頭 FUSAKO KURAMOCHI
くらもちふさこ

プロフィール
1955年5月14日生まれ。
1972年、作者曰く『初めて恥も外聞も捨て、素直に描いた』「メガネちゃんのひとりごと」でデビュー。
70年代後半以降の少女漫画のトップランカーであり、今なお第一線で活躍中。そのモノローグは繊細で、描写のテクニックにはますます磨きがかかっている。

 

 

レビュー

天然コケッコー
(全14巻)集英社
天然コケッコー
■生まれも育ちも田舎の右田そよと、東京からそよの中学校にやって来た転校生大沢広海のふたりを中心に、描かれてゆく田舎の生活。
田舎が舞台であっても、決して田舎の賛美ではなく、田舎はあくまで舞台としてそこに在る。時にはほのぼの、時には少し緊張して。登場人物はみな、当然それぞれにいいところもあれば悪いところもあり、その人間描写の厚みが、登場人物の活き活きとした存在感を生みだしている。感情の機微や、気持ちの交錯なども、実に鮮やかに描かれ、物語りは、様々なアイデアで魅力的に演出されていく。
物語りの中でどんどん時間は経過していくのだが、それに伴って、そよ達が心身共に変化していく様子も当たり前のようにさりげなく描けていて、見事!
描写の達人の技があますところなく堪能できる好編。(雅)

 

 

モドル
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