冷たい物ばかりが通りすぎて行く。

なぜ友達ができないのだろう?

僕が暗いからか?

いや、それとも見た目が?

両親が死んだのは神のいたずらなのか?

父さんも母さんも何もしていないはずだ。

僕は神にまでも嫌われたのか?

さみしい。

孤独だ。

僕は独りだ。

誰一人支えてくれない。

周りから僕は変な目で見られている。

いつも独り。

暖かい御飯でさえ冷たく感じた。

逃げ出したい。

こんな現実は僕は嫌いだ。

憎しみまでわいてきた。

こんな世界から・・・僕は消えてやる。

 

コロニー・グラウンドY#スペースノイド・天体化学科

 

·                     O.C(オーバーセンチュリー).0099 1月。

重い空気のたたずんだ部屋。

学生がコンピューターに向かい試験を受けていた。

卒業試験だ。

この卒業試験に受かれば更に進学してもいい、又、そこまでの技術と知力で研究科に就職してもよいことになっている。

落ちたら第2棟で1年間の補習授業を受けてテストに再チャレンジするのも可能だ。

ただ、第2棟はヤバい生徒が多く、まともに勉強ができない。通称スラム棟とも呼ばれる時代があった。

 

ただ、学生全員少し焦っていたのは確かだ。

月と地球の戦争があり、まともに授業を受けたのもわずかだったからだ。

個人的に時間を見つけて勉強するしかなかった。

 

コンピューターには試験用ディスクがセットされており、問題と解答欄、そして試験時間が表示されている。

たまにカンニングしようと、別のコンピューターにハッキングして誰かの回答を覗く曲者がいるが、そんなことのないように万全なセキュリティが曲者を発見次第、担任のコンピューターに連絡が入り、静かに曲者のコンピューターには『不正行為:失格』と表示されるようになっている。

良く出来たものだ。

 

・・・神にも嫌われたと思われる僕もその日に卒業試験を受けていた。

独学に陥らない様に丁寧に勉強しただけあって今回もだいぶ上手くいきそうだ。

僕は自分で言うのも難だが、天体学には詳しいほうだ。

だから、僕のコンピューターはハッキングされたことが何回かあった。

もちろん自分で作った除去ディスクで駆除できたが。

・・・そして試験終了のアラームがなった。

担任に解答データを送信するために“ENTERキーを押した時だった。

外で大きな爆発音が聞こえたと同時にアラートが鳴り響いた。

《コードRED!近辺での戦闘奇襲警告、生徒は非常用ポッドに避難しなさい。繰り返す・・・》

またここで戦争が始まった。

 

 

 

 

 

「機動騎士ガンダムmeteo」

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///LEGEND OF O.C.0009///

 

 

 

 

 

あたりが騒がしくなってきた。試験に影響がなくて良かったがそんなホッとした躊躇もなく僕はポッドに駆けて行った。

非常用ポッドとは非常口の奥にある、コロニー脱出に用いられる戦闘回避器官である。

 

「ロック解除、非常ナンバー入力・・・。」

係員がパスコードを入力する。

ドアが開き、生徒が駆けこむ。

メインディスプレイにホロ画像が写る。

 

「よく聞け、今日はサウスポッドが故障な為、通常より乗員が多くなる。少し息苦しいかもしれないがどうにかしてくれ。それと今回は超近辺のため万が一のため私は電算室にいく。連絡はいつもどうりそこの通信ボックスで頼む。以上!」

係員がそれを言ったら去っていった。

 

とりあえず僕が席に座ろうとした時、南方面から押しかけてきた生徒に横取りされた。

「残念だったな。悪いけど違うポッドに行ってくれ、」

同級生が僕を見てクスクス笑っている。

ディスプレイを見たら全ての席に誰か座っていた。

「そ、そんな!」

そう、うろたえて言った時、すぐ隣にいた男が

「仕方ねぇだろ、早く行かねぇと殺られちまうせ。ネクラ君っ、」

また何人かが笑った。

通信ボックスで連絡しようかと思ったが、何故かする気にさせなかった。

「・・・くっ、」

少し頭を下げた調子で東方面のイーストポッドに急いだ。

その時、爆発音と共に大きな振動があった。

「うわっ、こんなに近いのか!?」

今の爆発で移動用のベルトが故障し、急停止してしまったようだ。

壁を蹴りながら少しでも速く進もうとした。

その時、

 

《ポッド発進確定。300秒後にロック解除を行う!まだ乗機してない生徒等は直ちに乗りなさい。繰り返す、ポッド発進確定。300秒・・・》

 

「300秒・・5分以内?」

唖然とした顔を一瞬見せたが懸命に前へ進みつづけた。

所々、壁にヒビが入っていたり、コンピューターのディスプレイが爆発して破損する瞬間もみた。

回路がやられて電流が逆流しているのだろう。

 

非常灯に設置されているポッド発進のタイマーを見た。

「残り・・・80秒!?」

ギリギリ間に合うかもしれないと思った。

目の前にポッドがあるからだ。

全力疾走で駆けこんだ・・・しかし、入ろうとした瞬間にポッドの入り口にいた女に蹴られた。

よろめいて後ろに赤ん坊のように倒れてしまった。

 

「あんたはこのポッドには入らないでよ!いらないんだよ!」

 

・・・その一言で一瞬時間が止まったように感じた。

殺された。

そんな感じだった。

係員が僕を呼びとめようとしていた。

ポッドにはまだ間に合うかもしれなかった。

だが、自分はそこに行ったらいつもみたいに物語が終わってしまうのかと思った。

もう、同じ生活は送りたくなかった。

馬鹿にされて・・・いじめられて・・・似たようなものか?

自分でも一体何が悪いのかとか分からない。

ただ、いつもびくびくしていたかもしれない。

もう嫌なんだ・・・。

そんな調子でポッドが発進した後、とりあえず外に出た。

 

外には巨大な月軍のモビルスーツ(以下“MS”)が重要物資のある格納庫をハンドガンのような銃で破壊活動をしていた。

月と地球の戦争で、無関係なコロニーも地球の戦争データが行きまわってるかもしれないからだ。

だから、僕のいるグラウンドYにも敵軍、地球軍の情報を破棄するためにやってきたのだ。

それを眺めていたら、ヨレヨレの作業服を着た若い男が目の前を通りかかった。

不思議そうな顔で聞いてきた。

「なぁ、おまえ何やってるんだよ?危ねぇぞ!」

「僕は好きでここにいるんですよ。あなたには関係ないでしょう。」

流そうと思って言い返してみたが、

「おい、おまえ頭大丈夫か?」

「・・・・・。」

少し驚いた顔で聞いてきた。

頭がどうかとかより心の傷がどうにかなっていたと思った。

「・・・ったく、仕方ねぇな。」

男がズボンの二重ポケットから銃を突き出して額に銃口をくっつけた。

「さぁ、さっさとコロニーから避難しろ!」

「・・・・・。」

知るか、とでも言うべきか、軽蔑した顔で男を見たら急に腕を捕まれて無理矢理もっていかれた。

抵抗はしたが、結構力があった。きっと軍人だろうと思った。

 

通った事もない道を通り、茂みのなかも通り、地下も通り、地上についたと思ったらそこは謎の建造物の中だった。

 

男が網膜センサーを使って頑丈そうな扉を開けて、近くにあった通信ボックスでディスプレイにチラチラ僕を写しながら連絡をとっていた。

「よし、上との連絡がついた、」

「何する気ですか?」

「決まってるだろ?とりあえずおまえはシャトルに乗って避難だ!」

やはりこの男は振り出しに戻そうとしていた。

「その前に、ここは何処ですか?こんな施設はコロニー全体の重構造施設でサーチしても検出されないと思いますが?あなたは軍曹みたいだし。ここは基地みたいだし。」

唐突に聞いてみた。少し戸惑った顔をしたがすぐに、しかめた目つきをして、

「レーダーに検出されないのは・・・最新型のステルス構造だからだ。それよりさっさと行け、」

「基地なんですか?」

男は少しやりにくい顔をして

「・・・ああ、もう知るか!行けといってるだろうが!!」

強い力で背中を押された。

 

その時背後からおおきな爆発音と共に扉が砕け散った。

網膜センサーも木っ端微塵だろう。

 

白いアストロスーツを着て、サブマシンガンを持った者が10人くらい内部に入ってきた。

即座に男と僕に銃口を向けた。

「誰だ貴様達!」

男は叫んだ。

アラートが大きな音をたてて鳴り響く。

僕は少し驚いた顔でその一部誌中を見ていた。

 

10人ほどの中の先頭に居る女が

「周囲は完全に方位した。遺産を頂戴しに来た!」

そしたら男は急に顔を変えて

「あれは俺達が正しい方法で使わせてもらうぜ姉さん。」

と目を鋭くして言った。

奥から体の大きい黒人の男が出てきた。

「フレッド、大丈夫か!?」

黒人が言った。

そして半人が黒人に銃口を向けた。

「まぁ・・・このザマだがまだ呼吸はしてるぜ。」

僕を無理矢理連れてきた若い男がいった。

どうやらフレッドとはこの男の名前らしい。

アラートが鳴っても一人しか来ないなんて何を考えてるのかと思った時、黒人が叫んだ。

「そうだ、シークレットΣ(シグマ)で脱出しよう」

「駄目だ・・・。あの遺産は機動はするが、OSを組み込んだばっかりだ。装甲も所々はげてるし、」

どうやら女が言ってた遺産とはシークレットΣという機械の名前らしい。

 

「ええい、探索員!各ブロックを調べあげろ!」

「了解!」

女が言うと、女の背後にいた何人かがいくつかある扉をプラスティック爆弾で破壊し、行ってしまった。

だんだん状況はまずくなっている。

そう感じた。

「仕方ねぇ。一課撥かの大勝負だ。俺もまだ生きたい。」

フレッドさんがいうと黒人は

「よっしゃ!」

と気合いを入れ、ポケットに隠してあった何かのスイッチを取り出した。

「き、貴様何だそれは!?」

スイッチを押したら足元にマンホールのような穴が開いた。

「行くぞ!ボウズ!」

「!?」

フレッドさんに手を捕まれたと同時に銃弾を全力で回避しながら走った。

僕はまたフレッドさんに手を引っ張られた。

そのまま穴の中に落ちていった。

そして地面についたらまた走った。手を引っ張られながら。

後ろから黒人と女、銃を打ってきた男達も追跡してきた。

 

その時、

「ぐあぁ!」

銃声と共に一緒に走ってた黒人が倒れた。

「ジェシーーーっ!!」

フレッドさんが立ち止まって叫ぶ。

あの女に打たれたらしい、彼女の銃口から白い煙が出ていた。

きっとこの黒人の名前がジェシーなんだろう。

 

「走れ・・プロジェクトの成功を祈る・・・・。」

そう言い残して黒人は倒れた。倒れても少し笑ってるような顔をしていた。

たぶん撃たれるのを覚悟していたのだろう。

フレッドさんは黙って涙をふき、銃を持った部外者がマガジンを交換しているうちに

また僕の手を引っ張って走り出した。

「いくぞ!ボウズ!!」

さすがにボウズも僕もはこりごりだ。

「僕にはちゃんとした名前があります!」

 

そして一つの合金セラミック製の白い扉の前に辿りついた。

フレッドさんはタバコの箱に隠してあった四角いサイコロのようなものを追ってくる者に目掛けて投げた。地面に落ちたと同時に黒いガスが物凄い勢いで吹き出た。

「う!煙幕だ!ゲホ・・・っ」

そのスキにパスコードとカードキーを通して部屋に入った。

 

体育館のように広い部屋で中心には巨大な金属製の箱にエネルギーチューブが無数につけてあった。

箱には!CAUTION!と書いてあるテープがグルグル巻きになっていた。

フレッドさんは扉にロックをかけた。

プラスティック爆弾ではさすがに突破できないだろう。

「ボウズ!そこのメインコンピューターの電源を入れてエマージェンシーを立ち上げろ!いそげ!」

僕は電源レバーを上昇させた。画面に文字が写った。

 

///COLONY CECRET PROJECT///

 

SET ABOUT 

ASTRORETURNERS

        ▽Now Loading...

 

「『コロニー極秘企画・・・仕掛け人《アストロ・リターナー》』」

何のことやらサッパリだった。

ただ、この事件はコロニー全体に関係することが分かった。

「おい、何ボサッとしてる!!さっさとエマージェンシーを立ち上げろ!死にたいのか!?」

フレッドさんは大きな箱の前で電子回路をいじくっていた。

キーテーブルの中心にある隠し蓋を開きEMAGENCYと書いてある、ガラス貼りのボタンを握り拳でガラスを壊しスイッチを押した。

警告ブザーが鳴る。

 

!!EMERGENCY!!

        //EMAGENCY SYSTEM LOAD//

      <CECRET:Σ>

                       MobilSystemMenu

                          MAIN

                                                               -Σsystem set up complite/

                                                  -mainOS standby/

                                                       -metals likid standby/

                                                                  ‐scancamera system complite/

                                                                      -hyper lock on system complite/      

 

MOBIL SYSTEM ALL GREEN

-colony cecret project-

 

「シークレット:シグマ・・・。」

「よし!繋がった、ボウズこっちに来い!早く!」

そのとき、あの巨大な箱が開封されはじめた。

箱が四つに割れてゆっくり少しずつ開封される。

「そこまでだ!!」

さっきの女性が部屋に侵入した。他の戦闘員は煙幕をまともに食らって倒れていた。

なにしろマスクを所持しているのはこの人だけだからだ。

「貴様!なぜここに入れた!?」

フレッドさんが叫んだ。

「あの黒人のサイフの中にこのカードが入っていたんでね。パスコード機は破壊したさ、」

「ちっ!」

しまった、という顔をしてフレッドさんは舌打ちをした。

「さぁ、機動の準備はできたようだな!こちらに頂戴してもらう!」

気がついたら箱は完全に開封されていた。

 

中には一体のモビルスーツが入っていた。

全身が白一色でかなりやせ細ってるMSだった。

ポイントとして一角獣のようにツノが一本あった。

 

銃声と共に女性がサブマシンガンを打ちながらMSの前にいる僕たちのところへ向かって走ってきた。

僕たちはMSの足元まで走りながら会話した。

「ボウズ!そこのロープに捕まってΣに乗りこめ!」

急にいわれてかなり焦った。

「え・・・!」

「安心しろマニュアルはOSが助けてくれる!死にたいのか!?」

「いや、それは・・・、」

少し鈍い音が鳴った。

「ぐぅ・・・っ!」

フレッドさんの右足に銃弾が一発貫通してた。

「!!」

急に僕の身体が動かなくなった。

ショックだった。

しかし、フレッドさんは「早くΣに乗りこめ!」と言うばかりだった。

僕はフレッドさんを見捨てて走った。

尊い命を犠牲にしながら僕はコックピットからで出てるロープに捕まりMSに入りこんだ。

「おい!待てぇ!!」

女性の叫び声が聞こえたがその時はコックピットが閉まっていた。

機動兵器のコックピットに入るのは初めてだったので妙に緊張した

コックピットは両サイドにメイントリガーが1つずつ、ステップキーが足元に二つ、右真横レバーがあった。

スイッチは正面にPCのキーのように沢山あった。

ディスプレイは正面、正面上、右、左、下にある。

 

早速MSの電源を入れた。

:::::::::::::::::::::::::::

///Mobil Suits Type///

MDST Σ01UNI

□□□□□□

CODE NAME

[GUNDAM:UNITOLICE]

:::::::::::::::::::::::::::

 

「この機動兵器の名称は・・・MDST Σ01UNI

 

「『ガンダムユニトリス』?」

 

次にディスプレイの画面が移る、

 

::::::::::::::::::::::::::::

*START PROGRAM*

0001

 

Mobil Suits Information

ystemAll green

Mobil enelgyMax

Mobil Drive<no use>

 

PREASE ENTER...

:::::::::::::::::::::::::::

 

ENTERキーを押して次に画面が移る。

 

:::::::::::::::::::::::::::

<WELCOME>

First Mission Menu

 

Prease your neme

[                              ]

Blad type

[   ]

Birthday

[        .        .       ]

::::::::::::::::::::::::::::

 

「名前の入力か・・・、」

とりあえず自分の名前を入れる事にした。

きっと後で変更できるだろうし・・・。

 

「AKI=ARK・・・と、」

(アキ=アーク)

 

「機動騎士ガンダムmeteo

1話

 

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