クラシック
前回の「アイコン」の中で、classicを使って往時を偲ぶことが
出来ると書いたのですが、plus以前では、ソフトが軽かったので、それほど非力と強
調するのは如何なものか、とゆー御指摘を頂きました。そこで、ちょっと調べてみた
トコ、その通りみたいです。plusの時代では68000は十分なパワーがあったようで、
リサ(いやMacintosh XLというべきかな?)よりもパワフルなんですね(^o^)。
慎んでお詫び申し上げますm_( )_m。
そーゆー訳で、68000の汚名は雪がれたのですが、classicを調べていると、1つ疑問
が生じてしまいました。classicはSE/30などが販売終了後に販売を始めた訳ですが、
なんでアッ◯ルはclassicを世に送り出したのでしょう?
アッ◯ルの主張は、低価格のマックを供給することにあったんだそーです。当時
の価格をみてみましょう。classicがハードディスク付きのタイプでおよそ30万で
す。classicの前に販売が終了したSE/30がハードディスクにメモリを4Mで、およそ
75万です。デスクトップ型では前年にIIciが販売されていて、ディスプレー込み
で、およそ110万ちょっとです。SE/30は前年になりますが、全て1990年の価格で
す。どっひゃあー!当時のsnowdogが検討どころか選択肢の中にさえ入れられなかったの
は当然のお値段ですねー。確かにこれらと比較すると低価格モデルといえるでしょう。
でもちょっと待って下さい。同じ時期に、IIsiが70万ほどで、低価格カラーモデルと
してLCが約40万ほどで販売を始めてます。普通の人だとLCを購入するよーに思いま
せんか。classicの前年までplusを販売してたのに、何故、同じスペック?とは思いま
せんか。確かにplusには色々な不満はあったでしょうが、それならほぼ同じスペックの
新モデルを魅力に思うユーザーは少なそうに思えます。しかもclassicが出た時期では、
68030搭載マックが出
ちゃってるので、十分にソフトは重かったでしょう(^o^)。新モデルがないと販売に悪
影響が出る、とゆーのはわかるのですが、LCやIIsiなどのモデルが出てるのですから、
なにも無理してclassicを出す必要はなかったように思えます。さらに、当時のsnowdog
は某国民機の32ビットモデルを使用していましたが、この時期は、16ビットから
32ビットCPUへの移行の時期です。つまり、classicは出た時点で時代遅れです。だから
classicなのでしょう。なにも性能までクラシックでなくてもよいとは思うのですが(^o^)。
classicを購入した人はどんな人でしょう。classicとはいえ、机で作業するでしょう
から、きちっとしたのが良ければ、IIciでしょうね。ただ、お値段が高すぎますから、
次善の選択として、IIsiかLCでしょう。LCのお値段はclassicと近いのですから、ちょっ
と無理してもLCを購入するのではないでしょうか。LCは結構コンパクトですし、68020
で、しかもカラーですからね。じゃ、何が何でもコンパクトマックがいいんだーって人
はどうでしょうか。前年までSE/30を販売してるから、その手のユーザーは既にこれを購
入している可能性は高いですよね。そうでなかったら、plusを所有していそーなもんです。
classic IIならわかりますが、SEやplusからclassicに買い替えるとゆーのも、酔狂な話
でしょうから、どうも普通のコンパクトマックのファンでもなさそうです。考えれば考えるほ
どclassicが対象とするユーザーがイメージできません。コンパクトマックでなきゃ
だめで、しかもSEやSE/30、plusを購入できなかった人ですか?パソコンが必要で、パソ
コンに回すお金に余裕がない人っていったら、90年度に大学へ入学したり就職した人
あたりでしょうか。この人達がメインターゲットなのでしょうか?うーん、90年度っ
て、その為に新しい機種を開発して元がとれるほどそのような人が多いんですかね?ユ
ーザー層の拡大っていったって、classicが魅力的に思える十二分な性能を持ってるのか
疑問ですよね。
アッ◯ルもそのように思ったみたいで、翌年にはclassic IIが発売されてます。
classic IIはコプロこそ付いていませんが、68030で、メモリも10Mまで搭載できます
から、結構使えますよね。classic IIならplusのユーザーやSEのユーザーにもアピール
できて、買い換え需要も見込めますよね。classicからclassic IIへのアップグレードも
13万で出来るのですが、始めからclassic IIを販売しててもよかったんじゃないでしょ
うか。classic IIはおよそ1年半近くの間販売されましたが、classicは1年未満の販売
期間です。性能が著しく上昇してた時期でしたから、classic IIは十分に健闘したといっ
てもよいでしょう。もしclassicがclassic IIのスペックでclassicの時期に販売されてい
たら、LCなどとの相乗効果で、アッ◯ルが、市場シェアを拡大するのに、大きな力となっ
たに違いないと思えます。
アッ◯ルの開発したモデルは長期間販売できず、結果的にその場限りに
終わったモデルが結構多いみたいです。同じ機種が多く売れるほど調達や製造コストが量産
効果で安くなり、利益も多くでるようになります。販売店にとっても、旧モデルになる危険
性が低くなるので商品のストックも安心して多くできますから、注文があってもすぐユ
ーザーへ商品が届けられます。この後では性能アップや低価格化の競争が、ひどく激しいも
のになってゆきました。新機種の設計やスペックの決定は困難になりますが、先を見越して
長期間販売が可能なモデルであれば、少々高めのお値段でも、えいやっと購入に踏み切れ
ますよね。反対に、ちょくちょくとモデルチェンジがあった場合、ユーザーには、いつ購入
すべきかの時期を判断するのが難しいでしょうし、販売店でもリスクを避ける為に初回の注
文を少ないものにする必要がでてきます。さらに初代やplusでもあったようですが、販売機
種の増大と同時に、マックを注文しても、商品が届くまでにかかる時間が大変長くなってゆ
きました。その後の最悪の時では、注文した商品がユーザーに届くまでの時間と、次のモデ
ルが発表されるまでの時間の差が限りなく0に近付いてゆきました。アッ◯ルは商品の販売
不振が、そのモデル固有の問題であると考え、闇雲に新モデルを続々と開発して、商戦に投
入してい
きました。その結果だと思うのですが、製造工場でも混乱などが起こったのでしょう、十
分な数の製品が市場にはゆきわたらなかったようです。結局、アッ◯ルは自身の体力とシェ
アを削いでいったように思えます。アッ◯ルが「classic」の名前を使う為だけに100万
ドルを払ったとゆーのは有名な話ですね。classicの販売で、100万ドルを越す純益を得た
のでしょうか。やっぱり、classicをplusと比較するのは間違いのようです。plusは文字どお
り、アッ◯ルの利益にプラスでしたが、classicは、さて、どうなんでしょう。
クラシックというと、貴族や時の権力者が、お抱えの音楽家達に創作させたケースが多い
みたいです。アッ◯ルはワーグナーを好んだある権力者のように、市場での勝利を夢見て、次
々と新機種の開発を行ったのでしょうか。そして、購入した人達も、世間の慌ただしさから逃
れて、典雅にマックを操っていたのでしょう。残念ながらsnowdogには、優雅に「ニーベルン
グの指輪」を堪能するような余裕は持ち合わせてません(^o^)。