![]() |
NAITO YAMADA |
![]() |
|
やまだないと |
|
||
![]() |
|
■ハードでシリアスな、最近の作品も魅力的なやまだないとの最新単行本。 華麗な、オールカラーで、デザイン的にも非常にかっこいい、この作品では、お茶目でコミカルな、もうひとつのやまだないとの世界が楽しる。 まず、いい意味でばかで、きゃーっていうような感じというか、なんともいえないおかしさがこもっている、ちょっと不条理なお話の楽しさもかわいらしくて、かつ、すごくエッチだけど、あまりいやらしくないところが、ないと流でグ−。 個人的には、楳図かずおの描くような雰囲気の男の子が出てくる「3」(けんかのところが最高。)や、「7」「9」や、「11」のぶっ飛んだシチュエーションがお気に入り。 こういった、気楽に読める、でもエッチで、蠱惑的な雰囲気も漂ってるような漫画は、そうそうないので、エロポップなものが好きな人には、最高の漫画かもね。(雅)
|
|
エロマラ ■「つまりあたしはペニスがないと生きていけない体なんだわ」という器質上の気付きに基づき、体だけが目的の不特定多数の男とセックスをつづけるトリコと、彼女と出会ったことで、「はじめて人を好きになった」シゲルのふたりを淡々と描きつつ、彼らの世界に蔓延しはじめたエイズを想起させる病気を軸に展開される物語り。 至近距離に近づくまで感じられない「リアル」のためか、それともより、体のフシギに素直に従っているのか、トリコの生き方の動機はよくわからない。 セックスが提示されるときに必ず同時に提示されるのが 「愛」の存在だが、トリコにとっては、セックスと同時に愛は提示されないからか? ただそこに在るトリコと、おそらくはそこに惹かれたシゲル。そしてふたりに至近距離まで接近しつつある死に至る病。 だがラストの、ある種壮大なひっくり返しは、さっきの愛の問題も含め、人間の不条理さをもう1度投げ掛けてくる。うーん深い。 ラストの台詞にはやられたッス。(雅)
|
![]() |