「巨木の声」
僕は歩いている
田んぼのあぜ道を
木々の中を
小川のほとりを
丘の上を
新しい景色と出会うために 歩いている
村の巨木は知っている
春には春の
夏には夏の
秋には秋の
冬には冬の
それぞれの景色が ここにあることを 知っている
だから村の巨木は僕に言う
田んぼのあぜ道で
木々の中で
小川のほとりで
丘の上で
春には春の
夏には夏の
秋には秋の
冬には冬の
それぞれの景色を ゆっくり楽しみなさい と
僕の心に その声は 一体いつになれば 届くのだろう