郵政民営化反対!小泉自公政権を倒せ!
   比例区は社民党・共産党に、選挙区は自公候補打破の投票を


 郵政民営化法案は、8月8日、参議院で賛成108、反対125の大差で否決された。自民党からは、22人の反対者、8人の欠席・棄権者が出た。小泉政権は命運をかけるとしてきた郵政民営化法案をつぶされたのだ。にもかかわらず、小泉は郵政法案を、僅差ではあれ通過させた衆議院を解散するという暴挙に出た。郵政解散と名付け、信任の国民投票だと言うのである。自公両党で衆院過半数を取れなければ辞任すると公言し、自党内の反対派議員には「刺客」を送り込むという手段で、「小泉劇場」を演出している。
 そもそも、自公両党は7月5日の衆議院で過半数を制したのであり、解散段階では過半数である。自公両党での過半数獲得は、数字的にはそれほど高いハードルではない。それを小泉は「背水の陣」という演技に出たのであり、まやかしのポピュリスト(人気取り政治家)の面目躍如なのだ。小泉は自公過半数であれば、郵政民営化法案を再提出し、成立させると言う。だが、参議院の構成は変化しないのであるから、衆議院での勝利が参議院に影響することを期待すると述べるだけである。その「影響」とは何か。小泉が今回採った解散と造反議員への全面攻勢は、いわば、自民党内部での独裁的権力を掌握し、反対派議員への圧力を強めるためになされているのだ。郵貯・簡保の解体を要求するアメリカ政府、そして日本財界の後押しを受けている小泉は、「自民党を壊す」ことの実践に入っているのである。その壊される自民党とは、戦後日本政治を基本的に維持してきた保守本流の政治―軽武装・専守防衛路線と地域・各階層の利害を調整・代弁し、各派閥の利害のバランスをとるやり方で政権を維持してきた自民党である。小泉の作ろうとする新しい自民党は、海外派兵を行い、弱者、地方を切り捨て、アジア諸国とのFTA(自由貿易協定)、あるいはEPA(経済パートナー協定)を結び、日本農業、労働構造を犠牲に日本多国籍資本の、東アジアにおけるフリーな経済活動を支援する政党である。そこには中国・韓国という膨張しつつある二国との覇権争いの意識があり、靖国問題や新しい歴史教科書の検定通過を支える思想的基盤がある。小泉の目指す自民党は、「大東亜共栄圏」の陰がちらつく自民党なのだ。
 こうした小泉とそれを支える公明党の連立政権を打破する―今衆議院選挙の焦点はここにある。



 民主党は、小泉郵政解散劇にまんまとはまってしまった。民主党は参議院での郵政民営化法案否決の主力勢力だった。政権交代、民主単独過半数を掲げる岡田民主党は、しかしながら選挙戦に臨んで、郵政民営化、すなわち、郵貯、簡保の段階的縮小を言い出した。明らかに付け焼き刃的なこの公約は、この党の主張と行動の一貫性を損ない、選挙戦における不透明感を増大させた。「官から民へ」資金を流す、というマニフェストは、単独過半数という誇大妄想的な目標を掲げ、それが実現しなければ代表を辞任すると、小泉をまねて見得を切った岡田民主党が、日本財界、金融資本に対して、自民党よりまし、と自己を売り込むことを意味している。その発想においては、小泉の郵政民営化と何ら変わらないことを自ら暴露した形だ。さらにこの党は、衆議院定数80削減や国家公務員賃金の2割削減という「小さな政府」論の内容を展開している。その意味で、民主党は新たな保守政党として、新自由主義の単独政権を目指しているのだ。
 だが、民主党は他方でイラクからの自衛隊撤退を12月に行うとも述べている。岡田民主党は、アメリカ民主党と結び、共和党ブッシュと小泉ラインと対抗する図式をここで打ち出しているのである。さらにアジアとの関係においては、「60年前の戦争の検証を政府が先頭に立って行う」とし、小泉との違いを打ち出してもいる。
 小泉がブッシュと組んでイラク多国籍軍に参加し、靖国参拝強行で韓国・中国との関係を悪化させたという現実がある。日本の多国籍資本が望むアジア諸国とのFTA、とりわけ隣国韓国とのFTA交渉は暗礁に乗り上げている。この点において、民主党はアジア諸国、とりわけ韓国・中国との関係改善を主張し、小泉との違いを強調しようとしているのだ。
 新自由主義のグロ−バリぜーションと「小さな政府」論ということにおいては、自民党も民主党も本質的な差はない。だが、東アジアとの国際関係の問題は政権の性格に深い影響をもたらすかもしれない。つまり、多国籍資本が先導しようとしている「東アジア共同体」が「大東亜共栄圏」の陰から脱却するためには、韓国・中国との深い連携を必要とするであろう。東アジアの平和が実現しなければ、「東アジア共同体」ははなから成立しない。韓国・中国をのぞいた「東アジア共同体」は、あり得ないからだ。今世紀のそう遠くない時期に中国と日本の経済格差は逆転するという研究が出されている。小泉や安部晋三の現在の路線では、日本は東アジアで「周辺国家」化してしまう。
 つまり、東アジア、とりわけ、韓国・中国との関係の深化は、日米同盟一辺倒で、それを背景にした排外主義的国家像とは両立することはないのだ。ここに、日本ブルジョアジーの矛盾があるだろう。民主党はアメリカともアジアとも良好な関係を築くと打ち出しているが、それが小泉路線との本質的違い、すなわち、民主党的なものを乗り越えて進む、日本政治再流動、再編につながっていく可能性も内包しているのである。



 今回の衆議院選挙は、小選挙区、比例代表並立制の下で、少数政党にはさらに厳しい選挙となる。だが、今まで述べたように、「東アジア共同体」を目指す多国籍資本の動きは、本質的に矛盾に満ちたものだ。日米同盟の下か、それから離脱していくのか、大きな選択肢が準備されている。この歴史的選択肢は、保守二大政党という枠組みに大きな打撃を与えていくことにもなるだろう。そうした歴史的変動という将来に備えるためにも、労働者政党である社民党、共産党を支えていかなければならない。もちろん、この両党が20世紀政治のしがらみから脱却し、民衆に開かれた政党へと脱皮していくことを期待してのことである。「小さな政府」論に抗し、経済格差拡大、公共サービス切り捨て、サラリーマン増税、年金破壊、憲法九条改悪という動きに反対する政治勢力を支えなければならないのだ。
 従って、われわれは、比例区では、社民党・共産党への投票を呼びかける。しかし、この両党は選挙区では社民党は候補者が少なく、共産党も全選挙区には立てていない。選挙区においては、小泉自公政権打破のために有効な投票行為を行うことが必要となると考える。

05年8月21日 国際主義労働者全国協議会第17回総会
 
    ホームへ戻る トピックスへ戻る