2008年2月10日        労働者の力             第 215号

08春闘
反貧困、反非正規化
社会的に目に見える形で、賃上げを!抜本的派遣規制を!


坂本二郎

  1月23日、日本経団連と連合の春闘を前にした最初の意見交換が行われ、各メディアは春闘が始まったと報じた。
 「ワーキングプア」という言葉がすっかり定着するほどにあらわとなった貧困化の進行、そして急速に広がりを見せる生活関連諸物価上昇を前に、賃金の問題は切実な重みをもって改めて人々の前に現れている。今春闘は、文字通り生活がかかったものとしての重い意味をもつことになった。
 先の物価上昇に加えたこの期間内のいわゆる公租・公課、税金や社会保険、公共サービス等の各種負担増大を前提にすれば、今春闘の課題の第一は、何としても目に見える賃上げをどう闘い取るか、となる。そしてもう一つの課題は、非正規問題、ワーキングプアと言われる問題との闘いだ。この問題は、貧困の問題であると同時に労働者の人権、尊厳の問題だ。労働者がまさに完全にモノ扱いされているという問題であり、これとの闘いが労働者運動全体に正面から提起されている。
 スタグフレーション(不況化の物価高騰)という言葉が、30年を経て再び語られ始めた。この言葉が初めて登場した1970年代、その責任はもっぱら労働者に被せられた。しかし今事情は変わった。その責任が、大独占多国籍資本や投資家と呼ばれる富裕層の投機、暴利を求める強欲にあることは、まさに白日の下にある。今春闘はこの中で闘われる。
 問われていることは端的に、多くの人々の犠牲を糧とした大独占資本の暴利を、労働者民衆に、社会に、差し出させることであり、なおかつそれを、どのような形で差し出させるか、である。

賃上げゼロ論の破綻

 国際金融不安の波及が年明けから明らかとなってきた。今までであれば、これで企業業績が危ない、賃上げどころでない、という声が一挙に吹き出すところだ。しかし現状では経営側も、そういうことを簡単に言い出せる状況にはない。
 この間輸出企業を中心に、史上空前の利益が言われてきた。それを背景に全体のエコノミストの意見は今、外需を軸にした景気の持続を安定させるために内需てこ入れ、という方向に収斂している。投機が制御困難な金融不安へと行き着いた現実を前に、彼ら自身も、企業収益だけに目を向けているわけにはいかなくなっているのだと思われる。その上で内需てこ入れとして二つの方策が提起されている。一つは賃上げ、もう一つはこの間跳ね上がり始めた消費者物価の抑制だ。後者に関わっては、政府が負うべき政策的責務として、今政治の争点となっている石油税を下げることの効果を強調する意見がある。いずれにしても内需の問題は今、経済全体にとって軽視が許されない問題として、支配の側でも認識されている。
 この中で去年から今年にかけて、日本経団連がずーっと賃上げ容認論みたいなことを言ってきた。但しそれは正確に言えば、生産性が向上した分は賃金に一定程度反映させてもいい、というもの。内需のために、ということが重点であり、賃上げは絶対拒否という以前のような露骨さがないだけだ。したがってもう一方で、業績変動部分は一時金で、という立場は相変わらず全く変えていない。例えばトヨタで言えば、今年の要求は1500円、定昇込み6400円。トヨタの業績を考えれば五桁要求でもおかしくないがそうはなっていない。その代わり去年は一時金で259万円の満額妥結、今年も250万円台の妥結となるだろう。しかしこれで賃上げが全体に波及するかということになると、全くそうはならない。
 それ故、建前だけでの逃げを許さず彼らを本当に押し込む闘いが、今年こそ切実に求められている。
 しかし最大の労組ナショナルセンターの連合は、賃上げしろ、とは言うものの、統一的な一律目標を決めているわけではなく、自動車が1000円でがんばっている、と言われるようなレベルだ。あとは主に、非正規労働者の処遇改善、正社員化という要求、そして労働時間短縮と時間外割増率引き上げ要求が付け加えられている。最後の要求について先の意見交換では、日本経団連が猛烈に抵抗したという話が伝わっている。
 しかし労働時間短縮を本気で追求するとすれば、割増率引き上げの要求だけではなく、サービス残業の規制を現場でしっかりやらなくては実効性がまるでない。コナカの店長が一人で未払い分として600万円取った。他の店長も全部要求しよう、という動きになるだろう。マクドナルドでも同じようなことがあり、東京地裁が支払を命ずる判決を出した。全国一般全国協(以下全国協)でもセブンイレブン管理監督者の裁判を闘っている。実質的な不払い残業の問題について具体的な取り組みをしない限り、時間外割増という制度の裏にある膨大な未払い残業を現場からチェックして行く闘いを抜きに、時短は前に進まない。年間総労働時間で言えば、パート労働者を入れても平均1842時間、いわゆる常用雇用労働者平均では2024時間、というのが実態だ。それにもかかわらず政府は、1800時間に到達した、などと相変わらず言っている。実態を変えるための、現場からの具体的な反撃が決定的に問題なのだ。
 社会的波及を可能とする賃上げのためにどう闘うか、賃上げゼロ論の破綻が明確になった今年こそ真価が問われている。そしてそのような構えなしには、非正規問題との闘いも本当の前進につながることにはならないだろう。

労働の全構造に対する闘い―非正規問題

 非正規問題に関して、日本経団連経営労働政策委員会報告には、「はじめに」で、「格差や貧困問題という陰もある」と一言出てくる。陰の部分に光を当てる制度政策は不可欠、と一応ことわっている。しかしその後に、その原因分析も対策も全く出てこない。要するに他人事であり、自分たちに責任はないとのすり抜けだ。
 これを許さない闘いが本当に必要となっている。
 この間の派遣の問題で言えば、例えば、全世界に日雇い派遣などというものがあるのか、という問題だ。日雇い労働というものは全世界に確かにある。それでもそれらは直接雇用が常識だ。そこで色々問題が起こり、だから日雇い労働に関わる闘いが雇用主と直接相対する形で様々闘われてきた。ところが今日本では、そのような場面からも逃れる形で日雇いを派遣で済ませ、しかもその先に二重派遣まである。その扱い方は本当に単純なモノとしての扱い。「入れ込み」という用語が使われているという。仕事の流れの中に人をどうはめ込むか、という扱いだ。ガテン系連帯の例では、肉体的にはきつくしかし残酷なほどに単調な労働が派遣労働者にあてがわれる。誰もがいやになって直ぐ辞めることを最初から想定のことだという。次々と代りの派遣労働者が、それこそ「入れ込み」として送り込まれるのだ。これは生身の人間の労働をどう扱うのか、という深刻な問題だ。聞くところによると、派遣労働者だけではなく、派遣元の労働者、いわば派遣手配師達の状況も悲惨だという。労働に対する上のような感覚の下では必然的にそうならざるを得ない。
 労働者保護の、歴史を通じた世界的積み上げと全く切断された状況が、今日本にある。この全体構造、非正規化が急激に進行して、パート、派遣、有期雇用ひっくるめて貧困化する構造をどう捉えて総合的に反撃するか、ここに闘いの焦点を当てなければならない。
 北九州の生活保護打ち切りにより、ここ数年で四人の死者が出たことが明るみに出た。実はそのうちの二人がタクシー労働者だ。今全国協の北九州のタクシー労働者が必死でこの生活保護の問題に取り組んでいる。北九州市の社会福祉課で、いわば向こう側で切り捨ててきた人が今職場を辞めて内部告発し講演を始めているが、その組織化も含めた取り組みだ。この間反貧困ネットワークなどの突き出しの中で、生活保護の問題もかなりクローズアップされてきた。これを労働問題としてひとつながりの中で取り組むことが、非常に大事になっている。
 しかし連合の場合、非正規処遇の改善を要求とし非正規センターを作ったとはいえ、その取り組みには依然としてあいまいさがある。反貧困ネットワークのオープニング集会などでは連合の生活局がかかわって色々手伝っている。しかし非正規センターが春闘で賃上げと非正規問題として取り上げる時、上に見たような広がりでそれがきちっとつながっているのか、連合の中で非正規センターと生活局がつながっているかと言えば、そうはなっていないように見える。そうである限り客観的に迫られている課題に追いつくことはできない。我々としては、現場での具体的な闘いを突き出し、その克服を迫らなければならない。

不可欠、最賃の一律引き上げと産業政策転換

 同時に上で問題としてきたことと底流でつながる問題として、中小零細企業の苦境という問題がある。日本の経済構造の問題としてこれまでも二重構造が語られてきた。しかし今この二重構造が新しい性格をもって深刻な問題を提起している。
 輸出を主導とする、全世界でモノを売り稼いで史上空前の利益を上げる大企業と、その一方で内需を主体とするサービスとか卸し小売りをひっくるめた地場中小部分が、完全に分断されている。そして、世界で稼いでさらに非正規化で稼いでといった大企業にとって見れば、先のような中小企業はつぶれて当たり前、あるいは不要、とされる風潮が流布されている。これが地域格差を進める一つの推進力だ。その中で去年上半期倒産が8.4%増大したが、それは圧倒的に中小、しかも北陸、四国が最悪という地域間格差状況だ。中小でも全国協の例では、輸出につながる金属などで比較的打撃が少ないところも確かにある。しかし東京の大田区などからは、金属であっても二極化が明確だとの話が出ている。執拗で歯止めのない下請け工賃切り下げ圧力の中、それに応えることのできるところか、極度に特殊な技術をもつところだけが選別されるという状況が生まれている。
 このような状況の中、要求すらきついという職場の声がある。だからどうしても必要な今春闘の賃上げは、二重構造を反映して全く様相が異なる。それらをしっかりつかんだ闘いの進め方が求められている。付け加えれば、それだけに一層、一時金でという大企業の対応は許し難いものとなる。
 そこで特に重要となるのが最賃闘争だ。例えば中小を主体とする全国協はこの数年、かなり意識的にこの課題に取り組んできているが、個別企業を超えて、社会的セーフティーネットとして賃金の底割れをいかに防ぐか、これを最賃闘争として進めることが特に意識的な課題とされなければならない。去年平均で時間14円上がり、ここ7年一円から三円という攻防から比べれば確かに急激に上がった。不充分ではあるが、去年の臨時国会で最賃法改正が実現し、生活保護との整合性に加えて、憲法25条の内容が最賃法の精神に入った。これらを根拠に、今年20円は上げなければ、という動きになっている。
 それでも去年は青森が九円で東京は20円。最賃の地域間格差がもっと広がっているという現実がある。最賃法に企業の支払能力条項が入っている以上、地場の数値から見て、全体を東京と同じに、とはなかなかならない。しかしこれ以上最賃でも地域間格差を広げてゆくことには真剣な見直しが必要だ。例えば若者は、地方間格差が広がるほどに地域で自分たちが生きていく場を見つけられない、過疎がさらに進む、ということになってしまう。
 したがって同時に不可欠に必要となるものが、中小の倒産増大、内需型倒産増大といういわば構造的な問題に対する産業政策、中小企業政策だ。この分野に関する日本の貧弱さ、むしろ意識的なサボタージュは明確であり、例えば世界で競争している大企業に対する研究開発助成への大盤振舞いなどとは、比較にならない。所得格差に対する例えば税制や社会保障給付を通した社会的再配分政策は、歴史的にも世界的にも今では否定できない正当性を獲得してきた。産業政策においても、同質の制度的な再配分的方策が、外で稼いできた大企業から中小に回す、といった大きな転換が今や深刻に求められている。このような政策方向は少しも特異なものではない。家族経営農業に対する所得補償も含め、欧米でも現に展開されている。
 内需に応え中小企業が主体となって担っている仕事は、国内で人々が生きてゆくために、社会にとって、代替のきかない不可欠な仕事なのだ。食品から介護、医療、教育などを含めた地域サービス、みんな必要だ。これが全部、生産性が悪い、淘汰が当たり前、みたいに扱われている。あるいは、大資本の手で効率化、などといった手軽で表面的な主張だけが大手を振って横行している。コムスン事件や「民営化」保育のその後など、そうした議論のいかさまさが少しづつ顔を見せ始めている今、それらの政策方向を本気でひっくり返さなければならない。
 最賃問題も、労働省の組合の活動家から話を聞けば、労働者の立場に立つ労働監督官の悩みというのは、最賃法違反の摘発がきた時だったりするという。我々はもちろん原則的に闘う必要はあるが、政策的裏打ちなしに制度の数字の上でだけ上げればいい、というわけにはいかない。

最賃闘争と派遣法改正を共通の土台に

 上述の問題に関連するが、安い労賃を求めて外に出る動きが、今度は外から安い労働力を入れるという動きに進んでいる。それが外国人研修生・実習生問題だ。それは今第一次産業に入っている。この間全統一労組が取り組んだ未払い賃金問題の事例は「とちおとめ」、栃木県奨励のブランドイチゴの生産に起きた問題だ。成田で辛うじて強制送還を止め今交渉している。この研修生・実習生導入は県が奨励し、県の経済連、農協が集団でやっている。農家は収穫期だけ入れたいわけだが、それを問題にし実習生ならば最賃を払うべき、時間外を払うべきとまじめに追及すると、そうだったら要りません、無理です、という話だ。これは高原野菜のところなどでもみな同じだ。水産業も含め、いわゆる労働集約的なところの価格競争がその陰に隠しているこの問題を、消費者も直視しなければならない。市場を通して本当は労働を交換し合っている関係が、安さを持ち上げる形で特にメディアを通して意識的に消されている現在、上のような問題を社会的に訴えることは極めて重要となっている。
 闘いは簡単ではないが、例えば「とちおとめ」はいやしくも県のブランドであり、県の見本だ。その開発と生産に県政も経済連も関与している。そうである以上、賃金未払いを前提に辛うじて利益を上げる、という構造に依存する方がおかしい。いずれにしろ労働者としては、賃金支払いに関して何らかの形で県の責任も追求することを現実に求められる。政策問題はこのような形で労働運動にも具体的に突き付けられている。
 そして内需に関わる第一次産業と中小企業の問題は、納入先の大資本との間にある圧倒的な力の差も紛れもなく大きな要因だ。特に小売りでも大資本化が進んだ現在、地場中小に対する力の差の影響はかつてとは異なる大きさとなっている。規模拡大や機械化でその差を埋めることはできない。それは、結局外国人労働力の賃金未払いに頼らざるを得なくなった先の「とちおとめ」の例が端的に示している。その意味でここで問われている政策問題には、第二次産業の下請け単価問題も含め独禁法の規制を、下請け単価に対する規制や納期に関する規制を、本気でやる気が政府にあるかどうかが含まれている。
 ここに見てきた政策問題、現在の構造問題は、国内の需要を満たす仕事全体が危機的状態に追い込まれているにもかかわらず、基本的に全く手が着けられていない。支配階級は全く手を打っていない。ある意味で昨年の参院選は、その陥没状況に対する深い怒りを象徴的に示した、と言ってもよいだろう。
 そのような状況の中で労働組合運動も問題に準備できているわけでは確かにない。その限りで当座やれることは、実際は限られている。実態を叫びとして社会的に告発すること、具体的な問題に則した自治体や政府の責任による解決の追求などを通して、課題の政策的側面を浮上させ、政策問題に転化する流れにつなげることが当面の課題かもしれない。
 その点で特に改めて、生活保護の問題とつなげた最賃闘争の取り組みと、非正規問題への取り組みのもつ意義を強調したい。
 最賃闘争の実践としては、企業内最賃の追求が成果を上げている例がある。非正規を含めた適用追求が最終的に非正規労働者の正社員化につながる事例だ。さらに、地方最賃審議会に対する傍聴闘争や意見書提出運動を社会的に広げ、地域を巻き込んだ署名運動と一体として展開しようとの動きも始まっている。
 非正規問題の中では派遣法の改正が今春闘を含めた今年の一つの焦点だろう。公明党まで含めた院内集会が重ねられている現在(二面参照)ある意味でチャンスであり、攻勢的に構えるべきだと考える。但し、特に労働契約法の経験を前にしたとき、民主党の動き方には必ずしも楽観できない状況は現にある。しかも連合もこの問題で一枚岩とは言えない。それだけに、民主党に腰を引かせないことまで見越した社会的な運動の組織化が、結局問題の鍵を握ると強調したい。
 結論的に今春闘は、賃上げを含めて、貧困と派遣問題が全ての労働組合運動の目の前に突き出された具体的な課題となる。その意味でそこには、要求実現をより強く引き寄せることにつながる大きな共闘に向かう芽が隠されてもいる。要求の統一は具体的に可能か、という問題は確かにあるが、反貧困と派遣規制に沿った切り口がそこに重要な道筋を提供することは間違いないだろう。
 いずれにしろこの課題に沿って実効的な闘いを率先して具体的に展開することが何よりも求められている。ある意味で各労働団体は、成果を競い合うことを求められているとも言える。そしてそこにおいては、上に見てきたような広がりを込めた社会全体に向けた発信が、これまでになく重要となる。
1・30派遣法改正院内集会
   派遣法改正へ、流れ強まる
 1月30日、参院議員会館第一会議室で、「希望のもてる働き方を今こそ!格差是正と派遣法改正を実現する院内集会」と題された、派遣法改正に向け態勢確立を追求する三回目の集会が開催された。主催は、格差是正と派遣法改正を実現する連絡会。
 今回も会場は熱気に包まれ、参加者は会場からあふれた(発表参加者数、196名)。また、野党四党と公明党から多数の国会議員も出席(民主五、社民五、共産四、国民新一、公明一)、各々改正推進への決意を語った。
 前回は公明党の参加が目を引いたが、今回の特筆点は、労働三団体(連合、全労連、全労協)が初めてそろう形で準備されたこと。もっとも連合の公式代表は時間の都合で出席できず、連合の意向は、司会を務めた鴨桃代全国ユニオン会長が代わって説明した。

モノ扱するな―現場の要求

 開会挨拶は安部誠全国ユニオン事務局長。「派遣法を考える」との題で一連の企画を当初は考えていたとふりかえりつつ、派遣法改正実現をめざすと明確に謳うほどに改正への気運が高まったと、先ず運動の成果を確認。さらに、現行派遣法の正式名称が「派遣業法」であり、ここに労働者をモノ扱いするこの法の致命的な欠陥が象徴されている、と鋭く指摘、労働者保護を明確にする労働法としての改正の必要を鮮明に訴えた。
 次いで関根秀一郎派遣ユニオン書記長が主催者報告。先ずグッドウィルに対する事業停止命令で多くの派遣労働者が次々と生活破綻に追い込まれている実状を取り上げ、当然予測できる事態に何の対策も準備しなかった厚労省の無責任さを強く批判。そしてこの事例も含めた派遣労働者の過酷な現状を具体的に挙げながら、最低限必要な改正要点を、@派遣対象業務の専門業務への限定、A常用型派遣を原則とする制度転換、Bマージン率の上限制限、と提起した。
 この報告を受け、日本労働弁護団と労働三団体が発言。
 日本労働弁護団の小島弁護士は、労働者保護の点で現行法が韓国の類似法よりも劣っていることを具体的に指摘し改正を改めて訴えた。加えて特に派遣先企業の規制を力説した。
 連合の観点については、先述のように鴨さんが、一般業務派遣と登録型派遣の禁止を方針としていると説明。
 全労連は、労働組合としてまとめた事前配布の改正法案要綱に沿って改正要求を説明。労働者保護に絞った改正気運の高まりを歓迎した上で、議員立法でも今国会で改正を実現すべし、と訴えた。
 全労協は、1995年の有名な日経連報告「新時代の日本的経営」がめざした非正規化の全体構造と対決する必要を課題として指摘した上で、特に派遣先企業の規制、並びに個人請負問題への対応を力説した。

労働者保護へ、煮詰る動き

 これらの発言を受け今回は、出席した国会議員個人の発言とは別に、各政党の代表が党の基本的立場を公式に表明した。
 民主党は細川律夫衆議員が発言。改正案は現在作成中としたが、今国会に提出し、成立させる方向で野党内で知恵を絞りたい、と表明。改正点としては、均等処遇を一般原則とした上で、日雇派遣の禁止、共同雇用責任、マージン率上限
規制、登録型の規制強化、違法派遣の派遣先直接雇用義務化、もっぱら派遣の規制、と六点を挙げた。
 共産党は小池晃衆議員が発言。与党にも同調意見があると紹介しつつ、改正実現への期待を表明。その上で、事前配布の共産党の改正要求リーフレットに沿って、党の改正案を解説した。内容的には、上に紹介した民主党の観点とかなりの重なりが見られた。
 社民党は近藤正道衆議院が発言。近藤議員も事前配布の資料に基づいて党の方針を説明。正式な方針としては当日集会後の政審で決定としつつも、上記二党の改正項目と重なりの多い改正点が具体的に明らかにされた。
 国民新党は亀井亜紀子参議員。党の立場は来週にまとめるとしつつ、期間を定めない雇用を原則とするとし、同一労働同一賃金原則、マージン率規制、大企業の雇用責任などを入れたいとした。
 谷合正明衆議員が発言に立った公明党の立場が微妙だった。1月28日に行われたこの党の北川幹事長の衆院予算委員会質問を紹介し、労働者保護をめざす改正への意欲を明らかにしつつも、今年はしっかり議論し研究する年、とした。
 これらの発言を受け中野麻美弁護士が、派遣業務の例外原則について範囲が煮詰められてきたこと、雇用の安定・直接、均等待遇、雇用の共同責任、マージン率規制、違反時の処遇などで、権利保護の観点が収斂しつつあること、と全体の気運を総括した。そして、更なる議論の詰めに期待を表明すると共に、活動を強化し厚労省研究会の「うすめ」をはねのけよう、と会場に活を入れた。
 集会は集中したものだった。今回を見る限り、少なくとも野党四党は、改正内容も含め足並みがそろいつつあるように見える。メディアの注目もこの法の導入時点とは様変わりであり、この日もTV取材を含め相当数の記者がつめかけていた。閉会挨拶に立った小谷野毅全日建連帯書記長は、役所の手の平でことを終わらせてはならない、と訴えた。確かに、この機会を何としてもつかみ、文字通り民衆の草の根の力で改正を実現するうねりにつなげなければならない(編集部)。  
 
六ヶ所再処理工場
汚染発覚、周辺で自然界の数倍
三陸沿岸、次々に稼働反対の動き

岩手発―11月5日、三陸の海を放射能から守る岩手の会が呼びかけて集めてきた「海へ、空へ、放射能を流さないで」という9万人余の署名が政府に届けられた。
 国会では11月27日開催された参議院環境委員会で川田龍平議員が質問に立ち、六ヶ所再処理工場からの放射性廃液による海の汚染について、政府の見解を質した。また、12月4日開催された参議院経済産業委員会では下田敦子参議院議員(民主・青森)が質問に立ち、六ヵ所再処理工場について、海外からの返還ガラス固化体の数、最終的処分場問題、環境アセスメントの実施状況などについて、政府側の答弁を求めた。
 岩手県レベルでは、12月5日開催された岩手県議会本会議において、六ヶ所村再処理工場からの放射能の本県への影響について取り上げられた。すでに三陸沿岸10市町村議会は、海へ放射能を流させない法律制定の意見書を国へ提出している。
 12月7日、東北地方の自然保護21団体が連名で青森・岩手両県の知事に対して「再処理工場からの放射性物質の原発並み抑制」と「放射能除去装置の設置」を要望した。12月9日、「豊かな三陸の海を守る会」の会合では、同会と岩手県内六漁協が中心になって集めた放射能海洋放出反対の署名を1月中に政府に提出することなど報告された。自然保護団体、消費者団体・市民運動・サーファー等によって、地元紙の岩手日報に、「放射能を流さないで!」という意見広告を掲載する計画が進められている。
 県原子力施設環境放射線等監視評価会議評価委員会が10月12日、青森市で開かれ、県と日本原燃が、本年度第T四半期(4―6月)に測定した六ケ所村周辺の空間放射線や、農水産物の放射能濃度のデータを公表した。再処理工場に近い尾駮沼で二地点から採取した水から、一リットル当たり213ベクレルのトリチウムが検出された。再処理工場からは4月6、7、14日に液体廃棄物の海洋への放出があり、トリチウムを含んだ海水が同沼に流入したものとみられる。(10月13日東奥日報)
 これを受けて、12月17日、21市民団体が青森県知事に質問状を提出。県や国、原燃は周辺住民の被ばくが自然界の100分の一程度だから安全と説明してきたにも関わらず、自然界の数倍の濃度の汚染は大きな問題であり、海洋から尾駮沼に流入したとすると、海洋はさらにトリチウムが高濃度だったはずであると指摘し、安全協定第三条に基づき情報を公開し真実を示すよう求めた。
 本格操業は3月に予定されているが、そうなると、原発規制値の2700倍ほどのトリチウムが、1日おきに海洋へ放出される計算になるという。本格操業の中止は緊急の課題となった。(I)

WSFあらかわ1・26グローバルアクション
             のべ500人以上参加   

 世界のエリートが集るダボス会議に対抗して、もう一つの世界を求めた七回の民衆の世界的大集合を作り上げてきた世界社会フォーラム(WSF)は、新自由主義のグローバリゼーションに対する民衆的抵抗行動を、今年は世界各地で国際的な統一行動として展開することを呼びかけた。この呼びかけに応え日本では、1月26日、荒川区の様々な会場を舞台に、一連のワークショップをつなぐ標記の行動が行われた。女性の自律、遺伝子組換え、対外債務、公共サービス、貧困、人権、気候変動、パレスチナ、メディア、非正規労働、オルタナティブな東アジア共同体などの課題を、新自由主義を共通の問題意識としつつ、様々な側面から深める議論が13の会場で取組まれ、午後6時開会の「みんなあつまろう!」イベントに全体が集約された。
 一連の行動にはのべ500人以上が参加し、多方面から人々を抑圧・排除する現在の社会から脱却する道を求めて、活発な議論が交された。様々な課題に取組む人々が、新自由主義のグローバリゼーションを共通の土台としてつながる今回の場の実現は、これまで日本でそうあった取組みではない。その意味で画期的な行動だったと言える。なおこの行動は、日付変更線の関係で当日の国際行動では最初の行動。インターネットでの映像配信のため、WSF派遣の広報スタッフが精力的にビデオ取材した。
 今年6月、洞爺湖G8サミットが開かれる。主な議題は地球温暖化問題とされている。しかし本当の彼らの関心は国際金融問題かもしれない。いずれにしろこの二つは、底流でつながり合いながら現に世界を破壊の淵に導いている問題であることに違いない。
 今回の取組みを土台に、このサミットでの再会が次の課題となる。世界から集る多くの民衆と共に、地球を破壊する世界のエリート達の無責任な行動に対し、はっきりとした拒否の声を大きく力強くたたきつけよう。(K)
 
パキスタン労働党(LPP)第四回協議会が終了
更なる党内民主主義へ新規約
              
ファルーク・タリク

 2日間のパキスタン労働党協議会は、大成功の内に終了した。緊急事態の強要にもかかわらず、126人の代議員と35人の傍聴者が、ラホールのパキスタン人権委員会の集会場での2日間の集まりに出席した。インターナショナル、国内、組織展望の三つの分科会には、それぞれ数十人の代議員たちが熱気のこもった討論に参加した。
 パキスタンのあらゆる地域から集まった代議員たちは、僅か8日という短い事前連絡で到着した。すべての選出された代議員が来れたわけではなかったが、しかし、地域はすべてそろった。
 協議会は寄せられた多くの連帯あいさつの読み上げから始まった。第四インターナショナル(フランス)、CPIML(インド)、民主社会主義の展望(DSP、オーストラリア)、ヨーロッパ連帯戦線(フランス)、CATDM(ベルギー)、革命的社会主義者同盟(ドイツ)、戦闘的労働者の声(アメリカ)、トニ・ウスマン(ノルウエー)、アフガン革命的労働者協会(アフガニスタン)、オロフ・パルメ・国際センター(スエーデン)、キューバ共産党(キューバ)、革命的共産主義者同盟(LCR、フランス)、日本革命的共産主義者同盟(JRCL)、自由社会主義者党(アメリカ)、国際主義社会主義者協会(アメリカ)、VAK(インド)、NSSP(スリランカ)、GFont(ネパール)および他の諸個人のメッセージが含まれていた。

画期的討論

 国際主義分科会は、ヴェネズエラ、テロへの戦争、それのイスラム諸国への影響、帝国主義の国際的攻撃とそれへの反撃、流れの変化に主要な焦点が当てられた。ナジル・マンスールが幅広い討論を伝達した。
 ヴェネズエラでの憲法改正のあるものについて批判しつつも、革命の国際的影響力とその防衛を強調する幾人かの同志たち。一回でやり遂げられると思うのはまったくの夢想であるし、社会の社会主義的変化のために求められる再編の意義を説明するには時間が足りなかったという同志たち。ウーゴ・チャベスがすべての挑戦を受けて立ち、そして結果を民主主義的に受け入れたと賞賛する同志。
 国内展望に関する分科会は、先進的司法者、学生、社会活動家そしてメディアに主に向けられた。ムシャラフ体制は弱く、彼の言うところの経済成長では大衆の中の支持を呼び起こすことが出来てこなかったということが合意された。
 緊急事態は、主要には総選挙の前に、自立した司法組織を排除するために強行された。代議員は全員、インチキ総選挙のボイコットというLPPの決定を支持した。それは労働者階級を、労働組合運動を活性化させることを通じて、運動の主要部隊へと動員することを誓うことであった。ニサール・シャーがパキスタンに関する討論を伝え、そして独裁体制終了のためにすべてを注ぐことを強調した。彼は、18日間の囚われから、最近になって釈放されたばかりだ。
 組織分科会は、党建設に関して、多様な方式の、まさに生き生きした討論となった。新たな学生組織形成を援助することが合意された。すべてを扱う役員を廃止し、書記局のシステムを形成するという規約改定が満場一致で承認された。今後は、五つの書記局、すなわち、教育・文化書記局、労働書記局、女性書記局、農民書記局、および青年書記局が国家的、地方的、地域的レベルで形成される。総書記が仕事を調整し、そして国家レベルの代表者が選出される。
 国家レベルでの役員は二期の任期(4年)を越えることが出来ないという規約改正案は、七票差というきわどさで承認された。熱気ある討論の後に、改正は投票に掛けられて通過した。
 LPPの新たな旗は代議員の満場一致で受け入れられた。新たな旗について12のデザインが代議員に示され、赤い地に一つの白い星、パキスタン労働党名が付加されている旗が代議員全員の支持を集めた。
 財政の訴えが会議に出され、50万ルピー(9500ドル)を越える額が確約された。貧民街で土地権利の闘争を指導している一人の女性同志が表明した3万ルピー(500ドル)は会場を沸かせ驚かせた。このことが同志たちの意識を高め、空前の額を誓わせたのだ。単なる126人からなる一つの会合でこうした額が上げられたのは、今までは決してなかったことだ。
 協議会は秘密投票で21名の全国委員を選出した。28名が立候補した。七名の女性同志たちが立候補し、六名が選出された。以前は21名の内、女性はただの二人であった。同志ファルーク・タリクが98%でトップとなり、次に女性同志ナジル・ジャヴドが続いた。21名の全国委員会はパキスタン全土を代理している。
 全国委員会の短い会議において、ニザール・シャーが新総書記に、ファルーク・タリクが国家レベルの代表に選出された。ナジル・ジャヴドは女性書記、ナシル・マンスールが労働書記、ハキム・カーン・バハデュルが農民書記、アミール・フサニが教育・文化書記、そしてアシム・アクウドが青年・学生書記。七名の国家執行委員会が同じく全国委員会で選出された。全国委員会に選出されたタラト・ラバブが、週刊『マズドア・ジェドジュド』の編集長に推された。こうした異なるポストに代表を選ぶことは満場一致の決定であった。

熱気の公開講座

 12月9日に同じ会場で、アワミ・ジャホール・テリークによって組織された公開講座は、さまざまな組織からの多くの若者たち450名を越える参加があった。発言者たちには、先進的司法家や学生たちが含まれた。ラホール高等裁判所弁護士協会の書記であるサルフラツ・シーマ、ラホール地裁弁護士協会会長のモハムド・シャー、先進的司法員のニザール・シャー、三人はすべて少なくとも18日間の牢獄を経験したが、HRCPの超満員の会場で講演した。
 学生行動委員会のスンデス・フラインは、15人の学生と司法員がラホール高等裁判所員の家を防衛しようとして逮捕されたが、彼らは新PCOの下での誓約を拒否していることを強調した。「われわれは、15名の釈放までハンガーストを開始した」と。
 同志ファルーク・タリクは、諸選挙で役割を果たすであろう大政党に代わるものを作り出すために、司法員、学生、労働組合、農民、女性組織、そして市民社会の総体の大衆運動の必要を強調した。今度の選挙は茶番劇であり、われわれは参加すべきではないし、大衆を選挙ボイコットに確信を持たせるべきだと。
 講座は熱気に溢れ、公的な抗議集会の様相を示した。軍事独裁反対の様々なスローガンが掲げられた。
*週刊『マズドア・ジェドジュド』(労働者の闘争)の通信による。ファルーク・タリクはパキスタン労働党の総書記である。(「インターナショナル・ビューポイント」電子版1月号)
イタリア
共産主義再建党よ、「さようなら」

        
シニストラ・クリティカ(批判的左翼)

開会あいさつ

 シニストラ・クリティカは、共産主義再建党(PRC)での体験が終わり、そして新たな政治的計画を築き始めつつあることを宣言する。SC(シニストラ・クリティカ―編集部)は運動体となり、同時に、左翼であるアルコバレノ(虹の連合)に向かう反資本主義連合への最初の段階開始を準備している。そのことは、次の土曜日にヴィセンザで運動の中に現実的に現れるだろう。危険に対する条約(アメリカ軍のイタリア駐留?―編集部)において、女性運動において、LGBT運動(多様な性のあり方の解放を求める運動―編集部)、エコロジーと反差別闘争のために、活動を続ける。加入者獲得と資金調達活動を1月に始め、春には、われわれの最初の全国動員を計画している。

第一回全国協議会決議

 シニストラ・クリティカの第一回全国協議会は、開会あいさつを承認すると共にとりわけて以下の諸点を満場一致で承認した。

1)体験の終わり、そして新たな政治計画の開始を声明する。このことは、二つの異なった計画が異なった道筋を採用するという見解から産まれた分岐である。一方の、再建党は、自身の活動家たちの協議会をハイ・ジャックし、政府の一員という意識とおどおどした改良主義者という自己認識をもって、新たな政治構想に命を与え、事実上歴史を終えている。他方の、シニストラ・クリティカは、階級的左翼、反資本主義、対立者の建設を運動の中で続け、そしていまや再建党によって無にされた、近代革命左翼の理論的、実践的広がりを再活用する用意を進める。それは、PD(Democratic Party、民主党)への反対者そしてまさに、今日ではプロディ政府への反対者の左翼である。
2)これから数日中に、SCの闘士と指導者たちはPRCを去り、その代表者たちは、下院での自主的グループを形成する;上院ではすでにグループは作られている。この決定は国的にはPRCへの公開状として送られる。そして同じ手紙が地域組織に公開される。地方組織の会合において、われわれは、PRCメンバーたちにたいして、この決定を説明する会合を組織する。
3)シニストラ・クリティカは党組織ではなく、運動体であり、政治的主題は大衆運動に向いている。それは地域組織を作るし、そして地方的な調整団体を作る。1月から、加入者と資金集めを開始する。
4)今日の必要性に適する政治組織を作るという計画に関する限り、われわれは、反資本主義の憲法改正会議の形成をアルコバレノ左派に提案している。アルコバレノは、再建党の最良の経験と様々な運動の部隊、すなわち、反資本主義を強調する労働組合、急進的フェミニズム、環境主義運動、そしてとりわけ青年たちの運動を結びつけるであろう。この改憲運動は、たとえ特例的あるいは部分的であれ、左翼の階級的、反資本主義的連合に、至るところで生命力を吹き込むことのできる実体的で前途有望な計画を表現する。少なくとも以下の三つを評価の基礎とする。
a、社会運動との結合とその力と対象。
b、中道左翼政権と距離を置き、したがって民主党とも対立すると同時に右の政策と異なったものを提供。
c、因習的な政治活動からの自立。しかしながら、選挙の場で必要なものは除く。すなわち、槌と鎌の使用。それは今ではまた再び捨てられてしまっている。
5)現実の生命力をもつためには、反資本主義改憲会議は運動が採用する道筋と結合しなければならない。そのように、シニストラ・クリティカも、短い時間しかないが、以下に関与する。
a、ヴィセンザのアメリカ軍基地への闘争、そして11月25日に調印された条約についての大衆運動の再構築をめざす1月26日のデモの呼びかけに全力で呼応する。
b、「危険に対する条約」の拡大と明確化は、10月9日のストライキの後であるが、そのストライキは、必要なことではあるけれどもしかし、単なるデモンストレーションに終わらず、現実的な闘いのやり方を作り上げることに関与できるようにならなければならない。
c、昨年11月24日に、男性の暴力に対する闘いの問題を提起した女性たちの運動の再構成は続けられ、そしてもう一つの全国会議が1月12日に行われる。
d、ヴァチカンの影響や性的暴力に耐えつつ、運動を作り出すこと、および市民的権利と安全な状態を求めることは、LGBT運動と2月9日のノヴァット・デーに関連する基盤がある。
e、公共利益のための闘いと環境の防衛の闘いを継続し、諸闘争の統合化を追及し、それらの闘争の継続と協調に向けたより広い構造を提案する。
f、反差別闘争、および移民労働者の組織化の闘いを強め、プロディとヴェルトロニの「治安一括法案」への正当な対決を開始する。
6)最後に、SCは、利潤の論理に抗する、労働と社会的権利を中心とし、同時に環境を防衛する国家的キャンペーンの準備を国家的調整に委ねることを決定した。特に、労働の中枢性は、トリノでの殺害で明白となった。そのことは、資本家の労働者に対する日頃の戦闘がいかに激しいかを示したのだ。次は全国キャンペーンだ。シニストラ・クリティカの建設への道であり、さらにこの春の大衆動員の大がかりな計画に焦点を当てることである。

*シニストラ・クリティカ(批判的左翼)は、2007年1月、PRC(共産主義再建党)の少数派によって立ち上げられた。それは、プロディ政権への党の参加を拒否した。それは、バンディエラ・ロッサの同志たち、すなわち第四インターナショナルイタリア支部を含んでいる。(「インターナショナル・ビューポイント」電子版1月号)
ポーランド
炭鉱労働者のストライキ続く
              連帯が急がれる

              ジャン・マレウスキ
 ポーランドでの階級意識を持った労働者の将来にきわめて重要である労働組合の連帯が作り上げられなければならない。
 ポーランドの炭鉱「ブドリク」での占拠ストライキが12月17日に始まった。「ブドリク」はポーランドでのもっとも新しい炭鉱で、1994年に始まり、多くの産出量を誇り、他の炭鉱が、労働者一人当たりの平均が年700トンであるのに対して、1400トンの一人当たりの年平均量を産出し、巨大な利益を生みだしてきた(2007年には、最初の九ヶ月で利益は4500万ズロチ、言い換えれば、1250万ユーロである)。
 しかしながら、この炭鉱での賃金はすべてのポーランド炭鉱のうちで最低なのである。ほとんど全労働者がストに入り(2430名がこの炭鉱で働いている)、そして300人から400人のいくつものチームが、地下700と1050メートルの二箇所を選び占拠した。彼らはストライキ委員会を選出し、ストは自由労働組合連合の「8月80」と二つの地域労組の支援を受けている。「カドリク」と「ブドリク統一労組」である。ポーランドの新自由主義の政府は、国有資産である「ブドリク」を炭鉱会社のジャストレゼビーに併合しようとしている。この会社もまた、今のところは国有であるが、有限会社の地位を持ち、容易に私有化されるのである。
 これはポーランドの全炭鉱の私有化の始まりであり、ポーランド労働者の最も重要な組織的部隊の解体を狙うものである。もし政府が「ブドリク」ストライキを打破できるとなれば、ポーランドで生き延びてきたすべての労働者の権利が攻撃されることになる。「ブドリク」の経営陣は交渉を拒否している。スト参加者たちは今月の賃金を受け取っていない。経営陣は鉱夫たちを兵糧責めにしようとしている。そしてこのストライキを支援している唯一の連合組織である「8月80」は、スト参加者たちを支えるに足る財政的基盤を持ってはいない。
 われわれは、スト委員会からのアピールを受け取った。アピールはIVウエブサイトにある。それをさらに公にし、各労組に知らせ、そしてその結果としてポーランド炭鉱労働者への物質的、道義的連帯を作り出すことは極めて重大である。
 「ブドリク」ストのリーダーであるクリスツドフ・ラバズは、極めて良く知られた労働者活動家である。2年前、彼は他の八人の労組員と共に、ストライキを理由として「ブドリク」を解雇された。彼はこの時、他企業から解雇された労働者たちと共に、被抑圧労働者の支援、救援委員会(KPiORP)を組織した。この委員会はポーランド全土を巻き込むデモ隊を組織し、そして経営陣に被解雇労働者の再雇用を強制した。彼と同僚の労働者たちだけではない。ポーランドの諸地域の多数の労働者たちをも含めてである。

*ジャン・マレウスキはインターナショナル・ビューポイントのフランス語姉妹版、Inprecorの編集者であり、第四インターナショナル執行委員会のメンバーである。(「インターナショナル・ビューポイント」電子版1月号)
スパニッシュ・ステート(スペイン―編集部)
エスパシオ・アルタナティヴォ
連邦協議会、成功

 エスパシオ・アルタナティヴォ、第四インターナショナルの支持者たちも加わっている革命的組織、の連邦協議会は12月7〜9日、バルセロナで開催された。「闘う左翼のために」のスローガンの下、エスパシオ・アルタナティヴォのメンバーたちは3日の間、国際的、国内的な政治・社会状況をめぐり、また次期の組織的な目的と任務を討議した。
 良好な雰囲気での討論と同志意識の下で、協議会は政治的諸テーゼ、組織と規約に関する文書、およびさまざまな分野に関する諸文書を討議した。協議会は、過去3年にわたって達成されたエスパシオ・アルタナティヴォの統合を反映した。多くの会合参加者たちは始めての出席であり、そこで、より以上の「ヴェテラン」たちとの討論となった。会合への参加者たちにはまた、他の政治的、社会的諸組織の代表者たちが招待されており、それにはカタロニアおよびスパニッシュ・ステート(スペイン―編集部)の他の部分、モロッコ、フランス、ポルトガル、ウルグアイ、コロンビアが含まれていた。
 会合を大衆的な注目すべき出来事と特徴づけるため、協議会は「ヨーロッパにおける反資本主義左翼」のタイトルを付けた。講演者たちには次のような人々が含まれた。エスザー・ヴィヴァス(世界の革命―カタロニア)、ラウル・カマルゴ(エスパシオ・アルタナティヴォ)、ジョーゼ・ファルコ(左翼ブロック―ポルトガル)、およびフランソア・サバドがフランスLCRと第四インターナショナルを代表した。フランソア・サバドはフランスの状況、およびサルコジ政府の野蛮な反労働者的行動への抵抗を述べつつ、LCRの計画を説明した。新たな広範な左翼政党の建設、すなわち、それは反資本主義者、革命家、環境主義者、フェミニスト、そして国際主義者たちのものである、と。
 承認された政治決議は、新自由主義の世界化により脅かされている市民社会の危機の中で、社会主義的変革の可能性に現実性を与える目的を持って、現在的な諸闘争に関わることが出来る「闘う左翼」建設の必要性を提出した。
 エスパシオ・アルタナティヴォの次の目的は、
a)急進主義と連帯性に依拠しつつ社会運動に加わり、新自由主義への社会的抵抗を強めるために行動を続けること、
b)現在の政権である「社会・自由主義」左翼に対する対抗を進めることが可能であろう、スパニッシュ・ステートにおける広範な反資本主義の魅力的な極を作る活動を続ける、
c)諸闘争に加わり、エスパシオ・アルタナティヴォを強め、政治的輪郭と政治的・戦略的錬成を強化すること。
 協議会は質的前進の段階を示した。それは、スパニッシュ・ステートにおける革命的、オルタナティブ的、環境主義的、フェミニストおよび国際主義組織としてのエスパシオ・アルタナティヴォの新たな牽引力である。(「インターナショナル・ビューポイント」電子版1月号)
 
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