頭 KAWAKAMI JUNKO
かわかみじゅんこ

プロフィール
西目丸というペンネームで活動していたが現在はかわかみじゅんこ名義で、活動中。
群雄割拠の現在の女流漫画シーンでも異彩を放つ、独自の世界を展開している。

 

 

レビュー

ワレワレハ
(全1巻)宝島社
ワレワレハ
ワレワレハ
■かわかみじゅんこの漫画は、他の多くの少女(レディース)漫画家と一見変わらない絵柄でありながら、何かが決定的に違う。
よくあるタイプの恋愛漫画のように見せ掛けておいて、決して常道を通らない。それが端的に現れているのがモノローグの使い方である。かわかみじゅんこは無駄なモノローグを使わない。
雄弁に登場人物の目が物語っているから、必要がないのだ。
この、何処かをじっと見つめる、黒い炎のような瞳が、唐突に展開する物語りの粗削りな疾走感を加速させ、盲目的な、過剰な恋の物語りを盛り上げる。
ノイジーで整っていない絵とコマ割りも、勢いを生む方向にうまく作用している。
表層的なテクニックばかり追いかけると見失ってしまう、輝く熱い原石を、「ワレワレハ」は、握りすぎ!というくらいに今なお掴んでいる。
ラストシーンがオープニングという清々しさ。
ここにも、高くて光る山が、あった!(雅)

 

 

モドル
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