(01.02.23) 霊術室のご案内へ











 「霊魂を縛る法」があります。

 この法は霊魂を信じる人達にとっても、人によっては笑ってしまうような法に違いありません。まさに、漫画のような話だと思われる方も多いことでしょう。ところが、実は、こうした事は昔からかなり行なわれていたのではないかと思えるのです。

 たとえば、有名な孫悟空の話でも、悟空は最初、仏様によって岩の中に閉じ込められていました。それを高僧が解き放ってやり、その後、家来にしました。つまり、偉い宗教家は、妖怪のように人間でない者を家来として使い、宗教の目的を達成するのです。 

 こうした話の中にも昔の人達の考え方の一端を垣間見ることができます。

 つまり、西遊記の話はともかくとしても、昔は霊魂の行動を奪うという考え方が、広く霊術家の間にあったことが推測されます。

 それでは、実際に霊魂の行動の自由を奪うことなどできるのでしょうか。答えはもちろん、できる、です。

 たとえば、皆さんは催眠術をご存じだと思います。術者の意思によって、第三者の行動を指図することができるのです。催眠術にかかると、本人の意思に拠らない事をしてしまったり、逆に体がまるで動かなくなったりします。

 つまり、人間は本人ではなくても意思の力によって、行動を左右されてしまうことがあるのです。

 ですから、それは肉体を捨てた人間にすぎない、霊魂という存在にとっても同じ事が言えます。幽体という身体を肉体の代わりに表面の身体として使用してはいますが、私達の先輩にすぎないのです。

 そのため、催眠術とは違いますが、霊的な技を行使することによって、霊魂を動けなくしたりすることも可能なのです。

 催眠術でも、かかりやすい人と、そうでもない人がいると思います。また、術を掛ける人でも上手な人とそうでない人がいます。霊縛も同じです。かかりやすい霊魂とそうでもない霊魂、上手な術者とそうでない術者がいるのです。

 さらに言えば、霊魂を縛るとなれば、術者は相当に霊力が強くないと無理なのです。

 どんなに念が強い人であっても、違う世界の住人である霊魂の行動を縛るほどの念は生まれません。やはり、特別な技が必要になります。いくら、気合いを発してもどうにもならないのです。

 もっとも、よく幽霊が出ると言われるホテルや旅館などで遭遇する程度のいたずらな霊魂なら、霊縛の法を用いるまでもないかもしれません。そうした霊魂は相手が驚いてくれればそれで良いという霊魂が多く、泊まり客が怖がればそれでいなくなる、ということも多いそうです。

 霊縛の法は個人的な理由で襲って来た場合などに有効な技です。

 仮に悪い霊魂が誰かを襲って来たとします。その霊魂が問答無用といった形相で襲って来たとしたらどうでしょう。話をしている余裕などありません。人間の体に入っている霊魂と違って、霊魂は自在に動いて襲いかかって来ます。まさに挌闘技のような状況になるかもしれません。

 そんな時、地上の人間はどうすれば良いのでしょう。とりあえず、攻撃を防がなければなりません。そのような時、頼りになるのが、この「霊縛の法」なのです。

 「霊縛の法」は上級の人が用いる技です。神伝の法の実習者でも、かなり上の方の実習者しか習えません。それだけに、強力な霊力が飛び交います。しかし、この技をマスターしていれば、まず、ほとんどの邪霊は怖くありません。

 霊的トレーニングによる霊力の強化は、霊術には常に必要なのです。

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