北鮮がのテロ国家である事は間違い無い事だろう。今回明るみに出た拉致事
件が、北鮮内反動分子の暴走との弁解は到底通じない言い訳だ。当面の課題は
生存者との面会だが、寺越さんの様に北鮮関係者の同席を認めずに、日本側関
係者だけで確認作業を行うべきだ。寺越ケースの様に、可笑しな「通訳」は要
らない。北鮮の干渉とは無関係な「本人の意思」も考慮せねば成らぬので、あ
たりまえの様に日本への帰還や一時帰国の強要は出来ないので、当然帰るだろ
うとの思い込みは厳禁だ。
死亡したとされる被害者達の死因や時期、死に至る経緯は遺族の知りたいと
ころに決まっている。遺品や遺骨の回収は遺族感情として当然出て来る問題だ
から、北鮮と駆け引きしながら進めるべきだ。その場合は被害者は自然死や災
害死では無く、証拠隠し等の為に殺害されたのだと云う認識を忘れない様に。
余りにも現実を無視した建て前論ばかりでは、北鮮を頑なにするだけに成るだ
ろう。先ずは生存者やその家族の帰還と、殺害された者の遺族の心情を優先す
るのが肝要だ。
当然の国内世論として米支援などの棚上げや、テロ国家としての制裁が出て
いる。しかしテロ制裁を直ちに、イラク攻撃に結び付ける様な論が出ないかが
心配だ。米国にとって今回の「自白」は、彼等が目論む米帝主義には真に好材
料なのだ。また、衝撃に隠れて仕舞ったが、北鮮に対しては改めて先の大戦時
の加害行為に対して謝罪すると共に、何等かの形での賠償を約束している事を
忘れては成らない。
先の大戦時に於ける日本の行為は過去の事で、拉致事件今も被害者が囚われ
た侭である事の違いはある。解決の緊急性は拉致事件の方が高いかも知れない。
但し、大戦時の行為を悪であると認めて謝罪したのならば、此方も関係者の高
齢化と云う緊急性を言われるだろう。規模や人数を比較されれば、可也面倒に
成るだろう。極めて疑わしいとは言え、拉致事件は金政権そのものの方針では
無いと強弁しているが、大戦時の非道を政府方針では無いとは言えまい。
拉致事件被害者家族の一部に過激な意見があるが、事件の性質を考えると今
は仕方が無い。拉致被害者家族は現在は11家族と思うが、夫々に立場や考え
に違いがあろうから、訪朝の時期や解決方法は話し合いが良いだろう。極端な
突出による足並みの乱れは、北鮮や日本政府にとって与し易いかもしれない。
北鮮や日本政府に弱みの多い今回、感情発露と共に強かさも持ちたい。