銃夢 （全9巻）集英社

■この「銃夢」という漫画の存在は以前から知ってはいた。しかしどうせ大友の「AKIRA」以降溢れた線の細い絵の近未来ＳＦ漫画のひとつだろう、オタク向けの漫画だろうなとタカを括っている部分があり今まで読んでなかった。 しかしやっと機会があり読んだ。 　 そして今まで読まなかった事を後悔した。確かに設定の細かい絵のち密なオタクが好みそうな漫画ではあるのだが他のそういう漫画とは格が違う。それはただアクションを繰り広げ次々に強い敵が出てくるだけのストーリーではないから。 　 主人公のサイボーグの女の子が記憶が無く徐々に多くの謎が解けていく感じがたまらない。「知りたいけれど知るのが怖い」という感覚を味わった。そして２つの構成になっている世界も大きな魅力。物語が大詰めになるにつれ大きくなる話は圧倒的です！ 　 ロボットでは無くサイボーグ、心は人間、脳みそとはなんなのかという深い所まで考えさせられる名作。普段僕はこの手の絵柄は少し苦手なんだけど、銃夢の場合主人公のガリィが妙に艶っぽい。たぶん唇のせいだろう。いい感じだ。（クロブチ）