「本当に一分一秒を争うのか」

 出撃座談会

 叉丹:みなさん、こんにちわ。今日の司会を務めるのは、最近、反町に似ていると評判の葵 叉丹です。
全員:似ていない!

……ボカ、ボカ、ボカ、ナグル、ケル、BOM!BOM!
床に伸びている葵 叉丹。

 スコット:失礼しました。代わりに国際救助隊の私スコットが司会を務めます。出席者は、帝国華撃団の
神崎すみれさん、スペクトラム基地のコンチェルト隊員、そして、2号機パイロットのバージル。
バージル:素敵な建物ですね、この帝国劇場。僕たちの基地も快適なんだが、遊び場所が無くてね。
コンチェルト:まだ、いいわ。私たちは空中基地なのよ。基地の中のショットバーでお酒を飲むのが関の山よ。
スコット:あの基地も随分老朽化してるよね。
コンチェルト:うん、でもまだ大丈夫よ。お城をぶら下げてもまだ空に浮かんでいるもの。
すみれ:お城ですって?
コンチェルト:そう。日本のイクハラさんという人から頼まれてね。なんでも決闘のシーンの時に必要だとか、言っていたわ。英語の発音が悪くて良く聞き取れなかったけど。

スコット:…さて、そろそろ本題に行こうかな。今日の座談会のテーマは「出撃」。
バージル:様式美なんですよね、結局。2号なんて垂直離着陸できるから格納庫から出てすぐ飛べるんだけれど…
すみれ:やしの木を倒して、カタパルトで飛び立つのですわね。
バージル:それだけ余裕が有るんだったら格納庫まで階段で降りていけばいいような気もするんだけれど。
スコット:パパが許さないよね。
バージル:あれ、怖いんだよ、結構。途中まで頭が下になって落ちていくからね。
スコット:それから途中でぐるっと回る…
バージル:勢いがついてから最後、座席のシートでお尻が痛くてね。
すみれ:痛そうですわね。
コンチェルト:その点帝国華撃団の皆さんは快適そうですね。
スコット:すべり降りながら着替えまで済んでしまうという…
バージル:いいよなあ、僕なんか、あれだけ急いで操縦席まで行くんだけれど…
スコット:…床から、制服が出てくる…
すみれ:操縦棹が伸びてきてから、着替えをなさるんですか?
バージル:そうです。後ろにブレインズとかミンミンが乗る時、本当に恥ずかしいなあ。
スコット:僕たちの基地にも着替え装置が欲しいなあ。コンチェルトはどうだい?
コンチェルト:確かに有ったら便利ね。でも私たちエンジェルスがどうにかして欲しいのはあのエレベーター。
すみれ:どうしてですの?座ったまま操縦席まで行けるなんて優雅だと思いますわ。
コンチェルト:あのエレベーター、中でハープを弾かないと動かないの。
スコット:ええっ!あれはBGMじゃないの?
コンチェルト:みんな中で必死に弾いているのよ。すりガラスで良く見えないでしょうけれど…
すみれ:いろいろと苦労がお有りなのね…
スコット:あんまり、あくせくして出動するのは良くないね。
バージル:…ゆったりと、腕でも組んで…
スコット:えらくならなきゃ駄目だな。司令官とか、
バージル:沖田艦長とか
すみれ:ネモ船長とか
コンチェルト:ゲンドウとか
スコット:みんな、椅子に座ったまま上がったり、下がったり…
バージル:とても不精だよな。わがままだし
スコット:だから周りが苦労する。
バージル:やっぱりナンバーワンにならなきゃ駄目だな。副司令とか副艦長なんて最悪だな。
スコット:いつも立っているよな。
コンチェルト:フォスター大佐とか
スコット:エレクトラさんとか
すみれ:かえでさんとか
バージル:冬月さんとか
すみれ:ガーゴイルさんとか
コンチェルト:あれっ?ガーゴイルってナンバーツーだっけ?
バージル:でもいつも立ったままだよな。
すみれ:多分、清川さんの足腰が丈夫なせいですわ。
スコット:うーむ…
バージル:うーむ…
コンチェルト:……

沈黙のまま座談会終了。


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