リトグラフ関係 基礎知識
●リトグラフ
版画の技法の一つ。木版画等の凸版、銅版画等の凹版、シルクスクリーン等の孔版とならんで石版画の平版(リトグラフ)がある。石は石灰岩が主に使われる。最近では取り扱いの簡単な亜鉛版やアルミニウムも用いられる。
● EA-------エプルーブ・アルティスト
作家自身の手持ち作品。通常、総刷り枚数の1〜1.5割ほど。エディションものと違いはない。ただし、やたらと出回っているものは要注意(藤田嗣治など)。カタログ・レゾネで要確認。
● HC-------オルス・コメルス(非売品)
関係者が資料用・保存用に残しておいたもの。総刷り枚数の1割くらい。エディション版が売り切れた場合、特別に頒布されることがある。あまり数が多いものは注意が必要。(ミロなど)
●エディション・ナンバー
限定刷り枚数のこと。普通は100〜200枚位しか刷らない。総枚数の中の一枚であることを分数の形で表記する→ 00/000(総枚数)
●レイエ
限定刷り枚数を刷り終わった原版を廃版にすること(斜線、×印、穴あけなど)。原則としてこれ以降、同じものが出回ることはない(上記のEA、HC以外は)。
●サインについて
1930年代以降に一般化した。それ以前の、例えばピカソにはノーサインのものもある。また、サインのみでエディションナンバーのないものもある。
部数が多いとき、版上サインといって、あらかじめ彫り込んだりすることがある。(ルオー)
物故作家の後刷り作品など、版元や遺族がサインのかわりに印を作り捺印することがある。
●エスタンプ-------複製版画
油彩画や水彩画など、作家が版画として作っていない絵をリトグラフやスクリーン印刷で業者が作ったもの。たしかにリトグラフと言えるが、価値感としてはポスター相当か。壁を飾る分にはOK。
※参考図書/「版画の買い方」  グループ・ギャラリー編  1990  主婦の友社刊
■ジャンセンが挿し絵をリトグラフで担当した、貴重なボードレール著「パリの憂鬱」の詩画集が、当店にございます。多分日本で一冊だけだと思います。興味のある方はお問い合わせ下さい。