南北朝鮮関連の簡易資料

ここでは一般的に伝えられている資料を紹介します。

【朝鮮】(Chos n; Korea)

アジア大陸東部の大半島。南北に細長く突出し、南は朝鮮海峡を挟んで日
本に対し、北は鴨緑江・豆満江を隔てて中国東北部およびシベリアに接し
ている。面積22万平方Km。
古く半島北西部に中国人の植民国家箕氏朝鮮が生れ、前二世紀初め衛氏朝
鮮となったが、前108年漢の武帝はこれを滅ぼし、楽浪・臨屯・咸南・
玄菟の四郡をおいた。南部には韓族がおり馬韓・弁韓・辰韓(いわゆる三韓)
の三部数十国に分れていた。

 四世紀中ごろ高句麗・新羅・百済・任那が対立、七世紀に至り新羅が半
島全体に統一国家を確立、10〜14世紀は高麗、一四世紀以降は李氏朝
鮮がこれをつぎ、いずれも中国に朝貢。
のち日清・日露戦争によって日本が進出、1910年日本に併合された
(韓国併合)が、日本の敗戦により北緯三八度線を境に、48年8月南部に
大韓民国が、翌9月北部に朝鮮民主主義人民共和国が成立。

【朝鮮民主主義人民共和国】
朝鮮の北緯三八度線以北に成立した人民共和国。1948年9月建国。
最高人民会議のもとに常任委員会がある。面積一二万平方Km。人口2
190万(1988)。首都はピョンヤン。

【朝鮮文字】
ハングルの別称。

【北鮮】
北部朝鮮の意。戦後、俗に朝鮮民主主義人民共和国をこう呼んだ。

【韓国】
李朝末期の朝鮮の称。1897年から1910年日本併合までの国号。
大韓。大韓民国の略称。

【朝鮮出兵】
豊臣秀吉の領土的野心による、両度の朝鮮への侵攻。日本では朝鮮征
伐、朝鮮では壬辰・丁酉の倭乱と呼んだ。
文禄の役。秀吉は明国経略の前提として朝鮮の服属を強要したが拒ま
れ、1592年(文禄一)加藤清正・小西行長を先鋒に兵一五万余を朝
鮮へ派遣。初めは連戦連勝し、碧蹄館に明の援軍を破るなどしたが、
水軍は朝鮮提督李舜臣の軍に大敗、翌年明使沈惟敬との間に和を講じ
た。

慶長の役。
1596年(慶長一)明使の持ち来った書に「爾(ナンジ)を封じて日本国
王となす」とあるを見て秀吉は激怒し、翌年再び朝鮮に兵を送ったが、
遠征軍の士気揚らず、九八年秀吉の死を機に撤退。

【韓国併合】
朝鮮支配を企図した日本が、1904年以降韓国の内政・外交権を
次第に掌握した末、10年8月に日韓併合条約により韓国を領有し
たこと。

【朝鮮総督府】
日本領有当時(1910年以降)、京城(ソウル)におかれ、朝鮮総督を
長官とした朝鮮支配のための最高行政官庁。

【朝鮮人虐殺事件】
1923年(大正12)9月の関東大震災の際、在日朝鮮人が暴動を
起したという流言が伝えられ、自警団や軍隊・警察により数千人の
朝鮮人が虐殺された事件。

【朝鮮人強制連行】
日中戦争・太平洋戦争期に百万人を超える朝鮮人を内地・樺太(サ
ハリン)・沖縄などに強制的に連行し、労務者や軍夫などとして強
制就労させたこと。女性の一部は日本軍の従軍慰安婦とされた。

【創氏改名】
日本が植民地支配のため、朝鮮人に日本式の姓名への改名を強制し
た政策。皇民化政策の一環として1939年公布、40年施行。

【朝鮮戦争】
大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国とが、第二次大戦後の米・ソ
の対立を背景として、1950年6月衝突し、それぞれアメリカ
軍を主体とする国連軍と中国義勇軍の支援のもとに国際紛争にま
で発展した戦争。53年7月休戦。朝鮮動乱。