悲しき別れ:晶編
ねぇ、叔父さん
ん?
私って、そんなに魅力無かったかな
どうしたんだ?
晶らしくない言葉だな
何よ、私だって、悩む事あるわよ
(あいつにさよなら、言われたんだから・・・・落ち込むに決まってるじゃないのよ)
そうか
晶の悩み事は、あの彼の事か
な、何でよ
何でよって、言われてもな
お前が悩むか落ち込むのは、大体が彼の事だろうが
ここに良く愚痴をこぼしに来てたしな
そ、そうだったかしら?
(そんなに愚痴とか言いに来てたかしら)
ああ、良く来ていたな
最近、家に居なくて捕まらないとか、電話をかけてこないとか
後は・・・
ちょ、ちょっと叔父さん
もう、それ以上は、言わなくていいわよ
(もう、この叔父さんもこれさえなければいいのに)
そうか?
それで?
それでって?
だから、今日の悩み事は、何かなって
もう、叔父さん、なんか面白がってない?
そんな事無いぞ
これでも晶の事を心配してあげてるんだけどな
ほんとかしら
まあ、いいわ
そうそう
話してみれば違った答えが出るかもしれないしな
ねぇ、叔父さん
やっぱり、楽しんでるでしょ
だって、顔がにやけてるもの
えっ?
まずいな、顔に出てたか?
もういいわ、叔父さんに話そうとしたのが間違いだったみたいね
じょ、冗談だって、晶
真面目に聞くよ
・・・・・・・
ふう、実は・・・・・なのよ
ふーむ、それは、あれだな、晶
なに?
しょうがないんじゃないのか?
ど、どうしてよ
どうして、しょうがないのよ
ねぇ、叔父さん
どうしてって言われてもな
こればっかりは、しょうがないとしか言えないな
だから、どうして、しょうがないのよ
それは、俺の口からは言えないよ
これは、晶が自分で考え自分で答えを見つけなければ意味が無いよ
わ、私は、色々と考えてきたわよ
あの日からずっといまだって・・・だけど
だけど、答えが出てこないんだろ?
そ、そうよ
なぁ、晶
無理に答えを出そうと思ったって出て来ないものなんだよ
恋愛ってのは、出会いがあれば別れもある
楽しい事ばかりじゃないんだよ
お、叔父さんに言われなくたって
わかってるわよ、そんな事くらい・・・だけど
だけど、それでも、あいつの事が好きなんだからしょうがないじゃないの
・・・晶・・・・
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ふう、なんだか叔父さんに話したら少しすっきりしたわ
私、これで、帰るね
レモンティーご馳走様
あ、ああ
いつまでも落ち込んでらんないものね
そんなの私らしくないし
それに今よりもっといい女になって、あいつを後悔させてやるんだから
あなたは、こんなにいい女を振ったのよって
そうだな、それが晶らしいかな
それじゃあね、叔父さん
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