横田滋さんが訪朝の意思を示した事で、家族会との間に軋みが出始めた。
今月24日に安倍・官房副長官へ正式要請するが、これに蓮池事務局長が難色
を示した。年明けに総会を開くので、その席で会員全ての同意を得てからにし
ろと言う。これは随分と乱暴な話ではないか。確かに横田早紀江さんや平沢代
議士などは、慎重若しくは否定的意見だ。代議士は「行くからには政府関係
者の同行と、150項目の質問に対する返答を要求しなければ」と言う。横田
さん自身も単身での訪朝は考慮せず、政府と調整して訪朝に備える考えだ。
ヘギョンさんの存在を知ってから3ヶ月経ち、めぐみさんの消息を聞く為に
も訪朝を強く希望すると話した。めぐみさんの死亡は半信半疑だろうが、孫に
当たるヘギョンさんに対する思いは強い様だ。また、緊迫の度合いを増してい
る北鮮情勢は、若しかしたら訪朝自体が困難に成ると危惧したのかも知れない。
実際に少し前の報道番組で鳥越俊太郎が「粘り強くと言うが、5年10年と云
う事に成るかも知れぬ。」と指摘したところ、他の出席者の反論が無かった事
からも実にあやふやな見通しだ。
「家族会総会」で全員の賛成とは、あからさまな阻止ではないのか。他の会
員が如何考えているのか、特に増元照明さん他の不明者や曽我さんは如何なの
か。蓮池事務局長は非会員で訪朝希望の石岡章さんにも、矢張り同様の事を言
うのか。20日の番組内では増元照明さんも、訪朝には時期を考慮すべきとの
見解だ。敢えて言えば蓮池家の場合は夫婦が揃って帰国し、在北鮮の家族も人
質として一応は安全とされる。夫々の事情と現状は大きく違う。
その後のインタビューで蓮池発言が変化する。余りの独善に批判が出たのだ
ろうか、「条件付で、その条件が満たされれば、会いに行くのに如何こうとか
反対とかは無い思う。」と述べた。バッジの件では蓮池透が強く不快を表した
後に、被害者5人が揃ってバッジを外している。過去の「日本政府は24年間
の慰謝料を払え」発言でも、表に出た報道では誰も考え違いを諌めていない。
私が知る限りでは横田会長が短く、「慰謝料は北鮮に請求するもの」と言った
だけだ。これ等の妄言や専横に批判の声が出ないとは、「自由にものを言えな
い」のは北鮮ばかりでは無いと云う事に成る。
テレビでは相変わらず草野仁などが、偏った強硬意見を放っている。家族会
も蓮池透も報道も被害者が皆、同条件ではない事に気付くべきだ。寺越友枝さ
んも気の毒だが、家族会であらねば被害者にあらずでも無かろう。被害者5人
が12月19日に一斉にバッジを外した背景には、蓮池透の強い意向があると
考えられる。バッジを着ける事に不快を感じる者が、国民の中にどれだけ居る
のか。不快を表す者が居れば、それこそ得意の「強硬」で叩いて遣れば良い。
蓮池透の増長を看過する世論もマスコミも不甲斐無いし、この様な風潮が恐ろ
しい。亀裂、分裂は矢張り避けられないのか。