中古住宅全面改装

中古住宅を大改装するか、新築にするか・・・

工務店の考え・・・長年工務店をやっていると充分住めるいい屋敷を取り壊して特徴の無いどこにもある様な家を新築している例とか、建て直しの際、いい感じの庭空間をすっかり無くしてコンクリートがちがちの駐車スペースにしてしまったり、住宅建築に携わる者としてはがっかりする事もたまにあります。街道沿いにいつも目にしていた旧家の立派な木材の門扉やフェンスがある日突然安っぽいアルミや新建材にかわっていたりすると、「あー、もうちょっと雰囲気残してリフォームすればよかったのになー」とか思います。

そこで中古住宅を全面的に改装するか、新築するか、以下の点から考えてみてはどうでしょう。


1.まず、新築には思った以上にお金が余分にかかる。

 仮住まい

アパートに何ヶ月か仮住まいするための費用や引っ越し代も。

 とりこわし(解体費)

普通の木造2階建て(45坪程度)でも約100万〜200万かかります。

 くたい(基礎工事)の比率

新築はRCにしろ、鉄骨にしろ、木造にしろ、躯体を作る部分ですごくお金がかかります。つまり、躯体事体がしっかりしている家を壊して又作るのはもったいないです。

 建築廃材

環境の点では膨大な量の建築廃材を出す事になります。私共の言える事ではありませんが特にこの事に敏感な方は昨今多いです。

2.その土地が本当に建築できる土地かどうか。

 たとえば私道

細い私道で入ってくる土地。私道でも「道」であれば建築可能。でも本当に道ですか?市の道路管理課に聞いて下さい。位置指定のない個人の土地ではないかどうか。

 隣家が新築できても

去年隣が新築したから、ここも同じ条件なので建築可能。と判断するのは危険です。私道沿いでも条件はまちまちです。

 たとえばよう壁

丈夫そうに見えても土留めがしてある場合、(高さ1.8m以上)建築確認がされてないと作り直さなければならず、それには莫大なお金がかかります。

3.築何年だから建て直し、とか関係ありません。構造体の問題です。

 柱

腐ってないかどうか。

 土台

床下を見ればわかります。

 基礎

ちゃんとしてるかどうか。 以上、気の利いた大工さんとかならすぐわかります。築20年でも大丈夫な場合もあります。工法についても木造軸組みでもダメなものはダメ、プレハブでもいいものはオーケー。

4.プラン的にみて、新しく設計し直す必要があるのか?間取りがどこまで不服なのか。

キッチンを広く、新しく

リフォームだってできる場合があります。

リビングを広く

リフォームだってできる場合があります。

床暖房

リフォームでできます。

2階にもトイレ、シャワー室

リフォームでできます。

床がきしむし、落ちてる

もう寿命がきてる、とは限りません。リフォームで床はりかえれば大丈夫かも。

2階建てから3階建てにしたい

   普通の木造の場合、これは新築しないと無理かも。

地下室が欲しい

   これも新築しないと無理かも。

 5.リフォームのいい点はこんなところです。

新築というのは予算という壁があり、夢を実現する、というよりは我慢したり、あきらめたりする面が多いのが実状です。確実に好きなものや高級なものを手に入れられるのはむしろリフォームかも知れません。

 内装に充分お金をかけられる 健康にいいクロスを選んだりデザイン性のある輸入クロスを選んだり。或いはひのきなどの板貼りにする事も可能。予算ぎりぎりの新築住宅では安価なビニールクロスになりがち。
 瓦→コロニアルの新築住宅よりいいかも 新築の際瓦をコロニアルにかえる方は多いです。でも瓦だってしゃれた色合い、デザインのものもあります。むしろ高級で暮らしやすい。(地震が恐いなら別ですが)
 インテリア、家具にお金をかけられる 夢に描いていたシステムキッチン、リビングの物入れやソファー、イス、テーブル、ドアーなども新築ではランクを落として揃えざるを得ない事もあります。例えば窓にステンドグラスを入れてみようとか、リフォームだからこそできる事もあります。
 外構工事もゆっくり考えられる 新築だと建物本体工事のあと、限られた予算内に納めざるを得ない事もままある外構工事。
 このスペースが庭園になったら・・
本格的造園工事まで考えられる         
建物と一体化した庭空間は豊かな生活をおくる上で重要な部分です。庭も建物無しでは考えられないし、素晴らしい建築物も庭的空間がないと味気ないです。予算的に余裕があればリフォームで庭の設計も考えてみたらいかがでしょう。素晴らしい庭は建物以上に潤いのある生活に不可欠かもしれません。


この改装例をごらん下さい。

築20年住宅を大幅に改装しました。築20年とはかなり古いものでしたが本格軸組み工法でしっかりした造りであり、設計に関しても20帖以上あるリビングや、天井まで吹き抜けのある玄関など、建設当時としてはめづらしくモダンであったと思われます。そこで大幅に改装することにしました。

リビングルーム


床がカーペットだったのでフローリングに替えた
汚れてシミだらけの壁紙を全部貼り替えた
カーテンを付け替えた

リフォーム後のキッチン

・とにかく汚れていて古かったので
 全部取り替えた。

改装前の古いキッチン

・暗い濃い色のタイルを使っていたので白いタイルに替えてみた。












キッチン関連リフォーム概算見積り

解体撤去処分 流し等 60,000〜 ガス工事・運搬・諸経費別途
新規流し W=210・ 250,000〜
取付費   50,000〜
給排水工事   4,000〜
タイル工事   25,000〜
ビニールクロス   35,000〜
     
合計
  460,000〜













玄関はまったくそのまま改装せず。

・吹抜けの玄関はデザインも古くなかった。
・家具も木製ドアも高級なものでそのまま。



和室のリフォーム8畳程度(洋室に合う和室)

・畳替え

・ふすまや建具の取り替え

和室を新しくする概算見積り
壁塗り替え 28・  112,000〜
畳表裏返し 8枚 36,000
障子張り替え 4枚 6,000〜
襖張り替え 2枚 6,000〜
     

合計
  160,000〜

外部も相当荒れていたので・・・

ぼろぼろの雨戸、壊れた配管、朽ちた木部等・・・
















足場をかけて、外部を塗装

ここで塗装とタイル貼りを比べると・・・
塗装の場合
タイル貼りの場合
足場   一式 150,000 足場   一式 150,000
洗浄   150・×240 36,000 タイル張り   150・×19,200 2,880,000
シーラー   150・×480 72,000             
トップコート   150・×1,400 210,000      
             
運搬・諸経費   一式 49,000 運搬・諸経費   300,000
             
合計
    517,000
合計
  3,330,000
利点は安い事。でも塗り立てはきれいだが月日がたつにつれ見栄えが悪くなってくる。6〜8年ごとくらいに塗り替えが理想的だがかなり汚れてくるまでは塗り替えないのが普通。 利点は一度貼ってしまえばお掃除くらいでいつもきれいで高級感があること。でもすごく高い。

中古住宅全面改装の参考見積り価格は?

木造モルタル2階建て(40坪)の場合では大ざっぱにいって以下の様にになります。

水廻り・内装400万予算お見積り工事内容    外部を含んだ全面改装800万予算お見積り
水回り     水回り  
 キッチン(キッチンパネル) キッチン取り替え    キッチン(キッチンパネル) キッチン取り替え
 浴室 ユニットバス取り替え    浴室 ユニットバス取り替え
 洗面化粧台 取り替え    洗面化粧台 取り替え
 トイレ 取り替え    トイレ 取り替え
内装     内装  
 フローリング 張り替え    フローリング(一部床暖房) 張り替え
 クロス張替 張り替え    クロス張替 張り替え
 畳表 張り替え    畳表 張り替え
 襖・障子 張り替え    襖・障子 張り替え
      外装  
              外壁・木部・鉄部 塗り替え
   屋根 葺き替え
   樋 取り替え
     
     

新築となると、建物本体だけで精一杯。本質的にいい暮しを求めて建物と一体化した庭空間も。
 (15坪の庭があった場合)

造園工事、または外構工事まで考えた1000〜1200万予算の全面改装

予算に余裕があれば上記の800万予算全面改装プランの他にたとえば以下の工事も可能です。
造園工事
庭園の石貼り
日本庭園、洋風庭園等好みの庭のの設計と作庭。
カーポート 住宅に合わせたデザインのカーポートを作る。
門扉 アルミ製にかえたり、タイル貼りにしたり、予算に余裕があれば自然石等つかったりすることも。
   
   

以上、あくまでざっくばらんな参考見積りです。施工場所や工事規模によって見積り価格もそれぞれ異なります。ただリフォームといってもかいもく見当の付かない部分もあると思うので少しでも御参考になれば幸いです。

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