困った事


 生まれ育った場所と違う場所にいくと、時々、困った事が起こります。言葉の問題 などは、際たるものでしょう。広島出身のsnowdogは、地の言葉で話す事は、ことに 関東では、控えなくてはなりません。とゆ〜のは、何故か相手が困った表情をするか らです。言葉が通じないんだろ〜とは思いますが、大抵の場合は、そ〜ではなくて、 ある特殊な職業に従事している方達を連想するみたいです。まあ、こちらはパンチパ ーマしてる訳でも、お金持ってそ〜な黒いスーツ姿でもないので、誤解はすぐに解け るのですが。もっとも、snowdogの地の言葉は、ある期間、名古屋に住んでた事もあり、 また関西人の友人に恵まれたせいもあり、うっかり喋ると、関西弁の単語がちりばめ られた名古屋のイントネーションの入った広島弁といった風になるので、ネイティブ スピーカーの方からも怪訝な表情をされて困ってしまう場合もあるんですけどね。

 さて、他にも困った事があります。特にsnowdogが困っているのは、立ち食い蕎麦を 食べようと思った場合に生じてしまいます。駅にあるのは、普通立ち食いはうどんと 相場は決まってると思っていた為、ラーメンの雰囲気ぢゃねえしなあと、お店を見つけ 損なうとゆ〜ケースがあります。こっちは蕎麦なんだなあと思い至ってお店の暖簾を 潜ると、ここで大変困った事が生じます。そう、普通にうどんを頼んだにも関わらず、 真っ黒な汁のうどんをわざわざ出してくれるのです。九州の人が、他の土地でラーメンを頼 んで、自分の予想を完全に裏切ったものが出てきて困ったとゆ〜笑い話がありますが、 ど〜も、他人事の笑い話ではなかったよ〜です。同じ困った思いをしてしまいました。 幾度か、挑戦と試行錯誤を繰り返した結果、あの汁は、うどんではなく、蕎麦の為に あるよ〜だと結論づけるに至った今日としては、我ながら、関東に慣れたものだなあ と、少し誇らしい気持ちになったとしても、誰もその事は責められないでしょう。
 この様な困った状況でも、愛するきしめんを食べたい時には、生じません。なぜな ら、日本が誇るインスタント食品界の王者、日清製◯から、きしめんが販売されてい るからです。うどんという巧妙な偽装をしながらも、狐きしめんは、ど◯兵衛という ブランドで売られていますから、きしめんが食べたい時は、お湯を沸かして5分待て ばいいのです。ありがとう、◯清さん!

 しかし、困難はさらに続いているのです。蕎麦である事は分ったのですが、かけ蕎 麦やうどんを食する際に、その楽しみの頂点たるトッピング問題でこそ、重大な問題 が生じてしまいます。そう、無いんです!探してるものが無いんです!
 snowdogが探してるもの、それは、狐の月見なんです。お店の値段表に、狐の月見 が忽然と姿を消しているなんて!。嗚呼、なんとゆ〜事でしょう!関東には狐はいても、 その狐さん達は、月見をする風習を持っていないみたいです。ああ、文化の違いとい うのは、人間だけに存在する訳ではなく、狐さんとゆ〜野生の動物にもあったのです! 狐さん達が満月を観ながら佇んでいるといった、1枚の絵の様な、優美で風情のあ るうどん(蕎麦)が、懐に余裕がある時の情緒溢れる喜びが、これを果たす事が出来 ないなんて。これに勝る悲しみは、そうそう見つけられるものではありません。
 やはり自然破壊が進んでいるとゆ〜事なんでしょうか?その証拠に、狐の月見に代 わるものとして提示されているのは、おかめだったりします。一時の快楽を求める時、 絶世の美女に化けた狐さんに会うのと、人情には溢れるであろうおかめ、そのどちら を選ぶかと言われれば、snowdogは、やはり狐さんを選びたいところです。ふと一息つ く、こんなトコロでまで、人間を相手にしたくは無いじゃありませんか。
 この調子でゆくと、たぬきうどん(蕎麦)にも危機がせまっているかもしれません。 環境保護に関係する報道などを聞く所によりますと、狸が住んでいたトコロに、アラ イグマが入りこんでいるみたいです。きっとその内、天かすで作られた狸うどん(蕎 麦)の代わって、フライかすがトッピングされたアライグマうどん(蕎麦)が立ち食 い蕎麦屋には並ぶ事になるでしょう。ああ、そうならば、不漁が伝えられるニシンに 代わって、鰊蕎麦ならぬブラックバス蕎麦が出てくる日も、近いことでしょう。そう いえば、アザラシを用いたタマちゃん丼なるものも、存在するみたいですし(^o^)。
 やはり、日本の自然と、その情緒溢れる心を、一杯のかけ蕎麦を食べる時でも持っ ていたいものです。

 ところで、ふと浮かんだ疑問にも困っているのです。お揚げと天かすに卵が落とさ れた場合、これはどのよ〜な名前で呼ばれるのでしょう?狐と狸が月を眺めて騒いで る楽しい風情を感じるのですが(^o^)

snowdog 2002 9/26