Story2



 デカ : 明日、早起きして朝陽を見に行こう!
 チビ : 朝早起きするのはイヤだもん。朝陽なんて夕日の反対ベッコ
      なだけだよ。
 デカ : そんなことないよ。見に行こうよ。
 チビ : げ〜げ。
 デカ : じゃ、チビは朝陽を見たことがあるのかい?
 チビ : ‥ないよ。。
 デカ : 起きるの辛くても、またすぐ寝ればいいじゃん。
 チビ : うん。
 デカ : じゃ、明日は4時起きだね。
 チビ : ‥うぇ〜い。
 
  気乗りのしない返事をしながら、チビはちょっと楽しみにしていた。
  そう、今まで朝陽を見たことなんて、一度も無かったのだ。
  だから、朝陽のために時間を作るなんて素敵じゃないかって、そう
  思い始めたのだ。
 
  そして‥真夜中。
  二匹は暗い中、朝陽を見つけに高台へ登り、じっとたたずんで待った。

  太陽はゆっくりやってきた。
  その空の変化はゆっくりだけども、全世界を巻き込んで、目に見えて
  何もかもが色付いてきた。

  そして、何より、とても静かだった。
 
  チビの感想は、ただ、静かだったってこと。
  そして、朝陽は夕日の逆回しなんかじゃないなってこと。