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「原作と脚本」

 漫画を原作に映画化するとき(今回の話は実写について)もともとのその漫画のファンは「いかに原作の良さを壊さないで再現するか」ってことに感心が行きがちだろう。 だから昔から「どうして脚本する人は原作者本人じゃないの?」とか単純に思っていました。
しかし今は漫画を‘いい映画’にするには‘いい脚色’がなければだめだと気が尽きました。
 漫画で読んでいる時に全く不自然ではないことも映画にすると完全に変な部分ってあると思う。「ブラックジャック」なんていい例。実写で半分白髪ではんぶん顔の色が違ってあのいでたちで「私がブラックジャックだ」って加山雄三とかに言われて夢壊れるのも当然。
 これは全ての漫画に言えると言ってもいいと思います。 だからいい脚本に仕上がれば映画もいいものになる。
 僕は邦画の中で「少年時代」が一番好き。 藤子不二雄A原作の戦争体験の漫画だからはじめからリアルなんだけど、原作を忠実に再現したなら、あんなに感動できる映画には決してなってはいなかったはず。
 2時間という枠と実写にすることなどを念頭に書き直すことが大切だ。
最近話題になった「ねじ式」は僕もみたのですが、あれは原作を忠実に再現することだけで完結してしまっていて映画としては成功はしていなかったと思いました。(クロブチ)
モドル