Decke(表板)を作る #1


Decke(表板)Fichte(エゾ松)を一般的にDeckeに用いています。
裏板と違い多少の例外と産地の違い(外国産、ヨーロッパ大陸以外)こそあれほとんどFichteが使用されています。



材木は、10年以上乾燥させた目切れの無いものを使用してください。
ノコギリで切断します。






切断したFichteの内側をカンナで平面に削ります。
なるたけキズの付かないようにカンナを調整しておきましょう。



Deckeを接ぎ合わせます。
ニカワ付けまでBodenと同じですが、ハタガネで締めません。
心配な場合は中央に一本だけで良いと思います。
もちろんBodenと同じように締めてもかまいません。



接ぎ合わせたDeckeの平面を出します。


Deckeの高さを出します。
寸法はBodenと同じ15.5mmです。
多少の余裕を残しておきましょう。
+0.2 0.3〜0.5?



Zwinge(クランプ)でZargenをDeckeにセンターを合わせて固定します。
この時Zargenの裏表を間違わないようにしてください。
正確に作っても裏表は多少?違うものです。




少し固めの鉛筆(3Hと習いましたが2Hしかありませんでした)でZargenの外周をなぞり、ca3mm程度のワッシャーで写真のように線(普通の鉛筆B、F、HB)を引いてください。BodenのようにZapchenは必要ありません。


Bodenと同様にEckeのC字部に余白を残してアウトラインを引きなおしてください。



糸鋸、バンドソー等で挽いてください。




ca5mmに毛引きを合わせて線を引き鉛筆でなぞります。






Hobelbank(作業台)に軽く固定して荒彫りをしてください。




Decke(Fichte)は軟らかいのでHobel(カンナ)で削ってもかまいません。(5mmの線まで)



Hobel、Schnitzer(ナイフ)等でワッシャーで引いた線までRand(アウトライン)を削ってください。
スコヤで直角の確認を忘れないこと!


毛引きを仕上がりの寸法3.8mmに合わせケガキ、鉛筆でなぞります。
この作業は仕上がりの目安ともなりますが、縁の欠け予防ともなります。




ノミ、Rundhobel(丸カンナ)でHohlkehleを掘りRandをFlachhobel(平カンナ)で削って規定の寸法(各々3.6mm、3.8mm)に仕上げてください。


C字部は、幅の狭いノミを使用してHohlkehleの幅があまり広くならないように注意してください。



Hohlkehle 3.6mm
Rand 3.8mm




Wolbungも仕上がり寸法+1mm程度に削っておいてください。

仮着け前の荒仕上げ終了



Deckeの仮着けです。
Bodenと同じ要領でニカワを塗ります。



センターをZwingeで固定してからZuleimschraubenで仮着け。




Decke、Bodenの仮着けの完了。


Deckeは、多少説明をはぶいていますが、基本的に仮着けまではBodenと同じ作業といっても差し支えないと思います。