恐怖の干物

干物と食塩
干物と言えば塩。食塩の摂り過ぎは健康を損なう。健康に気を使う方は大体このように考えられます。
ところで、そもそも食塩とは一体何なのでしょうか?
それは体内でナトリウムイオンと塩素イオンという形で存在し、人体に必要不可欠な無機質の一つで、他の物質では置き換えが不可能な物質。食塩の主な働きは次の通りです
  • 人体の体液、細胞の浸透圧を一定に保つ
  • 神経や筋肉の働きの調整
  • たんぱく質の溶解とアミラーゼを活性化し消化を促進
人体では食塩摂取量が多いと、過剰分は尿や汗とともに排せつされ、逆に摂取量が少ないとアルドステロンが分泌され、腎臓でナトリウムの排せつを抑制し、再吸収を促して体内の塩分バランスが保たれます。

ちなみに栄養表示基準制度(栄養改善法)に基づいて食品に表示されているナトリウム(Na)量は、食塩の量ではありません。ナトリウムを食塩に換算するには、

ナトリウム−食塩換算機
ナトリウム量 mg×2.54÷1000 =食塩量 gです
身近な加工食品の食塩含有量を計算してみましょう
人体が生理的に必要とする食塩摂取量は成人で1日1グラム未満です。日本での食塩摂取量は1日10g以下が望ましい(厚生労働省)とされていますが、現在の日本人の平均食塩摂取量は12〜13g/日ですから、もう少し減塩の工夫が必要と言えるでしょう。そこで気になるのが干物の塩分ですが、次に干物とその他の食品との塩分含有率を比較してみましょう。

塩分比較データ
たくあん
7%
たらこ(生)
6.8%
味付けのり
6.6%
イワシの丸干し
5.5%
プレスハム
3.3%
アジのひらき
3%
プロセスチーズ
3%
かまぼこ
2.6%
ししゃも(国産,生干し)
1.1%

(4訂日本食品標準成分表より)
こうしてみると干物がずば抜けて塩分の多い食品では無い事が分かりますね。
しかしながら、干物には旨味成分である「グルタミン酸」が非常に多く含まれているので、おいしくてつい食べ過ぎてしまいがちです。塩分は少ないと言えども食べ過ぎは禁物です。

減塩的食生活のススメ
味付けが物足りないと「もう少し塩を…」と食塩や醤油、ソースなどを使ってごま化していませんか?おいしく食べてもまだまだ食塩の摂取量は減らせるという、ちょっとした工夫を紹介しましょう。
  • 酸味や香りのあるものを利用して、風味をつける
    • 青しそ、しょうがなどのハーブ類
    • 酢やレモン、カボス、スダチ、ゆずなどの柑橘果実
    • 酢、からし、わさび、香辛料などの調味料
  • 塩分が多く含まれている化学調味料に注意
    • 風味調味料(粉末だしの素)  小さじ1(4g)塩分1.5g
    • コンソメ(乾燥)  小1個 (4g)塩分2.3g
      (4訂日本食品標準成分表による)
  • 積極的に生野菜を摂る
    • 生野菜には、食塩を体外へ排出するカリウムが多く含まれています。
  • 食塩を多く含む食品(漬物、練り製品、佃煮、塩蔵品等)をひかえましょう
    • 漬物はなるべく一夜漬けや浅漬けにして、食塩を減らすようにします。
  • 麺類に注意
    • ラーメン1杯約6g、そば・うどんには約4.5gの食塩が。汁は全部飲み乾さないようにしましょう。
  • 食卓でのしょうゆやソースなどの調味料は味をみてから使う
    • 味見する前に調味料をかけるクセを無くしましょう。
簡単でしょ?食塩から身を守る為に、食事の時や料理する時にちょっと思い出して実行してみて下さい。
一般的なデータではピンとこない時は、市販の塩分計で食事の塩分をチェックすると良いですよ。
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塩分早わかり―食品の塩分が一目でわかる[B5判191p]\1,459
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