頭 SANTA INOUE
井上三太

プロフィール

投稿作品「まあだあ」がヤングサンデーにひっかかり、それが原型となった「ぶんぷくちゃがま大魔王」で、相応な評価を受けたものの、その後数年、漫画界から黙殺されていた、(決してこう呼ぶべきではないのだが)異端児。
そのため漫画雑誌よりもサブカルチャーと称される類の雑誌での連載が多く、そっちに括られて語られがちだが、本来は強くメジャーを意識した作家である。
内容は未だ粗削りとも言えるが、漫画本来のスピード感に溢れた作風は、かえって、それが「今、新しかった」という皮肉により、絶賛され、現在は第一線で活動中。
(参考文献:スタジオ・ボイス92年10月号)

 

 

レビュー

隣人13号
スコラSC
隣人13号
■宣伝文句通りのジェットコースター復讐劇。
表層的には、圧倒的なスピード感(これは読み進む読者のスピードも含む)や、果てしない暴力表現のエスカレート、歪んだキャラクターなどの陰惨なインパクトが強いが、むしろ、いじめ、いじめられの関係を主軸に、骨太に、プリミティブな人間の本質を描いてるところにこそ凄みを感じる。
井上三太のマンガが嫌いな人にこそ一読してほしい作品。
クライマックス、元いじめっ子の「気付き」が、それまでの物語の醜悪を吹き飛ばす。(雅)
 

モドル
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