野村のコマーシャルと日本映画
ここのところMacのお話ばかりだったので少し違う方向で行ってみましょう。ネタが切れた訳
じゃないのですが、あまり同じものばかりだとsnowdogもあきてしまうものですから、ちょっと休憩かな?
昨日テレビをみて気がついたのですが、野◯証券のコマーシャルパターンが変わりました
ね。前のパロディのファンだったので少し残念です。恐らく制作者の趣味ではないかと思いま
すが、轟警部がとってもよかったので、無理とは思いますが、石坂さんにも出演して欲
しかったと思ってます。えっ何の話?と思う人が多いのならコマーシャルパターンの変更は正
しかったということになるのですが、どのように思われますか?あのコマーシャルは市川昆監
督の大映時代の金田一シリーズのパロディだと思います。やっぱあの「轟警部」の「ヨシッ!
解った!」の台詞は間違い無くあのシリーズの轟警部の決め台詞(?)です。snowdogはあの
シリーズがとても好きで、テレビで放送される際には可能なかぎり見ています。推理小説の
ファンの方にはあのシリーズは面白くないかもしれません。だって映画が始まって10から
20分で犯人が分かってしまいますもんねー。少なくとも一回みたら後の別の作品をみても
犯人に当たりがついてしまいます。それをなんとかしようとした角川の作品はsnowdogはあまり
好きではありません。「獄◯島」に至ってはなんじゃこりゃ?と思って見ました。
さて、どうしてこのシリーズが好きかというと、この市川昆監督の金田一シリーズは
「ホラー」や「推理」に分類されるものではなく、「悲劇」に分類される(またはされている)
と思うからです。また、脚本や演出が、とても丁寧で、悲劇にもかかわらずとても優しい
タッチで描かれていて、最後に金田一が別れを告げる時にホッとするとこが、とっても気に
入ってます。細かい部分に注目すれば、出てくる人たちが昭和20年代のひとらしい動きを
しているように思います。例えば、座敷きで正座して出演者同士が挨拶する際に、なんども
なんども頭を下げるといったさり気ない所でそんな雰囲気がします。おじいさんやおばあさん
が座敷きなどであいさつするときに、なんどもなんども頭を下げるでしょ。あの時代の人の
普通の習慣だと思うのですが、それが、ちゃんと表現されていて時代を感じさせます。
そんなとこは小道具や服装だけでは無理だと思うのです。なんか服や小道具は昔なんだけど、
あれ?って思うものよくありますよね。また、内容も運命の恐さとか悲劇の悲しさが、優しい
けど、なんとも情感豊かに描かれているように思います。
基本的に皆普通の人たちで、けっして悪意がある訳ではなく、例えば犯人やその周辺の人達も
よかれと思って行った行為が悲劇に結びつくといったところが切ない感じがするように思いま
す。たしか原作者の横溝氏に了解をとって「推理」を「悲劇」として表現したはずです。
これらの作品では、金田一と同じくらい、またはそれ以上に轟警部が重要な出演者ではな
いかとsnowdogは思っています。もちろんお約束どうり、彼の推理はまったく役立たずで、最初
は必ず金田一をうさん臭く思っているらしく、やたら噛み付きます。それが作品の最後で悲劇
を見届けた者として、犯人(普通死んでしまってる)や周囲の人達に思いやりを示し、金田一
にさりげない感謝と労りをみせて、作品は終わります。この轟警部の存在が、暗くなりがち
な雰囲気を明るくし、悲しい悲劇の後にほのかな希望みたいなものをしめしてくれるので、
彼なくしてこのシリーズは語れない、と思ってます。今回の野村のコマーシャルでも
金田一以下の出演者、その全てが違う役者さんでも、轟警部が同じ役者さんなので、市川昆監督
のシリーズを思いだして楽しい気持ちにさせてくれます。
さて、ここまでsnowdogらしからぬ甘口の内容ですが、当然のことながら辛口モードに
入ることにしましょう。映画って見に行きます?特に日本映画見に行きます?snowdogはまず
日本映画は見ません。1、2例外で見に行ったものもありますが、まず映画館ではみません。
何故でしょうか。人によって違うと思うのですが、snowdogはわざわざ映画館で見る理由が
ない、というのが理由です。日本を代表する監督として、また、あまり「げいじゅつ」に走ら
ない、といったところで、山田監督や大林監督、市川監督をあげてみます。これらの
監督はsnowdogが好き、または作品を評価している監督で、他にもすばらしい監督は
いらっしゃいます。さて先にあげた監督の作品は、snowdogはすばらしいとは思うのですが、
映画館へ行けと言われたら NOと言います。だって映画館で楽しむには不向きじゃないかと
考えてます。
先の金田一シリーズもトラさんも大林監督の尾道シリーズも、snowdogはレンタルビデオを
借りて、家でグラスでも傾けながら(トラさんは日本酒だな)見たいですねー。まさか
映画館でグビグビとやるわけにもいかないし、例えばトラさんのアップを映画館の大画面で
みたいとおもいますか?snowdogはこれらの作品はテレビの画面で十分です。(というより
積極的に映画館ではみたくないっす。)日本映画が元気がないと言われて久しいですが、そら
そうだと思います。だってテレビがなかった時代の映画の役割をいまだにやってるんだもんね
ー。映画館へ行くことの意味をちょっとは考える必要があるんじゃないかと思います。映画に
行くかどうかは作品の善し悪し以前に、映画館向きかどうかを考えんとねー。日本映画では
アニメだけが元気がいいといわれますが、当たり前、多くのアニメの作家や監督はテレビ出身
またはテレビと関わりが深いので、映画を作る時テレビではできないことに力をいれてるよう
に思います。あとねー、映画評論家って、なんかフランス映画のファンみたいな、とかどっち
かというと芸術性を重んじるとゆーか、そんなタイプの作品が好きそうな人がおおいでしょ。
でもねー評価する人が多い程、普遍性があり、芸術の偉大さが高いと思うんです。だから、
観客の少ない作品は芸術としても価値が低いのじゃなかろうかとおもいますねー。
見るヒトが少ないというのは、内容が高度なのではなく表現が下手なせいだと思うので、
少なくともプロフェッショナルな人が言い訳にするのはいかがなものか、と考えてます。
参考にするのは良いとおもいますが映画オタクの意見をとりいれたらアカンでしょ!
あと、「某女優の体当たり演技」が話題になるのもどうかと思います。これはなんか悲しいも
のがありますね。snowdogがひいきにしている女優さん達がそんな「体当たり」をしてくれない
ことを祈るばかりです。だって大抵の場合「体当たり」はカミカゼだったり、そうでなけりゃ
R指定向きになっちゃうことが多いように思えるのはsnowdogの気のせいでしょうかねー。
まあsnowdogはそのての芸術がわからないから、どうでもいいことなんでしょうけど。
さて、織田さんと松島さんのホワイトあーたらはまだ見て無いんで評価できないので
置いておくとして、近年日本映画で映画館に行く価値のある映画を一つあげるとしたら、snowdog
は「ガ◯ラ2」をあげます。かなり引いてしまったかな?でも面白いっす。知人が子供をつれ
て見に行って、子供だけでなく親も夢中になった。とても面白かったというので、snowdogも
見にいきました。大画面でないとこれは楽しめませんねー。崩れるビル。叫び声をあげる怪獣。
うーむ迫力満点です。あと怪獣映画にも関わらず人間の動きも楽しめました。特にまあ時代の
影響もあるんですが、自衛隊がかっこいいんですねー。戦う自衛隊というよりは災害救助に
向かう時の自衛隊の雰囲気が出ていて、こんふうな自衛隊であって欲しいなと思わせてくれ
ました。つつけばヤバイとこはあれこれとあるのですが、◯ジラの場合の敵役で、たよりになら
ない自衛隊じゃなくって、かなわなくても最後まで努力して一人でも民間人を救助しようと
するところが、なんか災害救助の延長といった感じで、阪神大震災などで活躍した自衛隊を思い
出してかっこよかったです。「◯メラ2」は面白かったので、「ガ◯ラ3」も見にいったの
ですが、あれはどうも......snowdogの好みではないです。
映画館というのを意識する監督や作家が日本にもでてきているように思えるでちょっと
先行き楽しみな気もします。ただ、snowdogは「タイ◯ニック」が大反響を得ている時に
「スターシッ◯トルーパー」を見ているようなアホなので、あまり一般的な意見じゃないかも
しれませんけど。