貴船城見学記
2002.7


 別府ICで大分自動車道を降りて別府市街を東に進むと〜地獄やら色々有るようですが、とりあえず無視して貴船城を目指します。山を巻く道路から急坂を100m程登ると頂上に出て貴船城が建っています。車を止めて横から貴船城の写真を撮っていると、すこし後から登ってきた車から降りた熟年夫婦が城の正面の方に回っていくので後をついていくと、チケット売り場に居たオバサンが、
「そこから先は入場料が掛かりますよ〜」
と声を掛けてきました。どうやら庭から別府市街が見下ろせる部分も無料では無い様です。ちょっとセコイなと思いましたが・・・
 入場料300円を払って、案内のオジサン(もしかしてここの責任者かも)についていくと、まず最初に天守正面でホルマリン漬けになっている先代のご神体を拝みます。それはニシキヘビっぽい南洋系の白蛇で全長は多分5~6mでしょうか。
 あ、爬虫類系が苦手な方はご安心下さい、撮影禁止なので写真は(遠景でしか)撮ってませんので。

<鯱でなくて白蛇(らしきもの)が乗ってます>
*因みに、正面中央には先代の御神体(だったかな?)が祭られて(ホルマリン漬け)いて、撮影禁止との事でしたので、一応その部分に黒線を入れさせてもらってます(殆ど判らないですけどね)。
 正面左手の入り口から天守内に入るとかなり広い部屋になっていてそこの南側の端に案内されます。なぜ、広い部屋なのに端に行くかというと、そこの壁を開くと現在のご神体である白蛇様のお部屋が有るからです。多分、南国育ちなので日当たりが良くないと寒いのでしょう、その部屋はガラス張りの温室風になってましたので。

 軽く説明があって、扉を開くとご神体と対面です。ご神体に触れた手で体の悪い部分を触ると調子が良くなるとの事なので、肩痛(40肩?)に悩まされている左肩をさわりました(その後、特に効果が有ったという事は無いですが)。因みにご神体はヒンヤリして良い感触でした。


<中央が下がっているように見えるのは、多分気のせいでは有りません>

 この後は、内部を自由に見学して良いとの事だったので、天守内を探索する事にしました。一階は広い空間で、中央には御本尊様(じゃないか、白蛇様が居るし)と思われる祭壇が有ったので、一応拝んでみました。二階には歴史物の絵が飾られていましたが、特に興味を惹かれませんでした。三階にはまた祭壇(これも一応拝んでみました)が有るのですが、祭られているのがお釈迦様にキリスト様と後なんだっけ?という事で、この建物の懐の深さを物語っているのでしょうか。
 最初からそうだったのか、段々そうなったのかは不明ですが、三階のフロアは四隅が持ち上がり気味で、中央が窪んでいる気がしました(いや、気のせいというレベルでは無いですが)。
 展望台からの眺めは結構な物ですが、この展望だけで300円は高いでしょう。まぁ、この天守とあやしげな宗教体験を楽しめる人ならこの値段は十分リーズナブルだと思います。


<こういう意匠の天守も珍しいと思う>

 それにしても、この建物はすごく面白いです。木造建築に特に詳しい訳ではないのでアレなんですが、普通天守は高さと強さを重視して、ぶっとい心柱を始め柱が林立し、フロア内の見通しは良くないのですが。この貴船城は内部に広い空間を設けるのを主眼にしていて、お寺の本堂に近い構造なのでは無いかと感じました。
 天気がとても良かったという事も有り、建物内はとても明るくて開放的(悪く言うとスカスカで不安)に感じました。


<日本唯一の丸太造りの天守・・・ていうか柱細すぎ>

 壁に貼ってあった案内によると、

〜城造りでは最古の形式砦造りで昭和32年に復元したものです。すべて松丸太で組立てられ別名松の木城と呼び、この様な築城形式の城は他では見られないものと存じます〜

 とのことです。
 確かに、他では見た事無いですが・・・

−情報提供:大津さん−


あやしい城に戻る