PowerPC
マックのスタートはモト○ーラの名チップ68000をCPUと
して採用することで始まりました。このチップを採用したのは、良い選択だと
思いませんか?ああ、マックユーザーはCPUと言わないでMPUと表現しますね。
まあ、どちらでも良いのですが、ともかくマックの歴史は、この68kシリーズを
もとに発達してきました。その時代の化石が、snowdogの部屋で、出番待ちして
ます(^o^)。
さて、一連のモト○ーラ社のシリーズに代えて、PowerPCに現在は移行して
います。PowerPCが発表されたころの印象を覚えていらっしゃるでしょうか?
snowdogはハッキリと覚えています。あれは、93年のことだったと思います。
アッ○ルとモト○ーラの共同開発は別に驚きませんでした。だって、アッ○ルは
モト○ーラのブランドイメージを支える主なメーカーの一つですからね(^o^)。
ですから、何に驚いたかといったらIB○との共同開発でした。だって、あの
I○Mですよ。
なんといっても、企業の影響力では、誰にも負けないでしょう。チップから
OSまで、一貫して製造できるのです。60年代は文字通り世界を支配して
いました。なんたって、この企業の製品が、軍事バランスを支えていたのですか
らね。パソコン市場では弱いといっても、そのパソコン自体がI○Mの「互換機」
なんですし、パソコンより上の部分、つまりサーバーやデータベースといったオ
フィスコンピュータの分野では、その存在感はおしてしるべし、です。そのI○M
が加ったということは、I○Mの製品として、端末からサーバーまで製品の中に組
み込まれるとゆー訳です。当時のsnowdogは国民機でUNIXモガキをしていました(^o^)。
雑誌でこの話を見た時、次はx86とPowerPCの戦いだなーと思いました。アッ○ルの
ファンには悪いのですが、IB○とモト○ーラのタッグが、イ○テルを筆頭にし
たx86組に挑戦するという出し物が、世間をあっと言わせたと思います。
その時に出されたロードマップの中で、最初に製品化されるとして、チップ
コアの写真が載った製品は、嬉しいことに、ココにあります。PowerMac 7200です
が、CPUは601です。やっぱりあこがれた製品とゆーのは、愛着がわきますね。
まあ、CPUに愛着を感じるのもなんですが、Powerとアーキテクチャを共有すると
こが嬉しいですね(^o^)。
アーキテクチャの変化という大問題も、この2大メーカーの提携ということで、
少なくともCPUの成功は保証されていると思われ、PowerPCに移行する際のリスクや
信用不安の問題をなんとかすることが出来たといってもいいでしょう。この時点の
アッ○ルでは、その後に引き起す数々の失敗や、ユーザーに対する約束反古といっ
たものは、あまり顔を覗かせてはいません。CEOは交代しましたが、それは、早
すぎるPDA開発の失敗のせいで、この後に続くPDA市場を創り出したという点
では、業績的にはマイナスですが、アッ○ルが先進的な企業であるという面目を
保ったとも考えられます。それにマックはDTP市場に食い込んでいます。アッ○
ルが最も華やかな時代の一つでしょうね。
PowerPCへの移行は、成功したといっても良いでしょう。PowerMac 6100,7100
8100といったモデルは、68kからPowerPCへと進化した中で、現在のマックと68k
マックのミッシングリングとして不動の地位を築きあげています(^o^)。
この時、PowerPCへ移行しても、68K用のソフトが動いた為に、ユーザーはスムーズ
に移行できました。アッ○ルの作った68k用のエミュレーターの出来は、とっても
素晴しいものです。ただ、あまりにもスムーズすぎたのかもしれませんね。だって、
我慢すれば68Kの今迄のソフトが使えますから、高級なソフトを買い換えるという
のには二の足を踏みますよね。また、小さなソフトメーカーなどでは、そう簡単に
PowerPC完全対応版を出すにはつらいとこです。なんといってもアッ○ル自体の市
場は小さいのですから、開発費を捻り出すのも一苦労です。おなじ苦労するなら
Windowsの方がいいやって思う気持ちも理解できます。さらにエミュレーターの出来
が良すぎたのか、PowerPCネイティブなソフトは、期待するほど速くは感じられませ
んでした。人間が体感速度で速いと感じるには、3倍程度、速くならなきゃダメで
しょうね。どうしてかというと、人間の感覚などは、対数対応です。自然界ではあ
たり前のコトですよね。そーすると、1.5倍速くなった状態とは、およそ3倍ほど
速くなる必要があります。ですから少々速くなったからといって、それを実感でき
ないでしょう。
この後に、アッ○ルが狂ったように新モデルを並べるようになったのは、
この移行の影響だったかもしれないと、snowdogは思います。つまり、PowerPCに
移行したら速くなるぞーっていう期待が、裏切られたとユーザーは感じ、それに
対応する為に、新モデルと廉価版モデルを開発して市場に出す、といったサイクル
をひた走ったのでしょう。何が問題だったのでしょう。
1、CISCよりRISCの方が良いという一番の理由は、命令が単純なので、パイプ
ラインの増設がやりやすく、また、サイクルも上げやすいという点ですから、大体同じ
クロックで動くのならCISCの方が速いのです。ですから、CPUクロックを大幅に上昇
させなくてはなりませんが、アッ○ル単独ではこれができなかった。
2,マザーボードのバスが、そろそろ時代遅れになってきたので、たとえCPUが
がんばってもどうにもならなかった。特に内部SCSIの遅さは問題でしょう。
3,一番遅いと感じるのは、マルチタスク状態で重い仕事をさせた場合で、その
他の軽いハズの仕事まで、反応性が極端に悪くなった。
4,モデル発表ごとに、廉価版とパワーユーザー版を開発した為、また、独自の
規格の為に、周辺機器まで含めると、開発費が莫大なものになった。
この4つが問題だったと思います。このなかで、1は、AT互換機のメーカーでも
あれだけ時間が掛りました。少しずつ熟成させるしかありませんでしたから、
仕方ないでしょうね。AT互換機の世界では、この過程でそれまで存在していた
「ほとんど」といっても良いくらいの多数のマザーボードメーカーが淘汰されて
ゆきました。2は結局のとこイ○テルの提唱したPCIを使うことで結着しました。
もうPCIでは足りなくってAGPとか出てますけどね(^o^)。少なくとも内部SCSIの遅さ
はもっと早い時期になんとかするべきだったと思います。んで、一番問題だったのは
3でしょうね。
同じ問題に悩んだマイク○ソフトは、Wind○ws 95で、この問題を解決しました。
何度も言うようにOSのタスク管理がプアなのです。93年の時点では難しくても、
市場で覇権を争うには、この95の前にこれを解決しなくてはいけなかったハズです。
どうせエミュレーションをフル活用だったのですから、ここをなんとかするべき
だったと思います。snowdogは気が長いのかもしれませんが、マックOSだと
7200/120は遅く感じるのですが、PPCLinuxだと十分実用に耐えます。ですから、
PowerPCが悪かったとは言えないように思います。そして、4ですね。本当にこの
時期のマックは多種多様です。あまり明確なビジョンがなかったのかもしれません。
せめて、新モデルを発表した後は、旧モデルは廉価版扱いにするなどして、生産され
るモデルを絞れば、あそこまで製造ラインは混乱しませんでしたよね。製品の不足
と在庫過剰が同時におきるのは、経営者の責任だと思います。結局、ア○リオが犠牲
になって立て直すまで、混乱が続きました。iMacの成功を、デザインに求める人は
少くありません。実際に世界はこれを評価しました。でも忘れないで下さい。いつも
アッ○ルの製品は一企業の製品としては考えられないくらい注目されてきたのです。
iMacが発表された時、ユーザーはすぐ手に入れることが出来ました。アッ○ルの伝統
なら、注文の後に入手するまで三ヶ月待ちです。つまり、製造や販売システムが始め
てユーザーの期待に答えたからこそ、iMacは成功したとは思いませんか?
さて、アッ○ルは輝かしい未来が約束されているのでしょうか?うーん、
ちょっと不安です。それはアッ○ルとI○Mの意見が喰い違ってきているように
思えるのです。PowerPCのシリーズで数が出て、コアの小さなものはPowerPC603
です。eやevなどと製造技術をとり入れて進歩してゆき、バックサイドキャッシュと
いうご大層な名前で、イ○テル達が取り入れたのと同じような技術を取りいれまし
た。自分にあまり関係ないので、知らなかったのですが、G3って603ベースなんで
すってね。これって、アッ○ルとI○Mが決裂しかけているんでしょうか。I○M
は、チップを自分のトコで製造できます。んで、I○MのPowerPCを使う製品って
いうのは、サーバーなどのAIXを使うものでしょう。するとG3を603ベースで作り
たいとは思えません。出荷先がアッ○ルに限定されるモト○ーラの利益と、マザー
ボードが比較的簡単にできることが魅力的に思えるアッ○ルが603ベースの改良版を
必要としたのじゃないでしょうか?I○M抜きで、これからもどんどん高くなる開
発費を入手して、償却できるのでしょうか?そこまでアッ○ルは大きな企業じゃないと
思いませんか。
今のアッ○ルだったら大丈夫ですって?来年にはAT互換機はイ○テルのリード
のもとに、64bitに全面移行すると思われます。クロックアップは、もう限界です。
量子コンピュータでもつくるなら別ですけどね(^o^)。すると勝負はチップ内部での
処理速度ですから、つまり、同じ速度で動くのだったら、倍あっちの方が速い訳です。
ソフトの対応でも、
すでにLinuxは現時点でも64bit化してます。また、デュアルプロセッサにも対応して
ます。ベクトルプロセッサと、Mac OS Xだけで、次の熾烈な時代を潛り抜けていける
のでしょうか?そして、またCEOに帰ってきたJobsが、いつもの素晴しい能力、す
なわち「関りを持ったプロジェクトはその企業の負債になる」という事態にアッ○ル
を叩き込まないでいてくれるのでしょうか?実際にJobsはすごいですよね、だって、
アッ○ルもネク○トも傾け、Pixarの成功の理由が、Jobsが関心を持っていなかった
からというんですから、何故、アッ○ルファンがゲ○ツ君並に扱っていないのは不
思議です(^o^)。I○Mの助力無しで、PowerPCはうまく進んでいけるのでしょうか?
モト○ーラも不安があるのでしょう。G4と並行して、860なるものを開発して
います。通信などに特化したチップみたいです。今の68kチップが組み込み用途で
大変人気があるように、PowerPCも、その可能性を狙っているものと思われます。
マック一台でもPDA一台でも、モト○ーラから見たら同じですからね(^o^)。
個人的には604ベースでバックサイドキャッシュを付けたCPUを4こ載せたモデル
なんかが、欲しいのですが、ありゃ、これってBeじゃないか(^o^)。