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「劇画オバQ」 ■日常に異分子が入り込むことで生まれるおかしなドタバタを描く藤子・FのSF生活ギャグ。 その日常と化した非日常に、再度、異分子「正ちゃんの奥さん」を入り込ませて、非日常を日常に引き戻してしまったのがこの「劇画オバQ」。 奥さんのいる年齢になった正ちゃんは、もはやちゃん付けできる愛らしい存在ではなく、唯一人昔のままのQちゃんはその世界の中でどこまでも浮いてしまう。(絵的にも) そしてラスト、更なる決定的な異分子の登場で、「オバケのQ太郎」の世界観は現実の中に埋没し、結果Qちゃんは、いるべき場所を失い、漂うしかない、、、 セルフパロディと単純に言うことのできない深く、切ない作品。作者の心象の投影は、晩年の佳作「未来の想い出」でも重く描かれることになる。(雅) 「ミノタウロスの皿」 ■『彼らには相手の立場で物を考える能力が全く欠けている』 「カンビュセスの籤」 「分岐点」 「イヤなイヤなイヤな奴」 「間引き」
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「流血鬼」 ■吸血鬼伝説を題材に鋭く描かれる逆転の物語り。 自分たちと異質なものを畏れ、忌み嫌うようになる人間心理と防衛本能を軸に、所詮人間は自分の属する共同体の共通認識による思い込みで行動するのだ、と言わんばかりのクライマックスまでのスピーディーな展開は見事。 ラストシーンの美しさにドキっとさせられる。(雅) 「ひとりぼっちの宇宙戦争」 「絶滅の島」 「老年期の終わり」 「みどりの守り神」
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「未来ドロボウ」 ■あの時に戻りたい老人と、自分の将来に早々と見切りをつけた少年。その心だけが入れ替わってしまったら、、、 そうなってみないとわからない、ということが圧倒的にわかりやすい形で描かれる。 そうか、やはり若いということはとてつもなく素晴らしいことなのか。 俺もまだまだそのことがわかってないな。(雅) 「大予言」 「ある日、、、」 「あのバカは荒野をめざす」 「タイムマシーンを作ろう」
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