オウガバトル・サーガ 外伝
「ローディスの騎士」
The Knight of Lodis
 
《第2章 夏の終わり》
 オープニング 

フェーリス公国の代表として、島を訪問していた、聖炎騎士団のレクトール・ラスナンティにより、
ラーヌンクルス地方の白牙騎士団が正式にアールセン地方より撤退したとの声明があったのは
海竜の月に入ってすぐであった。
 
バトラール家、および騎士団の目的は明らかにされなかったが、結果、ラーヌンクルスへと撤退したため、
とりあえず事態は解決したという判断がくだされたのである。
これに際して聖炎騎士団は、フェーリス公国に帰還するため、港町スカベッルムに駐留していた。
 
一方、黄金のマーメイド、ベイレヴラに会ったアルフォンスは、エレノアとともにシビュラの元へと戻る。
アルフォンスたちは、以前ラーヌンクルスの騎士団が足場としていたフォルミドー砦を拠点とし、
この島に残る聖槍の伝説とその出自について、調査を行っていた。
 
バトラール家の歴史は古い。
400年前、マーメイドと人間との戦争で大きな勝利を収め、島の北方に移り住んだのがバトラール家の
興りである。
よって、過去のバトラール家の頭首が聖槍について知っていたとしてもおかしくはない。
 
まもなく嵐の季節はすぎ、おだやかな秋が来ようとしていた。
島の秋は短い。

 
 
 
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