8、霊 能 力 を 開 発 し よ う と し た 人

−これはこのHPの監修者から聞いた話です−


霊を研究したいと考えている人や団体の中には、霊能力者を育てたいと考えている人達がいます。これは、実は大変危険な事でもあります。

監修者がまだ何の霊能力もなく、霊魂を真剣に探求していた頃の話です。

ある時、ある団体の支部長に、1人の女性が質問しました。
「前回の自動書記練習が終わってから、私は毎日家で練習をしていました。そうしたら、盛んに字や絵のようなものを書くんです。」

それを聞いた支部長はニッコリ笑って言いました。
「それは凄いですね。どんどん練習して下さい。」

女性も満面の笑みで頷き、自信を深めた様子でした。
そこでは、自動書記といって、手が本人の意思によらずに動いて何かを書く、という霊能力の練習をしていたのです。

その団体は、霊を学びたい人は誰でも入れるという自由な団体でした。監修者は、側にいた人に小声で言いました。
「自動書記の独習は危険ではないですか。」

その言葉がいつの間にか、支部長の耳に入ったのでしょう。その日の行事が終わる頃には、支部長の目は監修者に厳しくなっていました。

それから、一ケ月が過ぎました。
その日も、会場では前月と同じように、自動書記の練習会が行なわれていました。監修者は正しい指導者がいない現場での練習に反対だったようで、隅で黙って見ていました。
先月、支部長に質問したあの女性が、少し遅れてやって来ました。その顔はまるで別人に見えたそうです。化粧をしていても顔色の悪さが感じられたからです。

女性は支部長の顔を見るなり、こう言いました。
「助けて下さい。あれから、夜もろくに寝られません。夜中になると、手が勝手に動き出すんです。それで、起こされて、自動書記が始まるんです。
私も最初のうちは凄いことかもしれないって思ってたんです。
でも、今ではもうどうしようもないんです。いつ、手が動きだすか分からないんです。まるで、普通の生活ができないんです。」

女性は今にも泣きそうであった。
事態が分かったのか、支部長は奥の部屋に控えている女性霊能力者に相談に行った。
その後、この女性がどうなったのかは定かではありません。何しろ、それ以後、この女性は一度も会場に顔を出す事がなかったのですから。

その後も自動書記の練習は続いていたらしく、中にはどこかのお姫様がかかったとか言われて、有頂天に成っている女性もいたそうです。しかし、その女性もしばらくすると顔を見なくなったそうです。

ただの会員にすぎなかった監修者の立場では、どう忠告しようもなく、やがて、その団体とは縁を切ったそうです。