霊 的 進 歩

7、精神の発達と霊的なレベル (2001.01.25)

Q. 精神を成長させ、人間としての知識を深め、愛の心を育てれば、当然、霊的なレベルも上がって行くと思うのですが?

A. 残念ながら、そうではありません。人間的な知識や教養、愛の心といった人格は霊的なレベルとはあまり関係がないのです。

霊的なレベルという事も、先に説明が要ると思いますが、ここでは、分かりやすく、死後の世界に入ってからの上下に置き換えて説明してみます。

霊魂になりますと、下の方の世界に入った人はただ辛い思いをしています。それとは逆に、上の方へ行くにつれ、私達から見ると、まるで神様のような霊魂方が目立ってきます。

そうした上の方の貴い方々を霊的なレベルが高い存在と考え、それを前提に話を進めます。

他のコーナーでもご説明していますように、死後の世界の上下は幽体という死後の世界で使用する身体の質によって決まると言っても過言ではありません。そして、その幽体は、その人の意識の霊的な質を強く反映しています。

つまり、幽体は地上にいる間は肉体の中に入っていますので、のびのびとはしていませんが、肉体を捨てて霊魂の世界に入ると、本来の状態に戻り、その性質が強く表現されるようになって行きます。つまり、この時点から意識全体の質の高低が強く、はっきり現れるので、他者には一目で霊的なレベルが分かってしまうようです。

地上にいる間は意識といっても、私達の普段の意識は、表面意識といって、人間の意識のほんの一部が現われているにすぎません。ところが、実際には潜在意識と呼ばれる更に深い意識も存在します。人間の意識といった時には、その深い意識も含まれることになります。

私達の知識や人格といったものは、人間の意識のほんのわずかである表面意識に限られているものなのです。つまり、人の意識全体としてのレベルにとっては、表面意識の人格はその一部でしかないのです。したがって、人格者や愛の深い人であっても、必ずしも霊的レベルが高いというものではないのです。もっとも、霊的レベルが高く、表面意識の人格も高ければ良いことは言うまでもありませんが。

人間は地上に生まれて来る前は霊魂の世界に霊魂として存在しています。その霊魂が地上の胎児に入って生まれて来たのが人間です。(「再生」の問題は高度なのでご説明は省かせていただきます。)

ということは、新しく地上に誕生する魂は、全員が同じ霊的レベルではないことになります。何しろ、人間は皆、それぞれに違った魂の歴史を背負って来ています。中には、イエスのように、特別高い世界から生まれて来た魂もあります。そのような魂は、もともと幽体の質が凄まじく高いので、小さい頃から高貴なオーラを放っています。ですが、どんなに高貴な魂でも、地上の幼児の頃から大人のような知識、常識、人格等を持っているわけではありません。それでも、霊的なレベルはすでに高いのです。

イエスやシャカは極端な例です。ですが、一般の人でも、生まれた時からそれぞれに多少の差があるのです。となれば、幼児であっても大人よりも霊的レベルが高い人もいておかしくないのです。

いずれにしましても、結論としましては、人格と霊的なレベルは必ずしも一致していないのでした。

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