悲しき別れ:真奈美編
・・・・うっ、うっ、うっ・・・・・・・
・・・・とんとん・・・とんとん・・・・
お嬢様、真奈美お嬢様・・・・・入りますよ
・・・・・・・・・洋子さん?
ぐすっ・・・・・ちょ、ちょっと待って・・・・
・・・・・・・がちゃ・・・・・・・
お嬢様、どうされたのですか?
そんなにお泣きになられて・・・・目が真っ赤ですよ
・・・・・・・・・ぐすっ、待ってって言ったのに・・・・
お嬢様、もう、3日になられるのですよ
いい加減に泣き止まれてお部屋から出て下さいませんか
お嬢様がその様な状態ですから小鳥達が心配して餌も食べてくれないのですよ
・・・・・・・・・・・・・
私で良ければ相談に乗りますから
少しテラスに出られませんか?
お嬢様のお好きなハーブティとクッキーを用意しましたので・・・・ねっ
ぐすっ・・・・洋子さん・・・・・・うん
・・・・・・かちゃかちゃ・・・・・
それでいったいどうされたのですか?
お嬢様がこんなにお泣きになられるなんて
・・・・・・・・・・・・・
あの男の子と再会されてからのお嬢様は、あんなに笑顔でいらっしゃられたのに・・・・・
(・・・・・・・もしかして・・・・お嬢様)
洋子さん・・・・・・・・・あのね、私、あの人に嫌われちゃったの
もう、私とは会えないんだって・・・・・ぐすっ、うっ、うっ、うっ・・・・
(やはり、そうでしたか・・・・・ですが)
お嬢様、元気をお出し下さい
もう、あの人に会えないなんて
考えたくないのに
でもね・・・・でもね・・・・洋子さん
はい
私・・・私・・・・あの人に会いたい
会いに来て欲しいのに・・・・
やっぱり、こんな泣いてばかりの女の子は、あの人は嫌いなのかな
だから、会ってくれないのかな
お嬢様
ねぇ、洋子さん
私みたいに泣いてばかりいる女の子なんて、好きになってくれる人なんていないんだよね
だから、あの人も私の事嫌いになっちゃたんだよね
いい加減になさい
よ、洋子さん
お嬢様
いいですか?
ご自分をそんなに卑下するものではありません
私には無理だとかそんなのは、お嬢様がご自分で勝手に決め付けたものでしょう
いいですか、お嬢様
ご自分で限界を作ってはそれ以上は、伸びないのですよ
で、でも・・・・・私・・・・
お嬢様
あの男の子に嫌われたと言いましたが
好きになってもらう努力は、されたのですか?
えっ?
努力もしないでただ、好きになって下さいなんて虫が好すぎますよ
で、でも、努力って言っても・・・私、何をしたらいいか分からない
その様な事は、ご自分で考えるものですよ
例えば、電話をしてみるとか、お手紙を書いてみるとか
色々とありますでしょう
ご自分から行動をされなければ何もならないのですよ
で、でも・・・・
ふう、お嬢様
ならば、今一度電話をされてみてはどうですか?
もう一度、電話してみたらって
出てくれるかな?
怒らないかな?
やってもいない内から駄目な事を考えてどうするんですか
それとも、もう、諦めて忘れますか?
い、嫌、忘れるなんて出来ない
うん、電話してみる
・・・・・・あの人にもう一度会ってくれるようにお願いしてみる
とぅるるる、、、とぅるるる、、、とぅるるる・・・・・
(・・・・・お願い出て・・・・・・・お願い)
とぅるるる、、、とぅるるる、、、とぅるるる・・・・・がちゃ
(出てくれた)あっ、もしもし
「電話ありがとう、でも、ただいま外出してます」
「御用の方は、この後にメッセージを残して下さい」
・・・・・・・・・
(あの人の声・・・・・・でも・・・)
・・・・・ちん・・・・・・
お嬢様?
洋子さん、留守番電話だった
でも、メッセージは入れなかったの
なぜです?
うん、あの人の声を聞いて電話じゃなくて直接会いに行こうって決めたの
もしかしたら、完全に嫌われちゃうかもしれないけど・・・・・でも
お嬢様
もしかしたら、また、泣いちゃうかもしれないけど
会いに行って来ようと思うの・・・・
立派ですよ、お嬢様
ねぇ、洋子さん
パパとママには、内緒にしておいてね
もちろんです
これは、私とお嬢様の2人だけの秘密ですね
ううん、後、ピッチちゃんも入るよ
ねっ、ピッチちゃん
あっ、本当ですね
うふふ、これは、私達3人の秘密だからね
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
終わり
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