ミッテンワルドの矢箆原誠氏(以下やのちゃん)と下宿の前で。
当時のやのちゃんは、巨匠ヨーゼフ・カントッシャ氏の工房で働いていました。
渡独当初は、ミッテンワルドヴァイオリン製作学校の寮に住んでいましたが、
ハウスマイスター(寮長、管理人)が、典型的なドイツ人(いやな奴の意)で不仲になり、ここに引っ越ししたそうです。
ミッテンワルドは、観光地なので別荘とか高級ホテルはありますが、アパート、下宿の類はほとんど無く、
雇い主、またはその知り合いの家に下宿させてもらうしかありません。
ここは、ミュンヘンからアウトバーンを降りたミッテンワルドの入口にある元は牛小屋だった建物で、
持ち主が中を幾つかに仕切って下宿にあぶれた若者に貸していました。
トイレは、共同で入口を入った正面にあり暖房はありません。冬など零下20℃以下になるこの地域では、用を足すのも命懸です。
彼の部屋は、八畳ほどの大きさで暖房、調理は薪ストーブ、水は小川から直接引いているようでした。
冬前にヴァイオリン用材で有名なFUCHS(フックス)社から端材を燃料の薪として大量に購入するそうで、
中には十分使える材木もかなりあったようです。うらやましい話です。
 二枚目の写真は、雪の中自転車で出勤するやのちゃんです。寒そうです。