10位 チャーリーズ・エンジェル (53.5 points)
2000年一番のお馬鹿映画、堂々の入選。
エンジェルたちのカッコよさもさることながら、クールでキレのよい演出は、観客の目を釘づけだ。
これで笑えなかったらあなたは神経外科で脳をハンマーで叩いてもらうしかない。銃を使わないアクションは、殺伐としたアクション映画が量産される現在、一服の清涼剤だった。

監督:マックG
主演:キャメロン・ディアズ、ドリュー・バリモア、ルーシー・リュー
"Charlie's angels"
9位 マグノリア (55 points)
映像のコークスクリュー・パンチ。
渦巻くような熱気を潜めたTNT群像ドラマ。
この映画を観た後、あなたは正気ではいられない。きっと自分がどこか異常な空間に連れ去られたことに気づくはずだ。そしてそれが誰にでも起こりうる日常であることを知って、愕然とする。

監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:トム・クルーズ、ジュリアン・ムーア、ウィリアム・H・メーシー
"Magnolia"
8位 ザ・ハリケーン (56.5 points)
無実で投獄されたボクサーの物語。
最悪の逆境から勝利を勝ち取るハリケーンの姿に、人生捨てたものじゃないと叫びたくなる。戦う男を見捨てない、人の絆の強さにも感動させられる。
デンゼル・ワシントン渾身の演技!

監督:ノーマン・ジュイソン
出演:デンゼル・ワシントン
"The hurricane"
7位 マルコヴィッチの穴 (61 points)
奇抜という言葉はこの映画のためにある。
マルコヴィッチの脳に入りこんでマルコヴィッチを体験・・・マルコヴィッチ菌無限増殖!
精神科学的な発想をベースとした現代の御伽噺。
この映画を観た後、あなたは自分の居場所を求めてさまよい歩くハメになるだろう。

監督:スパイク・ジョーンズ
出演:ジョン・キューザック、キャメロン・ディアズ
"Beeing John Marcovich"
6位 シュリ (62 points)
韓国からこんな映画が出てこようとは想像しなかった。
映画とはマネーでなく、腕力とハートの錬金術なのだ・・・そのことを「シュリ」は強烈に感じさせた。
アラや設定のチグハグ感はあるものの、丁度マラソンを完走するランナーを迎えるような感動が、観客の胸を襲う。涙と興奮・・・これも南北分断の現実の悲劇から生まれたドラマだ。

監督:カン・ジェギユ
出演:ハン・ソッキュ、キム・ユンジン
5位 アメリカン・ビューティ (72.5 points)
アメリカン・ファミリーの崩壊劇をコミカルに描く。脆くも崩れ落ちる中年男の美の幻想を、ミーナ・スヴァリが体現する。美とはエロスか死か、それともチアリーダーか(笑)
スペイシー演じる男の悲哀が、今、人生に疲れたあなたの胸に突き刺さる。ホンワカしていて実はナイフを潜めた怪作。

監督:サム・メンデス
出演:ケヴィン・スペイシー、アン・ベニング、ミーナ・スヴァリ
"American beauty"
4位 遠い空の向こうに (74 points)
炭鉱町の四人のSFオタクたちがロケットを打ち上げるという驚嘆すべきストーリー。しかも実話なのだから二度ビックリ。
挫折と悩みとを一掃するかのように飛んでいくロケットに、あなたは永遠の青春の鼓動を感じるだろう。これも人生捨てたものじゃない映画、元気の出る作品だった。

監督:ジョー・ジョンストン
出演:ジェイク・ギレンホール、クリス・クーパー、ローラ・ダーン
"October sky"
3位 ストレイト・ストーリー (86.5 points)
長年喧嘩別れをしていた兄を訪ねるアルヴィン・ストレート。
トラクターに乗ってゆっくりゆっくり進んでいく旅。
そのスローなリズムは、現代が置き去りにしていったオールド・ソングだ。映像は魂の故郷をめざすかのように流れ、パダラメンティの音楽は、アルヴィンと我々の心を慰めるかのように響く。

これはストレイトなアルヴィン・ストレイトの物語。
ビザール・ムーヴィの巨匠デヴィッド・リンチがこんなにも美しいヒューマンな映画をつくった。
エレファント・マンの悲哀、ブルー・ベルベットの混濁、ツイン・ピークスの迷宮、ワイルド・アット・ハートの叫び、そしてロスト・ハイウェイの狂気を超えて、リンチもまた長い旅のひとつのオアシスを見つけたのだ。

ファーンズワースはこれが遺作となった。合掌・・・・・

監督:デヴィッド・リンチ
出演:リチャード・ファーンズワース、シシー・スペイセク
"Straight story"
2位 ダンサー・イン・ザ・ダーク (134 points)
今年一番の問題作。
賛否激論だが、その原因はセルマの心理をえぐる鋭くて痛い展開にあったようだ。楽しくて愉快なミュージカルというルールを壊してしまった。
「音楽が響くはずのないところで音楽を流してはいけない」というドグマ95(ラースが主宰者)の誓いはキッチリ守られている。
音楽はセルマの心の中、頭の中で響く。
セルマが痛切に求めるユートピアと、残酷な現実との尖鋭な対比が、この作品の革新性をもたらした。

ルールは壊すためにある、なぜならユートピアはまだ実現されてないのだから・・・
この言葉を、この作品に贈りたい。

監督:ラース・フォン・トリア
出演:ビョーク、カトリーヌ・ドヌーヴ、デヴィッド・モース
"Dancer in the dark"
1位 グラディエーター (187.5 points)
去年一番愛された作品。
グラディエーターで明け暮れた2000年かもしれない。
家族を奪われ名誉を奪われたマキシマス。
彼の壮絶な復讐劇は、圧倒的なテンポでコロシアムの美学へと突き進む。男の哀歌がギリシャ・コロスの合唱のように歌いあげる中、剣と愛憎の火花が飛ぶ。
ジャンキーな世の中への鉄拳のようなマキシマスの生きざまだ。
そして、ラスト、至福の映画的昇天の瞬間が訪れる。

あなたはその時、戦いの意味を悟る。
間違いは正さねば永遠に間違いのままだ。
そして憎悪は時として味方となる。愛する家族がいればこそ。
アメリカ映画の底力を見せた傑作だった。

監督:リドリー・スコット
出演:ラッセル・クロウ、ホアキン・フェニックス
"The gladiator"
ベスト20(投票結果)
寸評
5位までは今年絶対の強さを誇った作品。どこのベスト10でも顔を出しそうな。
6位から15位くらいまではダンゴ状態。二票か三票で逆転しそうな点差でした。
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」がこの位置に来るとは思わなかったです。
公開後2週間足らずで未見の方も多いのに。
「グラディエーター」はさすがですね〜ほぼ半数の方が入れてます。
この二本が圧倒的に強かったです。

キネ旬でトップの「スペース・カウボーイ」は20位に沈み、
今年のオスカーを狙いそうな「グリーン・デスティニー」「エリン・ブロコビッチ」はやや伸び悩み「ワンダー・ボーイズ」に至っては一票もなし。
邦画は一本だけ16位に「ナビィの恋」が入りました。

「ダンサー〜」「マルコヴィッチの穴」「マグノリア」などの硬派の作品を入れつつ、「チャーリーズ・エンジェル」「シュリ」などの娯楽作も入れてるここのお客様の目は鋭いです。
絶妙のバランス。
このベスト10で2000年の映画の性格がなんとなくわかりそうです。

2000年は不作という声もあるようですが、こうして見ると粒ぞろいですね〜
個性的で渋い作品が多かった。

投票に参加してくださった皆様、素晴らしい選択をありがとう♪
2000best10 by filmania