簡易年表


【日露和親条約】=下田条約
 1885年(安政元年12月)下田で、ロシア全権使節プチャーチンと幕府全権
筒井政憲・川路聖謨(トシアキラ)との間に締結・調印された条約。
ロシア船の下田・箱館寄港、薪水食糧購入を決めた外、千島ではエトロフ・ウ
ルップ間を国境とし、樺太では国境をきめず、既成事実の尊重を確認した。
下田条約。

【下関条約】
 1895年(明治28)四月、日清戦争後、清国講和全権大使李鴻章とわが国
の全権大使伊藤博文・陸奥宗光とが下関春帆楼で締結した条約。
要旨は、清国は朝鮮の独立を確認し、軍費二億両(テール)を賠償、遼東半島・
台湾・澎湖諸島を割譲、沙市・重慶・蘇州・杭州を交易市場とすることなど。
馬関条約。

【三国同盟
 ドイツ・オーストリア・イタリア三国間に結ばれた秘密軍事同盟。1882年成
立。1915年イタリアによって廃棄。

【義和団】
 清代の白蓮(ビヤクレン)教系の秘密結社。義和拳教徒が組織した自衛団。
日清戦争後、1899年、キリスト教および列国の中国侵略に反抗、山東省で
蜂起。翌年北京に入城し各国公使館区域を包囲したため、日・英・米・露・独・
仏・伊・墺(オーストリア)の八ヵ国は連合軍を組織して是を鎮定(日本では北清事
変と呼称)。清朝に四億五千万両(テール)の賠償金を支払わせた。拳匪。団匪。

【日英同盟】
 1902年(明治35)日本とイギリスとの間に締結された同盟。軍事義務を伴
う。ロシアのアジア進出の牽制を目的とし、日露戦争で日本に有利な役割を
果した。1905年および11年に改定。22年廃棄

【ポーツマス条約】
 1905年(明治38)9月、日露両国全権がポーツマスで締結した日露戦争
の講和条約。日本首席全権は小村寿太郎、ロシア首席全権はウィッテ。
内容は日本の韓国における権益の確認、ロシアの満州撤兵、関東州の租借
権および長春・旅順間の鉄道の譲渡、樺太南半の割譲など。

【韓国併合】
 朝鮮支配を企図した日本が、1904年以降韓国の内政・外交権を次第に掌
握した末、10年8月に日韓併合条約により韓国を領有したこと。

【ヴェルサイユ条約】
 1919年6月、第一次大戦の戦後処理のため連合国側とドイツとの間にヴェ
ルサイユで調印された講和条約。国際連盟規約およびドイツの領土・賠償・軍
備問題などに関する諸条項を含む。

【関東軍】
 満州(中国東北部)に駐屯した日本陸軍部隊。日露戦争後設置された関東都
督府が1919年(大正8)関東庁へ改組された際、その陸軍部が独立したもの。
日本の満州支配の中核的役割を担ったが、45年8月ソ連参戦によって壊滅。

【ワシントン会議】
 第一次大戦後、1921年11月〜22年2月ワシントンで開かれた海軍軍備制
限問題および極東・太平洋問題に関する国際会議。イギリス・アメリカ・フランス
・イタリア・日本の海軍主力艦の制限が約され、九ヵ国条約・四ヵ国条約が成立、
日英同盟は廃止。

【ロカルノ条約】
 1925年、イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・ベルギー・ポーランド・チェコス
ロヴァキアの各国代表がスイスのロカルノ(Locarno)に会して締結した、中部ヨ
ーロッパにおける安全保障条約。ドイツ西境の現状維持、相互不可侵、国際仲
裁裁判などを約した。

【張作霖】(Zhang Zuo-lin)
 中国の軍人・政治家。奉天を中心とする軍閥の総帥。字は雨亭。
遼寧海城の人。馬賊の出身。1919年東三省を支配下に収め、26年東三省
保安総司令、翌年北京で大元帥。同年国民政府の北伐軍と戦って河南で大敗。
28年奉天(今の瀋陽)に入ろうとして関東軍の陰謀による列車爆破で死亡。
(1875〜 1928)

【柳条湖事件】
 満州事変の発端となった事件。1931年9月18日夜、関東軍は参謀石原莞
爾中佐らの謀略計画により柳条湖で満鉄線路を爆破し、中国軍のしわざと偽
り、攻撃を開始。事件の地名として伝えられた柳条溝は誤りで、無関係の場所。
【柳条湖】=中国遼寧省瀋陽(旧称、奉天)北郊、北大営付近の地名。

【日満議定書】
 1932年(昭和7)に新京(長春)で日本の満州国承認に伴い締結された条約。
満州国はその領域内において日本が有する一切の権益を確認尊重すべき事、
両国は共同防衛のため日本軍の満州駐屯を認めることなどを協定。

【ナチス Nazis ドイツ】
(ナチ Nazi の複数形。Nationalsozialistische Deutsche Arbeiterpartei ドイツ)
国家社会主義ドイツ労働者党。ヒトラーを党首としたドイツの政党。


 第一次大戦後に台頭、1933年政権を掌握、独裁政治を断行、反個人主義
・反共産主義・反ユダヤ民族主義を標榜(ヒヨウボウ)して国内を再編成。対外的
には、ヴェルサイユ体制の破棄を目ざして再軍備を強行、スペイン内戦への
干渉、独墺(ドクオウ)合邦など、大ドイツ主義の下に第三帝国を実現したが、39
年第二次大戦を誘発、45年ドイツ敗戦とともに崩壊。

【スペイン内戦
 1936年7月スペインの人民戦線(共和国)政府とドイツ・イタリア両国の支援
を受けたフランコ将軍派との間に起った内戦。2年8ヵ月余を経て39年3月後
者の勝利に帰した。スペイン内乱。スペイン市民戦争。

【日独防共協定】
1936年、共産主義に対する共同防衛を名として日本とドイツとが結んだ協定。
一年後にイタリアも参加、第二次大戦のいわゆる枢軸国が結成された。

【盧溝橋事件】
 日中戦争の発端となった事件。1937年7月7日夜、盧溝橋付近で演習中
の日本軍が銃撃をうけ、これを不法として翌八日早暁中国軍を攻撃し、両軍
の全面的交戦に至る。
【盧溝橋】(Lugouqiao)
 中国北京の南郊、盧溝河(永定河)に架かる橋。また、その周辺の集落。
もと蘆溝橋と書かれたが、誤りとされる。

【日中戦争】
 1937年7月7日、盧溝橋事件を契機とする日本の中国侵略戦争。十五年
戦争の第二段階。日本は38年中に主な都市、鉄道の沿線を攻略、中国は重
慶に遷都して抗戦、長期戦化し、41年12月太平洋戦争に発展。シナ事変。
日支事変。日華事変。

【南京大虐殺】
 日中戦争で南京が占領された一九三七年一二月前後に南京城内外で、日
本軍が中国軍の投降兵・捕虜および一般市民を大量に虐殺し、あわせて放
火・略奪・強姦などの非行を加えた事件。

【独ソ不可侵条約】
 1939年8月23日、ドイツ・ソ連間に締結された期限10年の不可侵条約。
付属秘密議定書で東ヨーロッパにおける両国の勢力範囲を画定し、これに従
って両国は同年9月ポーランドを分割した。41年6月ドイツ軍のソ連侵入によ
って破棄。

【三国同盟】
*日本・ドイツ・イタリア三国間に結ばれた同盟。1940年成立。

【日ソ中立条約】
 1941年4月、日本とソ連との間に締結された中立条約。
有効期間は五年であったが、45年4月ソ連は不延長を通告し、8月対日参戦
して破棄された。

【関特演】
 関東軍特種演習の略。1941年7月、日本軍が行なったソ連に対する攻撃
準備の秘匿名称。独ソ戦に乗じて、八五万の兵力動員態勢をとったが、8月
中止。日ソ中立条約の再締結は1941年4月13日であった。

【太平洋戦争】
 第二次世界大戦のうち、主として太平洋方面における日本とアメリカ・イギリ
ス・オランダ等の連合国軍との戦争。十五年戦争の第三段階で、中国戦線を
も含む。
 日中戦争の長期化と日本の南方進出が連合国との摩擦を深め、種々外交
交渉が続けられたが、1941年12月8日、日本のハワイ真珠湾攻撃によって
開戦。戦争初期、日本軍は優勢であったが、42年半ば頃から連合軍が反攻に
転じ、ミッドウェー・ガダルカナル・サイパン・硫黄島・沖縄本島等において日本
軍は致命的打撃を受け、本土空襲、原子爆弾投下、ソ連参戦に及び、45年8
月14日連合国のポツダム宣言を受諾、9月2日無条件降伏文書に調印。
戦争中日本では大東亜戦争と公称。

【カイロ宣言】(Cairo Declaration)
 1943年11月、ルーズヴェルト米国大統領・チャーチル英国首相・蒋介石中
国主席がカイロにおいて会談し発表した宣言。日本に対して無条件降伏を要
求し、降伏後の日本の領土決定、朝鮮の独立などの重要事項を含み、ポツダ
ム宣言の基礎となった。

【テヘラン宣言】
 1943年11月28日〜12月1日、アメリカのルーズヴェルト大統領、イギリス
のチャーチル首相、ソ連のスターリン首相が、テヘランで会合して公表した宣
言。ドイツ軍を撃破するため東・西・南の三方からする米・英・ソ三国の共同作
戦、イランの独立と領土保全などに関するもの。

【ポツダム会談】
 1945年7月17日〜8月2日、ポツダムに米・英・ソ三国の巨頭が会して、
ヨーロッパにおける第二次大戦の事後処理について協定を結んだ会談。

【ポツダム宣言】
 1945年7月26日、ポツダムにおいてアメリカ合衆国・中華民国・イギリス
(後にソ連が参加)が日本に対して発した共同宣言。
戦争終結、日本の降伏条件を定めて発表したもので、軍国主義的指導勢力
の除去、戦争犯罪人の厳罰、連合国による占領、日本領土の局限、日本の
徹底的民主化などを規定。日本ははじめこれを無視したが、原子爆弾の投
下、ソ連の参戦により同年8月14日受諾して、太平洋戦争が終了。

【ポツダム命令】=【ポツダム政令】
 1945年9月の勅令「ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令の件」に基づ
き制定された命令。連合国最高司令官の要求する事項の実施に特に必要な
場合に制定された。
政令・府令・省令(当初は勅令・閣令・省令)の三種。

【ヤルタ会談】
 第二次大戦末期の1945年2月、米・英・ソ三国の最高指導者ルーズヴェ
ルト・チャーチル・スターリンがヤルタで行なった会談。
ドイツの敗北が決定的となった情勢下に、降伏後のドイツ管理、国際連合の
召集などについて協定。

【ヤルタ秘密協定】
 ヤルタ会談で結ばれた対日秘密協定。翌1946年2月に発表。
ドイツ降伏後三ヵ月以内にソ連が対日戦争に参加することを条件として、南
サハリン(樺太)・千島列島のソ連への引渡し、中国の満州における完全な主
権の確認などを決めた。

【日中平和友好条約】
 1978年、北京において調印された日本・中国間の平和条約。平和五原
則を基礎とし、覇権を求めず、覇権を求める国に反対することを規定。

【五族】
 漢・満州・蒙古・西蔵(チベツト)・回 (ウイグル)の五つの民族。
 ―‐きょうわ【五族共和】