第2話 放たれた矢
人類初の二足歩行を可能とした機械「MS」(モビルスーツ)、本来なら医療を目的 に使われる筈であた。人の作り出した巨人「MS」は、繁栄と破壊をもたらした。今 では珍しくも無くなったMSの瞳に火が灯る時、作戦は開始する。

時に0095年7月3日。照り付ける太陽の下うっそうと生い茂る森の中、三機の MSが森と同化する様に屈んでいた。横一列に並んだMSは、正面左手に頭部が大き く両肩に円形の物体が回転しているのが「偵察型ブレイスリー・シャドー」パイロッ ト・リース軍曹。正面右手にブレイスリーシリーズ(ジェガンとギラドーガの中間機 で、実弾戦兵器が主流で陸上戦闘に優れた機体)の標準機で有る「ブレイスリー・ア タッカー」パイロット・チャック少尉。正面に他の二機より一回り大きいMSは、折 畳式の狙撃用大型ビームランチャーを構え四つ有る瞳で獲物を探しているのが「フル 装備型プロトタイプ・ティ―ガ―」パイロット・ジェイス大尉(この小隊の隊長) ジェイスは、待ちくたびれていた様子で腕組みしながら言った。
「目標通過時刻から既に、一時間半・・・・遅い。」
リースは、目の前のモニターに入る情報を確認しながら冷静に言った。
「目標、今だ確認できず。」
チャックは、無断で持ち出した酒を飲みながら言った。
「大尉、時には辛抱が大事ですぜ。」
ジェイスは、ため息を付いてから。
「チャック・・・何回言わせるつもりだ・・」
「ハハハ!!大尉、これから面白く成るのに飲まずに入られませんぜ。」
「たく・・・飲み過ぎるなよ!」
リースが、レーダーに映った物体を最大望遠で確認しながら言った。
「二時方向に目標を確認。大型客船サハリです!!護衛機に無し。」
ジェイスは、気を取り直しながら言われた方向を確認した。しかしティ―ガ―のレー ダーには、まだ確認できない。舌打ちしながら、リースから送られる情報を確認しな がら天候を確認した。ビーム兵器は、陸上戦に有っては大気に放出すると拡散しやす いため取り扱いが難しく、天候に左右されやすいので。念の為リースに、現在地から 目標までの天候の確認を頼んだ。
「快晴か・・・。まさか、こいつ(自機)のテストがアレとわねー。各機、これより 交信を一時切る、有効射程距離までそん場で待機。俺のランチャーで落せない場合 は、袋叩きにする。以上。」

大型豪華客船「サハリ」では、連邦政府の高官達が税の限りを尽くしたパーティ―を 行っていた。彼らは、この一時を楽しんでいた。サハリの、華やか演奏が艦内に響き 渡る中。ブリッジでも、緊張感の無い様子で、索敵係が味方の識別信号を出す三機の 機体を確認し、艦長に報告しようとしときに、一瞬ブリッジが光ったと思った時には 彼らは消えていた。そして、パーティ―会場で盛り上がり、乾杯を仕様と手を上げた 時に光が見えたっと思った時には、その手はもう上がる事わなっかた。ジェイスの操 る、ティ―ガ―のランチャーから放たれた矢は、一撃でサハリを沈めたのである。
「目標に破壊を確認、作戦は成功だ。各機この区域より離脱するぞ。」
三機のMSは、森の中に解け込むように消えていった。
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