*三重櫓*


 三重櫓で、天守や御三階でないものを集めてみました。

*現存三重櫓*

弘前城(丑寅櫓・辰巳櫓・未申櫓) 青森県弘前市
弘前城の二の丸には三基の三層櫓が現存しています。

南西角に有る未申櫓。
南東角に有る辰巳櫓。
北東角に有る丑寅櫓。
江戸城富士見櫓 東京都
明暦の大火で天守が焼失して以来、天守の代用となったのが富士見櫓です。

各地の御三階のモデルにもなっています。
名古屋城清洲櫓 愛知県名古屋市
名古屋城御深井丸の西北隅に有る三層櫓は清洲櫓と呼ばれています。
清洲城から名古屋城に移転した際に、清洲城天守の用材を使ったという伝承が有り、解体修理の際にそれを裏付ける証拠が出てきています。

名古屋城には他に、本丸に二基の二層三階の櫓が現存しています。
彦根城西の丸三重櫓 滋賀県彦根市
彦根城西の丸三重櫓は小谷城の天守を移築したとの伝承が有ります。
しかし、江戸後期の修理の際に大半の用材が交換された為、それを裏付けるものは見つかっていません。
明石城(坤櫓・巽櫓) 兵庫県明石市
明石城には本丸に二基の三重櫓が現存しています。

こちらが巽櫓です。
坤櫓は二層目の千鳥破風と唐破風の混ざったものが特徴的です。

明石城は天守が築かれなかったので、天守台に近いこの坤櫓が天守の代用とされました。
福山城伏見櫓 広島県福山市
福山城伏見櫓はその名の通り、伏見城から移築されたと言われています。
高松城(月見櫓・艮櫓) 香川県高松市
月見櫓は着見櫓の意味で、嘗ては海に面し船の出入りを監視していました。
艮櫓は、城内の別の場所に有ったものを移築しています。その為方角が合っていません。

付近の石垣も少々風情の無い施工になっています。
熊本城宇土櫓 熊本県熊本市
熊本城宇土櫓は、宇土城の天守を移築したものという伝承が有ります。

三層ですが内部は五階で、城内では第三の天守という扱いだったようです。
会津若松城本丸御三階(移築) 福島県会津若松市
これは所謂櫓では有りませんが、会津若松城の本丸御殿の庭に有った三階建の茶室?です。
現在は城下の阿弥陀寺に移築されて現存しています。

*復元・復興三重櫓*

*実際に見た事の無いものは、かなり適当な事を書いてますので、間違っていたらスミマセン。
 他に忘れている物が有りそうなので、お気づきの点が有りましたら教えて下さい。
*復元三重櫓*
西尾城本丸丑寅櫓 愛知県西尾市
西尾城本丸に木造で復元されたものですが、天守では有りません。
その規模は三重櫓としては、かなり小さいものです。二階は(フロアに入る事は出来ませんが)中腰でないと移動出来なそうな按配です。

西尾城の天守は二の丸に有ったようですが、そちらは再建する予定は無いのでしょうか?
島原城三重櫓(三基) 長崎県島原市
 島原城には五層の天守が復元されていますが、本丸に有った三基の三重櫓も復元されています。

 なお、それぞれの櫓が復元なのか復興なのかは調べ切れなかったので不明です。

 これは本丸西側にある西の櫓で、昭和35年に天守に先立って再建されたものです。
 これは本丸東南にある巽の櫓で、昭和48年に再建されたものです。
 内部は西望記念館になっています。
 これは、本丸東側にある丑寅の櫓で、昭和55年に再建されたものです。
 内部は民具資料館になっています。
*復元三重櫓門*
金石城三重櫓門 佐賀県巌原町
三重櫓門という非常に珍しい建物ですが、実在したようです。
平成二年に復元されています。
*復興三重櫓*
吉田城入道櫓 愛知県豊橋市
 吉田城には天守は築かれませんでした。
現在見られるのは、昭和29年に本丸鉄櫓跡に入道櫓を模して建てられた(というのが良く判らないのですが)三重櫓です。

 ところで、メールでご指摘があったのですが、本丸鉄櫓は三層で、入道櫓は二層だったようです。
 つまり本来三層櫓が建っていた場所に二層櫓を模した三層櫓を建設???
 という、本来の意図がどの辺に有ったのか良く判らない状況のようです。
津城三重隅櫓 三重県津市
津城には天守台のみで天守は築かれませんでした。
しかし、本丸北部には二基の三重櫓が建っていました。

が、左の画像の三重櫓はその三重櫓が建っていた位置ではなく、多聞櫓が有った位置に建てられています。
その為(特に二層・三層の)規模が非常に小さく、殆どミニチュア系といった按配です。

今まで見た中で、一番チャチな三重櫓です。
平戸城二の丸乾櫓 長崎県平戸市
平戸城には天守は有りませんでした。現在、模擬天守が建っているのは本丸二重櫓跡です。

平戸城で唯一の三重櫓は二の丸乾櫓でしたが、その跡には現在三重櫓が再建されています。ご覧の通り復元とはとても言えない建物です。

内部は売店だったか休憩所になってました。

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