14.高級な霊能力者とは (2000.08.04)

 霊能力者の本物と偽物の区別が大変難しいことはすべに述べました。

 つづいて、本物の霊能力者の質の高低という問題に迫ってみたいと思います。
 まず、質の高さには二種類あります。一つは相談する人にとっての質の高さ、もう一つは霊的な質の高さです。前者は相談する人の立場に立った見方であり、後者は霊魂の世界の基準に照らした質の高さということになります。この二つの基準はそれぞれに異なっています。

 前者を言う場合、霊能力者に対して、“よく当る”ことを求め、占い師と重複するような事を要求をする人達が多いのです。
 しかし、多くの霊能力者は、そうした当たり外れとは違う要素を持つものです。つまり、相談者の「何か」を当てるのではないのです。では、実際にはどうなのかというと、霊魂が憑依していないかどうかを判断し、もしも憑依していた場合には除霊するとか、今の不幸は何の障りであるかを指摘し、その対策を指導するといったような事を行なうのが多くの霊能力者なのです。
 いずれにしても、相談する人にとっての質の高さというのは、嘘をついて騙したりせず、強い霊能力で霊的な障害を指摘し、その対策を講じることができる人と言えましょう。端的にいえば、人格の高さと霊力の強さがその基準と言えるのです。

 一方、霊魂の世界の基準に照らした質の高さ、という観点からは別の見方をします。たとえば、霊能力というものは人格の高さとはあまり関係がありません。複数の人が同時に霊能力の開発訓練をしても、人格の低い人の方が、高い人よりも早くに霊能力を開発することは良くあることです。霊能力の強さでも同じことが言えます。
 つまり、霊能力という技術は、肉体や表面の心よりも、霊的な身体や霊的な意識とより深い関わりを持っているのです。
 そのために、霊的な意識が全体として向上し、高級な霊魂の目にとまり、霊的な力が強化されても、表面の心は未発達だということがあります。ただし、表面の心があまりに未熟ですと、高貴な仕事には向かないので、高級な霊魂は普通は力をかけません。世間並みの人格は必要ですし、霊魂や神霊が大嫌いでも力を与える事はできません。
 とはいえ、必ずしも、世間から人格者と尊敬されるような人物である必要はないのです。むしろ、信仰心の強さや、忍耐力の方が大切になるのです。
 ですから、高級な霊魂が見る高級霊能力者の基準は、当たり外れや、霊的な技術力、また、地上的な人格の高さではありません。
 むしろ、常に霊的身体を好調に保ち、その結果として、高級な霊魂が作用しやすいような幽体オーラを放っている、これが基本になるのです。
 次には、霊的な意識が全体として向上していること、最後に、高級な霊魂の協力を受けて霊能力を行使するという使命感があること、これが高級霊能力者の条件なのです。
 こうした条件がそろっている人を発見すると、高級な霊魂は人間に霊能力を授けたいと考えます。そうなると、真剣な訓練が必要になります。そのため、最初は初歩的な能力しか発揮できませんが、そのうち、高度な能力を発揮できれば最良です。
 しかし、なかなか、そのように成れるものではありません。

 したがって、歴史的な達人は別でしょうが、まず、霊的な修行を相当にこなした人でないと、霊的な観点から見た高級霊能力者には成れないのです。

 もちろん、世間には相談者の側から見た良い霊能力者は、一定数いらっしゃると思えます。こうした霊能力者の中には、高級とは言えないまでも、悪くもない霊魂の関与を受けて霊能力を発揮していらっしゃる真面目な霊能力者もいらっしゃると思えます。