頭 HIROHIKO ARAKI
荒木飛呂彦

プロフィール
週刊少年ジャンプに連載した、初期作品で、カルトな人気を獲得、 そして、87年から現在に至るまで超長期連載中の「ジョジョの奇妙な冒険」で、大ブレイク。オリジナリティ溢れる発想や、デザインされた画面構成が素晴らしく、今や孤高のポジションに位置している。旅行好きな人のよう。(推測)

 

 

レビュー

ジョジョの奇妙な冒険
集英社(全63巻※ストーンオーシャン除く)
ジョジョの奇妙な冒険
■緻密なストーリー展開と、誰も真似できないような、独特きわまりない構図や、描写。 かっこつけるにも程があるぞと、突っ込み入れたくなるくらい、見栄を切った、キャラクターのかっこよさなど、このクオリティで、これだけの長期連載が続いているのが、奇跡としか思えない、ロマンホラーの金字塔。
 連載当初は、謎の「石仮面」と、運命の因縁を巡る、親子三代に渡る大河ドラマだったのが、超能力を有する分身、「スタ ンド」の設定と共に、暴走。第4部以降は、それまでの伏線抜きに楽しめる、超能力バトルものに。
  その異形の外見から、敬遠されたりしがちなこの漫画だけど、推理小説顔負けのトリックや、延々と持続するサスペンスのテンション。どんなに、一見くさそうな「努力、友情、勝利」的台詞や、展開でも、かっこよく見せてしまうセンス、ファッショナブルで、いっちゃったかっこよさの、画面構成など、荒木流漫画術は、斬新きわまりない。
 ストーリーやテーマの骨格を失わず、「ジャンプ」のバトルシステムに乗っかったまま、独創的な世界を展開できる、とんでもなくエネルギーに溢れた漫画。「このジョルノ・ジョヴァーナには夢がある!」なんて台詞をババーン!とやられた日 にはもう、参りましたって感じ。
 読み始めたら、はまること間違いなし!特に、第4・5部はスピード感をはじめ、何もかもが洗練されている。一瞬で、別世界にぶっ飛んでみたい方、この漫画で心ゆくまでトリップしてください。
 ズッキュウウーーンと、脳味噌に音が響く。(雅)

 

 

死刑執行中脱獄進行中
(短編集)集英社
死刑執行中脱獄進行中
死刑執行中脱獄進行中
■タイトルも秀逸な、ナンセンス&サスペンス!
きわめて不条理な状況下で、とにかく上がっていくテンションが見事。
一切説明されないまま進行する状況設定が、読者をスムーズに手に汗握る独り舞台にひきずりこむ。
作者もあとがきで書いているが、死刑囚の主人公の入れられた、監獄そのもののモンスター性と、その裏に見え隠れする不在の悪意の存在が効果的。
それにしても荒木作品に登場するやつらは、不条理な状況下に置かれても、決してめげないのが実にいい。
すごくバイタリティがあって、かっこいい。
そういえば、本編が表題の短編集の全ての主人公が基本的に悪人っていうのもおもしろいな。(雅)

 

 

モドル
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