i 畏友、猪子宏明氏の愛車シトロエン2CV、ドイツではEnte(アヒル)という愛称で呼ばれていました。
この車は、構造がシンプルで且つ幾つかの革新的(アヴァンギャルド)な機構を備えておりシフトチェンジの複雑さと共に面白い車でした。
かつてシトロエンは、宣伝として多くの若者にこの車による冒険を援助していました。良い意味で単純な構造なのでアフリカの奥地では、エンジンオイルの補給に食用のバナナオイルを使用しても問題なく走行できたそうです。
そんな車でしたが、1987年クレモナで開かれるストラディバリ没後250年展示会に行こうということになり、人間二人を乗せてはたして行く先にそびえるブレンナー峠を越えられるか?ー私は甚だ不安でしたが問題なく会場に辿り着くことができました。
途中、猪子さんだけに運転してもらうのも申し訳ないので、練習もかねてクレモナの手前のトウモロコシ畑の田舎道を100mほど運転させてもらいましたが、シフトチェンジが独特で短時間で習得する自信がなかったので、この100m以外、猪子さんに運転していただきました。

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