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MASAKI MORI |
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真崎守 |
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■真崎守の魅力を堪能できる初期の短編がつまった短編集で全3巻。それぞれ「子守歌」「挽歌」「死春記」という括りで単行本になっています。 70年代の日本の風景の記録。 「ゴーゴー喫茶」「米兵」「セックス」「組合」「麻雀」「パチンコ」「拳銃」「花電車」「フォークギター」 「路地裏」「四畳半」「酒」「煙草」そして「男」「女」 (クロブチ)
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■劇画の印象が強い真崎守が描いた少年漫画がこの『ジロがゆく』。この作品は第2回の講談社出版文化賞のまんが部門を受賞したもの。ちなみに第1回の受賞作品は手塚治虫の『火の鳥』。 この物語は山村の小さな村の小さな学校に転校してきたジロの話。 ジロは親の仕事の都合で転校を繰り返してきたため、友達を作る事への抵抗がある。そのジロが閉鎖的な山村という舞台でサヨという女の子に恋心をいだいたり喧嘩や絶望を乗り越えて先生やまわりの生徒達と徐々に心を開いていく様がなんとも心に響きます。 もともと読みきりで描かれたものだったので1話読みきりで全体で話が進んでいく。それぞれの話が「春・夏・秋・冬」と季節が違い、ジロの登下校する曲がりくねった長い道の風景が毎回ガラリと姿を変える。 細かく描かれた風景は美しく、それにともなって描かれる透明な感情は「青春」を感じずにはいられない。こんなに本の残りページが少なくなっていってしまうのが惜しい漫画はなかなか無いだろう。 言ってしまうと最後またジロは転校しなければいけない。もちろん今まで転校など慣れてきたはずのジロだが、、、?(クロブチ)
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■斉藤次郎原作で「週刊漫画アクション」にて72年という「社会変革」「学生紛争」などが盛んだった時代に描かれた作品。 高校の時計台(解放区)の元に集い最後まで残った4人の高校生。 それぞれは全く異なったタイプで今まで他人として育ってきた4人だけど「つながり」「仲間」という意識で繋がっている。 リーダーの竜彦、紅一点の涼子、ガタイのいい四郎に眼鏡の幸夫。 それぞれがトラウマを背負って生きてきて、時計台にて1人づつその思い出を話す構成になっている。 結局約1ヶ月の間篭城するも、バリケードは崩され4人は警察に捕まる。 後半では、もうすぐ定年退職の刑事との対決、そしてそれぞれ独房に入った若者の心の繋がり、そして壁の外の仲間とのやりとりが描かれるのだ。 これは70年代の漫画の結晶といえる傑作、いや怪作といえるでしょう。読んだときの衝撃はかなりのものです。 まず絵の緻密さと構図が1コマ1コマ芸術的といえるほどである。 そしてセリフとメッセージの濃さ。 30年たった今、少年犯罪が世間では問題になっている。そんな今まさに読んでほしい作品。 若い時にもつモヤモヤとした社会(大人)への不満など言葉にしてしまうと意味を無くしてしまうような感情がつまっています。 特にワイドショーのアホコメンテーターに読ませてみたい。気のきいた感想なんて帰ってこないかもしれないけど。(クロブチ)
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