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HIROHIKO ARAKI |
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荒木飛呂彦 |
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■緻密なストーリー展開と、誰も真似できないような、独特きわまりない構図や、描写。 かっこつけるにも程があるぞと、突っ込み入れたくなるくらい、見栄を切った、キャラクターのかっこよさなど、このクオリティで、これだけの長期連載が続いているのが、奇跡としか思えない、ロマンホラーの金字塔。 連載当初は、謎の「石仮面」と、運命の因縁を巡る、親子三代に渡る大河ドラマだったのが、超能力を有する分身、「スタ ンド」の設定と共に、暴走。第4部以降は、それまでの伏線抜きに楽しめる、超能力バトルものに。 その異形の外見から、敬遠されたりしがちなこの漫画だけど、推理小説顔負けのトリックや、延々と持続するサスペンスのテンション。どんなに、一見くさそうな「努力、友情、勝利」的台詞や、展開でも、かっこよく見せてしまうセンス、ファッショナブルで、いっちゃったかっこよさの、画面構成など、荒木流漫画術は、斬新きわまりない。 ストーリーやテーマの骨格を失わず、「ジャンプ」のバトルシステムに乗っかったまま、独創的な世界を展開できる、とんでもなくエネルギーに溢れた漫画。「このジョルノ・ジョヴァーナには夢がある!」なんて台詞をババーン!とやられた日 にはもう、参りましたって感じ。 読み始めたら、はまること間違いなし!特に、第4・5部はスピード感をはじめ、何もかもが洗練されている。一瞬で、別世界にぶっ飛んでみたい方、この漫画で心ゆくまでトリップしてください。 ズッキュウウーーンと、脳味噌に音が響く。(雅)
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死刑執行中脱獄進行中 ■タイトルも秀逸な、ナンセンス&サスペンス! きわめて不条理な状況下で、とにかく上がっていくテンションが見事。 一切説明されないまま進行する状況設定が、読者をスムーズに手に汗握る独り舞台にひきずりこむ。 作者もあとがきで書いているが、死刑囚の主人公の入れられた、監獄そのもののモンスター性と、その裏に見え隠れする不在の悪意の存在が効果的。 それにしても荒木作品に登場するやつらは、不条理な状況下に置かれても、決してめげないのが実にいい。 すごくバイタリティがあって、かっこいい。 そういえば、本編が表題の短編集の全ての主人公が基本的に悪人っていうのもおもしろいな。(雅)
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