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 「遠くへ」 

 

今日 僕は汽車に乗った

遠い何処かに行くために

 

ポォーッ ポォーッ と鳴る汽笛

同じ姿の高層ビルが

所狭しと立ち並ぶ

今日までの僕のように

ただそこに立っている

そんな景色がゆっくりと

右から左へと流れてく

 

ポツリ ポツリ と雨が降る

雲を離れた雨粒は

必死に窓にしがみつく

今日までの僕のように

取り残されるのが嫌だから

そんな景色を眺めつつ

大きなため息一つつく

 

ガタン ゴトン と揺れる汽車

灰色がかった街並は

緑の大地に生まれ変わる

今日までの僕の心を

自然の中へといざなってゆく

そんな景色を眺めつつ

汽車は遠くへたどり着く

 

明日 僕は汽車に乗る

遠い何処かに行くために

はるか遠くに行くために


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