始めに
00年5月頃からの資料を読み返し、低次元な森発言も再検証しながら、再び九条
に纏わる改憲論と護憲論を考えた。他欄での既述と重複する部分もあるが、護憲論
者の矛盾は勿論の事、世に蔓延している戦争に対する間違った考えにも言及して見
たい。当然に異論、反論が続出するだろうが、各位の真摯なご意見を待ちたい。
特に護憲論者との討論は「為にする議論に対する議論」と言う、何とも後向きな
感が強いのだが、頁の方針でもある「訴求、啓蒙」の観点からも敢行の価値ありと
思う。無関心層も巻き込み、右にも左にも偏らない「当然の理屈」を理解して戴け
れば、頁を開設した意義がある。
憲法九条が違憲なのでは無い。
私は改憲を訴求している訳だが九条そのものに違憲性は無く、自衛隊の存在が違
憲なのです。此の点を突いて革新勢力からの自衛隊廃絶論があった訳で、軍備を持
たぬ筈なのに自衛隊の存在は違憲であると言う理屈です。全くその通りであり、私
は防衛手段は必要だから九条を正して国軍を正式に持とうと申して居ります。対す
るに護憲派は単純に自衛隊違憲を唱える訳で、後の事を真摯に考えた発言が無いの
です。特殊な国情を除き世に軍備を持たぬ国は無く、真の独立を果たす為にも自国
は自身で守ると言う正論を広げねば成りません。
自衛隊は軍隊
自衛隊は軍隊にあらずして専守防衛手段と言う政府の主張は世界の物笑いであり、
真に滑稽な言い逃れなのは承知の通りと思います。「国際紛争解決の手段」として、
他国の攻撃から「自衛」するのも戦争であり、海外派兵しなくても戦争は出来ます。
政府の好きな専守防衛の意味は何か?国内から出ずに、外からの侵掠や攻撃を受け
止めるのは戦闘行為では無く、自衛行為だと言う破綻済みの理屈です。
また戦争とは何も艦船や航空機で攻め込んで来るだけで無く、ミサイル攻撃や補
給を絶つ等の作戦ももあります。専守防衛で自国内に踏みとどまり、空母も持たず
に飛んで来る火の粉を払うと言うのでしょうか。自衛隊や米軍の持つ防衛システム
が絶対のものでは無く、迎撃ミサイルが万能で無い事は幾多の例が実証しているで
はありませんか。その脅威を無くすには敵国の基地を叩いたり、公海上の敵艦を攻
撃せねば意味がありません。積極的に敵国を支援する存在があれば、それも攻撃対
象とするのが戦争です。この意味で「専守防衛」は間違っています。
現状維持論
不備はあろうけども安保があり、駐留軍が居るから他国の侵略は無い。この様な
理論も多いのですが、是では我が国が米国の属国化するのを促進するだけです。安
物時代劇では用心棒に食い物にされる商家が出て来ますが、日本と駐留米軍の間に
もその樣な関係が観られます。朝鮮動乱勃発直後の1951年に調印された日米安
保は、終戦直後の1945年に米国の肝入りで急拵えの不戦憲法に背反します。
我が国から軍備と防衛権を奪う憲法を押し付けた直後に、今度は米国の為なら共同
して戦争をすると言う整合の無い取り決めを為した。是をして、無理が通れば道理
が引っ込むと言うのです。
米国によって不戦を誓わされた筈の我が国が、米国によって戦争に参加させられ
て居ます。朝鮮動乱とベトナム戦争が正にそれで、戦争と言うものへの理解不足が
安易な対米隷属と成ります。
軍服を着て銃を取るばかりが戦争では無く、「銃後の守り」と言う樣に後方支援も
立派な参戦です。北鮮や北ベトナムの立場で観れば、当時の日本は紛れも無い「敵
側参戦国」なのです。不戦憲法と日米安保、自衛隊の存在・・・是等の矛盾は偏に
米国の身勝手な論理に翻弄された結果と申せます。我が国の安全を守ると言う名分
の駐留軍ですが、現状は強襲部隊の比率が大きく、本来目的に添った兵力は少ない
と言う意見もあります。是では単なる米軍の出先機関ではありませんか。
最後に
国際紛争を武力解決せぬと申しますが実際に米国に守られ、我が国の有事には駐
留軍が武力行使するのは憲法に反さぬのでしょうか?国連での発言力を高めようと
しながら、国連軍にもまともに參加出來ないのでは一人前の扱いを望めません。
国連軍の方針が全て適正かは疑問ですが、自国は汗を流さずに有事の際は国際世論
に期待する等とは筋の通らぬ事です。また単なる戦争マニア達が是等に言及するの
も問題で、その樣な人達は真摯な討論場には来訪しないで欲しい。