1982年晩秋、オーストリアの小さな美しい村アブサムのヤコブ スタイナーの仕事場だったとされる部屋に座る私です。
現在もスタイナーの子孫の方が住んでいらしてシュナップス(歓迎の強いお酒)でもてなしてくれました。
向かって右側に渡してある板は、スタイナーが発狂してしまった晩年、縛り付けられていたとされる椅子の破片だそうです。
貧しいヴァイオリン職人の末路は悲しいものだったようです。若い私はどんな気持ちでここに座っていたのでしょう?
この村の役場には、ヤコブ スタイナー作とされるヴァイオリンが保存されていましたが、どうもホンモノではないようです。

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