Nagaoka Institute of Design1992-1994
長岡造形大学
ユニークなカリキュラムを持つデザイン単科大学。連続する空間体験に主眼をおいて建築を構想すること。シークエンス、非パースペクチブな空間観、建築を体感することの重視。行為の接触が新しい出来事を誘発するような空間モデルの模索。ランドスケープと応答するおおらかなフォルムとインダストリアルなクールさ。自然と人工とういう対立的なイメージの先にある建築の様相の模索。
Aquamarine Fukushima/aquarium 1995-2000
福島県海洋文化・学習施設
ガラスの柔らかなシェルターに包まれ、太陽の光と風を取り入れた「環境再現型」の展示空間。地球環境というメッセージを空間化し、水族館のプログラムを拡張する試み。自然を内包する建築。生きるものを生かす、水と光と風と土の技術。人工物と自然がオーバーレイするような環境の在り方。環境を可視化する技術=シミュレーションによって「体感を計画する」方法論。ガラスのシェルターを構成するエレメント-被膜と構造体-の有機的で明快な関係性の記述。デジタルな空間の中で直接モデル化される幾何学モデル。
               
          
Nasunogahara Harmony Hall1991
/那須野が原ハーモニーホール
重層する波がランドケープから建築へとグラデーションのように変化する。明から暗へ、閉鎖から開放に、圧縮された空間と引き延ばされた空間。空間をシークエンスか構想すること。
Shanghai Oriental Concert Hall1994-/上海東方音楽ホール 
拡大する中国経済のシンボルである上海浦東地区の文化的シンボル。ホール建築の機能と空間性のダイアグラムを加速することで空間の質を異化する試み。3次元的で自由なフォルムの扱いと3次元的な移動を基本としたシークエンスの構成。複雑な形態操作を、シルエットから構造形式、ディテールに至る建築エレメントの幾何学的秩序に置換する方法論の模索。
Chiba Central Library1995/ 千葉市立中央図書館
図書館機能を中心にした、生涯学習センターと視聴覚センターとのコンプレックス。複合の手法とプログラムの在り方が建築の骨格を規定する。光と風を呼吸し、室内環境をしなやかに制御するガラスの大屋根。その下にさまざまな行為が挿入される。行為の磁場が空間を組織化する。あいまいな領域性をもつ重層的な空間の中での、シークエンスと行為の多様性の追及。