声明―(レバノン)革命的共産主義グループ
ゲームのルールを変えるだと? そのままにしておけ!

 現シオニスト政権は、ヒズボラの戦士達が最近敢行した「誠実な約束」作戦に対する応答として、多数の非武装市民の殺害と、以前何度も破壊を受けた生活・生産基盤の破壊にまた手を染めた。彼らはそのことによって、ゲームのルールを変え、レバノン民衆に非常に厳しく繰り返された犠牲を再び払わせようと狙っている。
 これを達成するために彼らは、彼らがもつ圧倒的な軍事力に留まらず、アラブの公式政権を含んだ国際的な共謀をも当てにしている。その共謀は極度に破廉恥であり、しかしあからさまである。この共謀は、いくつかのヨーロッパの政府とアメリカによって、しかしまた、アラブの諸政権、特にサウジによって行われている。サウジは、かのイスラム抵抗運動には「後先考えない冒険」に対して「全面的な責任」がある、「彼らはその冒険が生み出した紛争の結末に単独で向き合うべきだ」、と考えた。この破廉恥な立場は、その後、エジプト大統領のムバラクとヨルダン王のアブドゥラ2世によっても、共同声明の形で受け継がれた。
 現在の情勢は多くの方向に展開する可能性がある。現情勢は、以下に見るような数々の想定、結論、傾向を考慮することを要求している。
1,
 「誠実な約束」は、晴れた空の稲妻のように前触れもなく出てきたものではなかった。イスラエルはこれまで、空や海から、レバノンの主権に対して日々攻撃を加えてきた。イスラエルの牢獄には今も多くのレバノン人投獄者がいる。何10人もの殉教者の亡き骸が彼らの両親の下に帰ってきていない。イスラエル軍はガザ回廊爆撃を続け、ガザと占領された西岸でパレスチナの市民を殺害し、活動家と戦士を暗殺している。その口実は、イスラエルの監獄にいる拘留者と交換する取引を目的に回廊境界でパレスチナ組織が拉致した、ジェラード・シャリットという名の兵士を取り戻すというものだ。
 イスラエル兵2名の拉致に成功したヒズボラ戦士の、上記の過程最後を飾る作戦は、公式アラブ政権の恥ずべき立場に出迎えられた(それ以前にパレスチナの組織も同じ目にあっていた)。この作戦は、パレスチナ民衆の闘争に対する、また彼らの苦痛と悲しみを取り除くための、事実上(殆ど)唯1の輝かしい連帯運動を意味している。同時にその作戦は、シオニストの牢獄にとらわれた、レバノン人投獄者並びに彼らのパレスチナとアラブの同志達の運動に対する忠誠を意味している。
2.
 ただ兵士のみを目標とした今回の作戦に特徴的だった人間の尊厳に対する尊重を直視するならば、我々は、世界の帝国主義と結び付いた当地の右翼勢力から聞こえてくる声に、卑劣な精神を指摘せざるを得ない。彼らは、イスラエルとのいかなる形の対立をも極めて用心深く避け、その物質的利益と、観光産業において今年の夏期待されていた何1000000000ドルにのみ目を向けている。この卑劣な精神は、いわゆる「3月14日連合」の著名人の多くが明らかにした発言と、特に首相のフアド・サニョーラと彼の政府の声明にに示されていた。これらの声明と演説は、先の作戦とのどのような連帯とも距離を置くものであった。しかしそれはさらに、その作戦とそこへの3加者を非難していたようにも見えた。そして、全レバノン領土に対するレバノン軍支配の完成を呼びかけていた。その呼びかけは、占領に対決する上での抵抗運動の役割に終止符を打ち、国連安保理決議1559の内の未だ手が着いていない項目を履行する形で、抵抗運動の武装解除に関わることを暗に意味していた。これらの表明は、レバノン民衆に対してイスラエルが発動した破壊的戦争に正面から向き合って、国が最大限の連帯と統1を必要としているまさにその最中になされている。それは、彼らの利益に合致し、さらに彼らのご主人の利益に合致する形に、政治的、社会的、経済的均衡を逆転するために時を合わせて使うよう準備された、何度も繰り返されてきた同じ筋書き、即ち「トロイの馬」の筋書きそのものだ。
 これら全てに対応するためには、最大限の政治的、民衆的戦線―抵抗運動の戦士達が成し遂げた英雄的行動に対する連帯における―を結集するための途切れることのない努力が必要だ。その連帯は、当地の、アラブの、そして国際的な圧力に従うことを拒否し、ヒズボラの書記長が公表した条件に従う場合を除いて、2人の拉致兵士引渡しを拒絶する連帯だ。基本となるものは、イスラエルの戦争目的を挫折させることであり、ハーレッツ紙上でイスラエルの軍事評論家、ツャイフ・シフの予想したものに向かう道を切開くことだ。そこで彼は「今回の対立でイスラエルがもし敗北するならば…この地域におけるその戦略と軍事的立場は変化することになろう。そしてイスラエルの戦争抑止体制は、ゲリラ攻撃とロケット兵器を前にぐらつくことになるだろう」と書いている。
3.
 多くの人々の虐殺を伴いつつ、生死に関わる生活・生産基盤に対する破壊を継続できるイスラエルの現在の、また殆ど絶対的な能力は、特にイスラエル空軍に対する対空砲の欠如に依拠している。これは、特に世界の友好的な勢力を通してこれらの兵器を装備するための、今からそして可能なあらゆる方法で始められるべき挑戦を要求している。
4.
 今回の戦闘は、その背後に帝国主義の西側の同盟者達が控えているイスラエルの侵略と戦うことを、我が人民が課される唯1のものとなることはないだろう。これは何よりも先ず抵抗闘争に、現在の宗教的な側面を越え、全般的な民族的側面の回復に向かうことを求めている。そしてそこでは平行して、イスラム抵抗運動との深い協力と合意の雰囲気の中で、民族的かつ進歩的な勢力がもつ最大限に広範な視点の抵抗運動への登場が求められる。
5.
 アメリカに対する不満に関する限り、安保理内勢力均衡の現実とその内部におけるアメリカの絶対的な影響力がどうであれ、レバノンは、1方ではイスラエルの侵略の即時無条件の停止を、そして他方ではこの侵略が引き起こした人間的なまた物質的な損害に対する全面的な補償要求を主張しなければならない。
6.
 その上で、公式アラブ政権の帝国主義に協力的な弱々しい立場に対する、特に抵抗運動にあからさまな敵意を見せ、イスラエルの侵略との事実上の協力が明らかな、サウジへの対応という最も緊急を要する必要がある。そこにおける手段は、それら全ての諸国のアラブ大衆へ、シオニストの侵略と抑圧に対決するパレスチナ民衆並びにレバノン民衆の抵抗に対する心からの連帯という形で、彼らの政府に対する怒りと批難を表現し街頭を埋めるよう呼びかけることである。
 彼らは、エジプト、ヨルダン、モーリタニアの政府を強制してイスラエル承認を撤回させ、イスラエルとの関係を完全に断ち切らせるよう、またイスラエルとの間で様々な種類の結び付き、協定さらに正常化法を交わしている他の政府を強制してそれらを終わらせるよう、彼らの活動を発展させなければならない。
 アラブ諸政権の怠惰があるからといって、シリア政府を容認するわけにはいかない。その高官達は今回の厳しい衝突において、レバノン民衆にいかなる実のある直接的支援も行うことなく、単に言葉だけの意味のない支持を与えただけなのだ。
7.
 イスラエルとの闘争は、抑圧と覇権と搾取を体現する勢力全てに対する闘争の本質的な1部である。このことに対する理解から出発することは、世界の自由な人々と資本主義的グローバリゼーション並びに戦争に反対する勢力に、イスラエル並びにテルアビブの将軍達が進めている現在の戦争に反対し、レバノン民衆とパレスチナ民衆との真剣で活動的な連帯を築き上げることを求める。解放と主権と公正な平和を求める2つの民衆の闘争と彼らに対する連帯を示す世界的で真正の国際的連帯が形成される限りそれは、イスラエルという占領と侵略の国家が直面する血だらけの窮地をさらに困難にし、その終わりに向かう始まりに向けて口火を切るきっかけとなり得る闘いである。このような展開においてゲームのルールは真に変わるかもしれない。しかしその場合は決してイスラエルの利益に適うものではない。(2006.7.15)

注)革命的共産主義グループはレバノンにおけるFIシンパ組織。



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