EU・ヨーロッパ反資本主義左翼(EACL)会議声明
EACL、5月に「パリフォーラム」を計画


 EACL評議会は、2005年11月26、27日にロンドンで会議を開催した。ここで評議会は、フランスとオランダのEU憲法案国民投票の否決が生み出したヨーロッパにおける情勢を吟味し、既成勢力の代わりとなり得る活動的な急進左翼がヨーロッパ規模で登場する必要性を、改めて確認した。それ故評議会は、自身の活動水準と民衆内部での存在感を、1段引き上げることを決定した。その最も注目すべき手始めとして、ヨーロッパ急進左翼に向かう討論のためのフォーラムとして、今年5月、パリで幅広い研究集会の主催に努めることを提案した。

EACLの声明

(1)
 フランスとオランダにおけるEU憲法案国民投票の結果は、EUの新自由主義構想に対する大打撃となった。EU憲法案は死に、EUの正統性は今や危機の中にある。憲法条約案は、中道右派と中道左派双方のヨーロッパ諸政府によって擁護された新自由的課題を統合したものだった。
 この案は、企業とその株主の利益のために50年代以来続けられてきたEU建設の非民主的な方法から生まれている。したがってこの条約案に対する民衆的拒絶はまた、国家段階またヨーロッパ段階双方における新自由主義的計画に対する民衆的拒絶、それをも意味している。しかし我々はまた、自由市場政策を移植しようとする圧力は、ヨーロッパ、アメリカ、中国、これらの地域の資本間に生じている競争の結果としても強さを増す、ということを認識している。
 そうであるからこそ我々は、さらに進んだ私有化の画策、ドイツ、イギリス、さらに他の諸政府による67歳への定年引き上げ提案を手段とした年金への攻撃、そして社会福祉事業や保健や教育に対するもっと激しい攻撃などを、今目にしている。しかし同時にこれはまた、例えばベルギーやフランスやイタリアの最近のストライキ、それに加えたイタリアの学生による抗議と占拠闘争などが鮮明に示すように、数々の抵抗をも引き起こし続けている。

(2)
 急進的左翼はこの間選挙での成功を得続けてきた。最も最近では、デンマークとイギリスの例があるが、中でも注目すべき成功は、ドイツの総選挙における左翼党の躍進だ。この成果は、ドイツ左翼の統一した運動の結果だった。第2次世界大戦後においては初めて、左翼の殆ど全てを網羅する幅広い連合が新たな左翼党を支えた。そこでは、新自由主義政策との議会内外における闘いを調整するための、左翼党と社会運動間の対話が始まっている。
 新政府が既に社会システムにおける新たな酷く苦痛に満ちた切り下げを公表した以上、先の対話は急を要している。ドイツの左翼勢力は、3月の共同行動日を手始めとして、新たな新自由主義政府の諸政策と脅しに対する統一した運動を今準備している。 彼らはまた、2007年のG8に対する抗議行動に向けた幅広い連携を準備中だ。そしてヨーロッパ規模の統一した結集を呼びかけている。
 EACLは、ヨーロッパの最も強力かつ重要な社会民主主義政党内における分裂が大きな意味をもっていること、さらにそれが、社会民主主義の危機の更なる発展、並びに左翼的代替勢力建設におけるより1層の前進を記すものであることに留意している。

(3)
 EU権力の中心部は、彼らの新自由主義政策、並びに勤労民衆の以前の世代が勝ち取ってきた社会的成果の破壊、これらの推進に関して決意を固めている。我々が直面する攻撃の1つは、年金への攻撃と定年延長画策だ。そして、その主要な目的がEU諸国家全体で賃金を切り下げ、労働における諸権利を後退させることにある「サービスに関する指令」(ボルケシュタイン指令として周知の)が、民衆階級と大企業間のこの衝突に対して本質的重要性を加えている。
 我々は、東欧から導入される労働者を西欧の労働者に対立させ競争させようとする、そのような分断統治政策を拒否する。我々は、ヨーロッパの中で最悪の諸条件を受け容れるよう迫られる、そのような「底辺に向かっての競争」を拒否する。この指令は、WTO−GATS協定に、さらに2000年のEU評議会で合意され、2005年に改訂された新自由主義のヨーロッパをめざすリスボン戦略に由来する。このことに我々は留意する。そこにおいて全ての国の労働者は、その出身地を問わず現に今いる国家の市民として、同じ権利と賃金を得る資格を与えられているのだ。
 我々は、この大陸全てで、生活できる賃金に基づく仕事を全員に確保させるような行動と政策を調整するための、ヨーロッパを横断する労働者運動を強く主張する。統一した我々は全員のための成果を得ることができるが、分裂した我々は、全員が「底辺に向かっての競争」の中で競争することになるだろう。今回のEACL評議会に参加している諸組織、諸政党、諸運動は、2006年の始まりに計画されている「サービスに関する指令」−ボルケシュタイン指令反対の諸行動を推進し、そこに活力を持って参加する。それはまさに、これらの指令を審議するためのEU議会を標的とする行動となる。

(4)
 新自由主義の諸政策と社会的諸権利に対する諸攻撃は失業と貧困の増大と等しく、それはまた同様に、不安定性と低賃金の増大に等しく、特にそれは女性と若年労働者に当てはまる。人種差別と若者に対する警察の挑発的な振るまいを伴った、貧困と希望の欠如というこの状況こそ、この月にフランスの諸都市郊外で爆発した暴動の背景だ。
 フランス政府と政治的エリートの唯一の回答は、さらに度を高めた抑圧でしかなかった。そこには、アルジェリア民衆を攻撃する植民地戦争が展開された1955年に通過した法に基づく、非常事態制度も含まれていた。この法は、市民の自由の凍結を可能とし、外出禁止を強制するために警察と知事にデモと集会を禁止する権限を与えている。

(5)
 貧しい者と移民に敵対する戦争は、社会的問題に対する回答とはなり得ない。ここ数ヶ月の中で我々は、セウタとメリラにおける衝突や、ランペデューサ、シシリー、マルタにおける難民の拘留という姿で、ヨーロッパの地中海地域国境のより一層の軍事化を目にしてきた。我々は、リビアの拘留センターへの難民追放というような政策を拒否する。殆どのEU諸国では、2001年の9月11日以来、「テロとの戦争」を口実として、市民の自由に敵対する新たな諸方策が通過させられてきた。
 ここ数ヶ月我々は次のようなものを目にしてきた。それは、ヨーロッパ諸国における、我々の権利を制限する法律の次々と続く成立、CIAによる拷問に対する承認、東欧における非合法な拘留センター設立などであり、そこには、人質を先のセンターや、バグラムとグァンタナモの収用所に送るために、アメリカの航空機がEUの諸空港を利用してきた事実が付随している
 我々は、いわゆる「文明間の戦争」と、この政策の底にあるイスラム敵視の偏見を拒絶する。我々は改めて、戦争と人種主義に対する反対を、また人権防衛に関する我々の誓約を、そして「ヨーロッパ要塞」に対する我々の拒否を繰り返す。

(6)
 EACLは、戦争、並びにイラクとアフガニスタンに対する占領に反対する運動の分かち合えない部分である。我々は再度、これらの占領を終わらせること、さらに帝国主義への抵抗、これらに対する誓約を繰り返す。中でも我々は、NATOの傘の下でのアフガニスタン占領における、ヨーロッパ諸国家の役割拡張に反対する。再度我々は、NATOと類似の軍事同盟全てを、ごみとして捨てる決意を再確認する。

(7)
 世界的公正を求める運動は、新たな世界的な抵抗の推進力である。それこそ、EACLへの参加者としての我々が、マリとベネズエラで開催される来る世界社会フォーラムに出席する理由だ。我々は、アフリカとラテンアメリカ双方における新たな左翼と諸運動との我々の結び付きを、共に発展させる。
 我々は特に、私有化に抵抗する中でボリビア民衆が成し遂げた成功、民衆の利益を図る国有化要求を通した彼らの自然資源の奪取、ベネズエラにおける発展中の革命、そしてブラジルにおける新たな左翼の興隆に敬意を表する。さらに我々は、アテネの来るヨーロッパ社会フォーラムにも3加し、そこで我々の行動を調整する。
 我々は、我々の諸権利、我々の諸条件、そして我々の未来への攻撃に対して抵抗するだけではなく、戦争ではなく平和、競争の代わりに連帯、抑圧ではなく平等、そして搾取ではなく公正、これらに基づいた現在の代わりとなる社会の発展に力を貸すことに献身する。それ故に我々は、フランスの国民投票1周年の際に、社会的公正のヨーロッパの創出を検討するためにパリに集まることを提案する。この企画は、搾取され抑圧された者達全ての3加と関与を力付けるべく考案された研究集会となるだろう。
   2005年11月28日、ロンドン
 左翼ブロック(ポルトガル)
 ドイツ共産党(ドイツ)
 オルタナティブ空間(スペイン)
 オルタナティブ統1組織(カタルーニャ)
 革命的共産主義者同盟(フランス)
 赤・緑連合(デンマーク)
 レスペクト(イングランド、ウェールズ)
 スコットランド社会党(スコットランド)
 社会党(イングランド、ウェールズ)
 社会主義労働者党(イングランド、ウェールズ)
 連帯S(スイス)
注)EACLは、政治討論と実際の行動を調整するために、ヨーロッパ全域から一定の範囲の幅広い諸政党を結集している。

 


 
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