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KAWAKAMI JUNKO |
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かわかみじゅんこ |
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ワレワレハ ■かわかみじゅんこの漫画は、他の多くの少女(レディース)漫画家と一見変わらない絵柄でありながら、何かが決定的に違う。 よくあるタイプの恋愛漫画のように見せ掛けておいて、決して常道を通らない。それが端的に現れているのがモノローグの使い方である。かわかみじゅんこは無駄なモノローグを使わない。 雄弁に登場人物の目が物語っているから、必要がないのだ。 この、何処かをじっと見つめる、黒い炎のような瞳が、唐突に展開する物語りの粗削りな疾走感を加速させ、盲目的な、過剰な恋の物語りを盛り上げる。 ノイジーで整っていない絵とコマ割りも、勢いを生む方向にうまく作用している。 表層的なテクニックばかり追いかけると見失ってしまう、輝く熱い原石を、「ワレワレハ」は、握りすぎ!というくらいに今なお掴んでいる。 ラストシーンがオープニングという清々しさ。 ここにも、高くて光る山が、あった!(雅)
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